舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

写真は語る

2014-10-23 05:42:31 | ダンス話&スタジオM
踊っているところを撮影した写真は、驚くほど被写体のダンサーの踊りの実力を浮き彫りにするものです。
最近私はつくづくそれを実感しております。


たとえば見出し画像のマヌ・ボイド様は、私が世界で最も崇拝するクムフラのお一人ですが、この何気ない動作を撮ったものだけでも、マヌ様がいかに優れた踊り手かビシビシと伝わって参ります。
こないだの記事に書いた「然るべき箇所がリラックスし、然るべき場所に芯の通った状態」を体現しておられるのです。

キメッキメの見せ場で良い形にする事は、あんがい難しくありません。
こういう「ちょっとした動き」に巧さが出るダンサーこそ、真に素晴らしいダンサーなのです。
したがって、こないだのパンパシでのマヌ様の踊りも、一瞬たりとも目が離せない完璧な美しさでした。
もしあの踊りをコマ撮りしても、すべての瞬間が美しかったに違いありません。


マヌ様に限らず、美しいダンサーとはおしなべてそういうものです。
たとえば最新号の某フラ雑誌で、ミカさんの踊りを撮影して振付を誌面に紹介する記事があり、そのテキストを書いた方が「ポーズを撮ったのではなく動いている姿を撮ったのに全部綺麗!これは珍しい事だ」と驚いておられましたが、上手なダンサーを撮影すればそうなるのは決して不思議な事ではありません。


前述のように、真に巧いダンサーは「何気ない動作」を撮った瞬間にこそその技術が現れます。
そのため、巧いダンサーの最も素敵な瞬間をイラストにするのは極めて難しいです。
私も今までそういう何気ない動作を絵にしようと苦心して参りましたが、あのさり気なさはなかなか絵に出来るものじゃないんですよね。
いつかマヌ様の踊りの美しさを絵で表せるようになりたいものです。


かように「何気ない動作」を絵で示すのは難しいのですが、その真逆、つまり悪い例ならいくらでも絵に出来ます(爆)。
「何気ない動作」の対極にあるものですから、あたかもコロッケさんのモノマネのごとくわかりやすい特徴があるのですね。




え~、例えばこのイラスト。
左側が黄色いスーツのダンディのゲッツ!で、中央がクレイジーケンバンド・横山剣さんのイィーネッ!で、右側がフレッド・アステアさんのタップダンスだったら何の問題も無いのですが、残念ながら(?)フラで行われてしまったが為に大問題な動作です。


まず左のダンディ。
左右の膝および爪先の向きがまるっきりアサッテの方向を向いてます。
ウヴェへの瞬間だけならさておき(ウヴェへも膝を開かないスタイルだと徹底的に開かないですね)、常にこうなっているのは、特に女性のフラとしてはあまり望ましくない状態です。
普段パウで練習している場合、膝の在処について意識しないでいるとこうなってしまう事がありますので、くれぐれも注意が必要です。


次に中央の横山さん(知り合いか)。
横山さんがイィーネッ!を繰り出す時なら問題ありませんが、女性ダンサーのカホロの歩幅が毎回60cmもあるのはいただけません
たとえロングドレスを着ていても、脚が開いている瞬間はまことに残念な状態になりますし、まして丈の短い衣装で脚がむき出しになっているともはや放送事故ですので、これまた十分に注意しましょう。


そして右側のフレッドさん。
元祖フレッドさんはそれこそ「様」とお呼びせねばならないくらいダンサーとして崇拝すべき存在です。
しかし、フレッド様がタップダンスで華麗にスライドした時ではなく、フラにおいてこのように身体を傾けるのは非常にマズいです。
振付によって上半身が真っ直ぐでなくなる時も、フラにはフラに相応しいバランスというものがあるわけで、少なくともこのイラストはフラにとって正しいバランスではありません。
もちろん、腰を大きく振ろうとしてこういう傾きが起るなど言語道断,絶対にやってはいけない事です。


このようにイラストに書き起こすのが可能という事は、つまり踊りの中でこういう動作をすれば、写真にも情け容赦なく写されてしまうという事です。
写真は文字どおり「真実を写す」ので、もし残念な状態の自分が写っているとしたら、それは運が悪いのでもカメラマンさんの腕のせいでもなく、それこそが紛れも無い真実だからなのです。


他にも、「この人は感情表現のつもりで思いっきり首を短くしているな」とか、「この人は姿勢を良くしているつもりなんだろうけれど社交ダンスのホールド矯正器具を使ってるみたいに固まってる」とか、色々なシビアな現実が見えて来たりします。
しかしながら、たとえ自分にとって不本意な状態が写っていたとしても、現実から目を背けるのではなく、むしろ積極的に見て今後の改善に繋げて行く事が大切です。

そのようにして自分が踊っているところの写真を集めて行くと、最初は不本意な姿ばかりでも、だんだんと理想に近づいていくのが見えて進歩の軌跡を実感する事が出来ます。

ですから、ステージ写真は積極的に撮っ(てもらっ)た方が良いし、なるべくたくさん集めた方が良いです。
時に動画よりも雄弁に「今の自分の踊り」を物語ってくれるはずです。


かく言う私も、最近やっとこさ自分のイメージ通りの姿で写ってくれてる事が多くなって来たのだ……。
それでもマミちゃんと並んで踊っているとイロイロ粗が目立つんだ……






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