なまぬるい生活

エホバの証人 元二世のブログ

世を最大限に利用する組織

2010年02月08日 04時02分40秒 | 一般記事
インターネット

少し前のブログに紹介した2010年 エホバの証人の年鑑を少し読んでみました。その感想です。

10ページからの「現代の技術によって業を速やかに進める」では
興奮を誘う今の時代に,エホバがご自分の民の増加を速めるために新しい技術を用いておられることに疑問の余地はありません。そのため統治体は,世界じゅうのすべての支部で使える管理用のソフトウェアの開発を承認しました。
とあります。

自分たちが在庫管理のソフトを作る口実を「エホバが新しい技術を用いておられる」なんて言っちゃうあたり、あいかわらずすごいなぁと思いますが、このソフトによって他の支部にどの文書が在庫しているか、野外からの過去の依頼に基づいて今後の必要量を予測する機能も備わっているのだそうです。

このような内容を読むと、この組織は宗教の名を借りた出版業なんだなぁとあらためて思います。

なお、知らない人にとっては「組織はすごいソフトウェアを作ってるんだな」という印象を受けるかもしれませんが、物流の世界では当たり前のことで、店舗間の在庫の調整・過去の売り上げデータを元にした発注など、普通に行われています。


12ページからの「インターネットを通して霊的な光が輝く」では
・外国語を話す女性に公式サイトから文章を印刷して渡して良い結果になった
・どんな場所でも jw.org から録音ファイルがダウンロードでき、雑誌の到着が大幅に遅れる地域でも最新の記事を聞くことができる
・会衆の長老たちは用紙類や講演の筋書きを直接印字することができる
・これらの備えが組織にとって時間と費用と労力の節約になる
とあります。

このような内容や王国宣教、会衆への手紙を読むとインターネットに対する見方が以前と比べてずいぶん変わったなぁという印象を受けます。

インターネットといえば、エホバの証人ではない人と「チャット」などを通して有害な交わりに陥りやすい、背教者が狡猾な文章で真の崇拝者をだまそうとしている、ポルノに容易にアクセスできる、など とにかくマイナスなイメージを植え付け、できるならインターネットは使わない方がいいという風潮すらありました。

現在ではものみの塔や目ざめよ!の録音CDはダウンロードに変更するように指示され、外国語を話す人にはまず公式サイトから該当する言語のページを印刷して渡すように提案されています。
また、視覚障害者向けにフロッピーディスクで送られていたテキストデータは2010年2月からメールでの配信に切り替わると2010年1月号の王国宣教に載せられています。

ここまでインターネットに関する見方が変わり、ネットの利用によって協会の負担を減らすことができるとなると、今まで接続したくても費用の面で、また「霊的保護のため」に我慢していたインターネットを利用せざるを得ないと感じる人もいるのではないかと思います。

僕の知っている長老兄弟に、以前「インターネットには接続しないの?」と聞いたことがあります。そのとき「私はいろいろと興味があり、何にでも頭を突っ込む癖がある。ネットをつないだら背教者のサイトとか見てしまうかもしれないねぇ。」なんて言っていました。

今でもつないでないのかは分かりませんが「長老は会衆の奉仕報告をまとめてネットで報告するように」という指示が始まれば、少ない収入の中でネットにつなぐ必要があるかと思います。

ネットの利用で便利になり協会の費用が節約できる反面、個々の利用者には新たな費用が発生する場合があること、またパソコンすら持っていない人や、経済上ネットに接続できない人は、ネットを利用した経験や仲間の話を聞いて疎外感を感じているかもしれないこともを忘れないでほしいと思います。