1年以上前に読んだ本ですが、
北方謙三の「水滸伝」19巻
「小説を読む醍醐味とは こういうことなのね」と思える、
今まで読んだ小説の中で一番、最高に面白かった作品であります。
<水滸伝>
12世紀の中国、北宋末期の時代。
重税と暴政のため国が乱れ
その腐敗した政府を倒そうと
108人の有志が結集して悪に立ち向かう、という物語。
中国版の「水滸伝」は民話逸話の集大成されたもので
ひとつの物語としては不可解な部分もかなりあったそうです。
その後日本で 吉川英治氏や柴田錬三郎氏等によって
も書かれたそうですが、
北方水滸伝は 中国版の不可解な水滸伝の部分を解体して
北方流にアレンジして
現代版の物語に蘇った、という感じで、とにかく面白くて
どんどん読み進めちゃう。
19巻あるけど一冊毎に
ヒーローが一人、二人ピックアップされて
皆 魅力的に描かれているので
飽きずに読めます。
例えば 林冲(りんちゅう)。
天下一品の武術の達人で
ヤンチャ小僧がそのまま大人になったような人物ですが
その過去には 哀しすぎる悲劇があったり、、。
公孫勝(こうそんしょう)
梁山泊の有志で林冲(りんちゅう)に並ぶ武術の達人だが
林冲とは犬猿の仲。
二人は会えば悪態ばかりついているが その悪態の裏には
本当は
“これぞ真の男の友情”と言える真意が。
そして最後に・・。
1973年に水滸伝のテレビドラマがあったのですが、
その時の配役は
林冲は 中村敦夫、
公孫勝は 寺田農でした。
なるほど、、。
他にも 貴公子的ヒーローの楊子(ようし)、
北方水滸伝にはなくてはならない僧の魯達(ろたつ)、
案外、好色で人間味あふれる描き方がされている
梁山泊の頭領、宋江(そうこう)等々。
名前を思い描くだけで
興奮冷めやらぬ読後感が蘇る、、。
映画監督さんか脚本家さんのどなたか
今度は、“北方水滸伝”の映画かテレビドラマ
作って欲しいな~~。