よかったら、読んでみてね
昔々、ある所に、優しくて、勇敢な男の子が住んでいました。
いつも黄緑色のベレー帽をかぶっていたので、「どりベレちゃん」とみんなから呼ばれていました。
今日は、大好きなママにたのまれて、おばあちゃん家へおつかいです。5月の空は澄み渡り、風がそよそよ気持ち良いです。一歩一歩、歩を進めていくと、なぜだかとてもおいしい匂いと、勇ましい男の人達の声が聞こえてきました。
男たち:わっしょいわっしょい!どすこいどすこい。わっしょいわっしょい!どすこいどすこい。
どりベレ:なんだろう?
興味津々などりベレちゃん。てくてく歩いていくと、「イカポッポ」「あんず飴」「台湾焼きそば」。おいしそうな屋台の食べ物がズラリ並んでいます。
どりベレ:わぁ、いいんだ。こういうの食べたかったんだ。台湾焼きそば、あこがれる。
そんなことを思っているとまた、イナセで元気な若い衆の人たちが、「わっしょいわっしょい、わっしょいわっしょい!」と叫んでいる声が聞こえてきます。
どりベレ:なんだろう、すごい人だかり。行ってみよう。・・・あっ!おばあちゃん!!
おばあ:あ、どりベレちゃん。久々に良く来なすったねぇ。
どりベレ:ていうかおばあちゃん!!ヨーカドーの2階ぐらいの高さに、なんか、アレ!!
おばあ:だいじょうぶ、だいじょうぶ、これが今トレンドで第34位だから。
どリベレ:はぁ~、そうなんだぁ~。でもこんな風に胴上げされてて、これが今流行りなの?っていうかさっき言ったよね?
おばあ:言ったよ。だからトレンド34位だよ。
(552・553・554・555!)
どりベレ:あっ、ミッキー吉野さん!おばあちゃんの代わりに、次、ミッキー吉野さんが胴上げに!!
おばあ:あぁ~、あの方はねぇ、見た目はああだけどねぇ、すばらしく高いところが好きなんだって。
どりベレ:あ、そうなんだぁ~。あっ、次は・・・
(756・757・758!)
どりベレ:あ!!今度はあの名優の名古屋章さんが!!
おばあ:ほんとにねぇ~、あの方もねぇ~、演技もすばらしいし、声もユーモラスで、ちょっとおばあちゃん、モノマネしたくなってきたよ。
どりベレ:そっかぁ~、名古屋章さんまでこんなところで久々にお見受けすると、ますますなんかお腹空いてきちゃった。おばあちゃん、台湾焼きそば食べに行かない?
おばあ:ほぉ、台湾焼きそば?台湾焼きそばがどりベレちゃんの好みなのかい?
どりベレ:うん、前から興味はあったんだけど、うちのママが、「そんな風な、『台湾焼きそば』なんて意味のわからない言葉を使ったり、食べたりしちゃダメ!」って強く言うから、ますますなんか食べたくなっちゃって。
おばあ:ああ、エミリーかい?あの子は本当にロクでもない子だよ。自分だって大したことないくせに、何もわからないとか、何も知らないことに触れさせるのが親の役目じゃろ、本当にねぇ。
(944・945・946!)
どりベレ:あぁー!本当に久々の、こまどり姉妹さん達がぁ~!
おばあ:ん?こまどり姉妹・・・?あぁ~。
どりベレ:あ、おばあちゃんダメだよ!こまどり姉妹「さん」って、さん付けなきゃ!!
おばあ:いいんだよ、こまどり姉妹は私よりも10くらい年下なんだから。
どりベレ:えー、そうなの?でも、「さん」付けたほうが・・・。
おばあ:そういうとこがね・・・。まぁ、でもじゃあ、今回だけは、こまどり姉妹「さん」って付けるけど・・・。
どりベレ:下さいな♪台湾焼きそば
お店のひと:ヘイ、辛味つけますか?大・中・小!?
どりベレ:じゃあ小で。
おばあ:わたしは、大で。
どりベレ:さすがおばあちゃん、大人~♪
(1101・1102・1103!!)
どりベレ:あっ!おばあちゃん、午前の部さいごは、黒木瞳さんが胴上げされてるよっ!
おばあ:お待ち!!幼子のどりベレちゃんには、早すぎるぅ~。
どりベレ:やっぱり、おばあちゃんも、ママと一緒だね。さっきは、「見聞は大きく広げよ」とか、言ってたのに・・・。
おばあ:うーん・・・、まぁいっか。早く、走ってみておいで。
どりベレ:やったぁ~♪ありがとおばあちゃん
20分後、家でのんきすごしていた、ママの元へ、ベビーカステラを持って、どりベレちゃんは、帰りました。
今回は、薮宏太くん編です。ほうほうほでした