私が世界一好きと言って憚らない小説「十二国記」シリーズが、今日の読売新聞の書評「ライブラリー」欄に載りました!!うれし~
この素敵すぎる作品をご紹介くださったのは井辻朱美さんです。いやはや、お目が高い。
私が以前拙ブログでやらかした解説とは違い、この特殊な世界観を限られた行数でキッチリ説明してくださってまして、伝道師としては有難い限りです。
十二国記を『三国志』になぞらえてお話しされているのも重要なポイントですね。
そうなのです、三国志(演義の方)がお好きなあたりの方こそ、私が新たな十二国記ファンに洗脳したいと思っている層なのです(笑)。
あと『水滸伝』とか。中国風異世界ファンタジーだけど文章も格調高いし設定も確りしてて、目の肥えた人でも十分お楽しみいただけるはず。
そして、何より嬉しかったのは、「十二国記の成功点は恋愛を除外したこと」と、私の意見とまったく同じ指摘をされている事です
初めて通読した時から私もそう思ってました。原作に恋愛描写が無い方が二次創作で果てしなく妄想でき..............ぇっへんぉっほん、もとい、色恋沙汰を完全に排除した事によって、この壮大な世界観が広がったのだと思います。
まさしく「何かを外してみることで、初めて見えてくるものもある」(本文引用)のですね。
更に井辻さんは、これによって生じた効果を具体的に二つ挙げています。
ひとつめは「少女の自己実現の足を引っ張る最大の要因であろう恋愛を除外することで、壮年男性と同じフィールドでの活躍が可能になった」こと。
そしてもうひとつが「肉体的恋愛がないからこそ、(中略)むしろ純粋な愛をかいまみせてくれる」ことです。
ひとつめはおもに第一作『月の影 影の海』のヒロイン・陽子の話でしょうね。
(だから挿絵も陽子なのでしょう。それにしてもこの挿絵描いた人絶対原作読んでないですよね。景麒がロバにしか見えん!! あと陽子の剣、それじゃ中世ヨーロッパだろ!?)
恋愛こそ自己実現だと無邪気に信じる女子もいますが、とんでもありません。実際はその逆です。
そう考えると、この本は(まったくそう見えないけど)フェミニズムの観点から読んでも示唆に富んだ作品と言えるかもしれません。
新しい生命はすべて樹に宿る=女性に子供を産む責が与えられていないという設定によって、この世界の男女はまったく平等な土俵にたつことができます。
それなのに、ある国では短命(=無能)な女王が続いているために「女王はダメだ」と人々に思い込まれていたりして、これはまさに「性差なんてものは元々存在しているのではなく、人間が勝手に作り上げている偏見に過ぎないのだ」という含蓄が込められたエピソードだと感じるのは、私の考え過ぎでしょうか?
そしてふたつめ、この作品にはおよそ男女の恋愛以外の様々な絆の形が描かれていて、皆いたく共感できます。
どれもがそうとうな艱難辛苦を経て築いた関係だってことも、彼らの絆を説得力あるものにしていますね。
私が個人的に好きなのはなんたって氾王と氾麟の関係ですが(笑)、井辻さんが「二作目が一番捨てがたい」とおっしゃっているのには驚きました。
お、おもいっきし恋愛話じゃん!!
私が思うに、あれはシリーズ中唯一の恋愛譚デスよ。
少年麒麟と青年王の(ヲイ)。
っつーか、完全に少年の片思いの感があるけど。行間読まなくたってあれは完全に片思いの症状です。
眩しそうに見上げていたり、反抗して突き放してみたり、かの片思いのバイブル『袋小路の男』なんかと比べると二人の間にだいぶ距離を感じます。片思いというより、憧れに近い感じですね。
それは少年の感じている距離(年齢だったり身長だったり)なんだろうけど。青いねえ。
ま、青年王がいろんな意味でそうとういい男(イメージは金城たけぴょん)だからしょうがないんですけどねー。
たけぴょんの方も懐かれて悪い気はしてないようですし。
井辻さんも「もっともういういしい初恋物語の趣」とハッキリ認めちゃってるし、えー、色恋がないことを評価しといてオチはそれー!?...という気がしないでもないですが(笑)、そんなとこにこの方が十二国記に抱いていらっしゃる好意の本気度を見ることができ、同好の士としては却って嬉しいです。
ちなみに私は第二作は...う~ん、たけぴょん(だから青年王=尚隆さまだってば)好きとしてはハズせない巻だと思うんだけど、前述の二人の距離感が見ていてたまらなくて、いまいち不得手なんですよね。
こういう一方的に憧れている関係はどうも...。かといって、あと少しで恋愛に発展するとこまで行っちゃってるのも好きじゃないです。恋愛に発展したらあとはもう終わりに向かってまっさかさまだもん。
いくら頂上に行けても、あとは下山するだけですものね。そんなのつまりません。私の理想は永遠の上り坂。それも勾配がなさ過ぎて、最早のぼってる本人さえ平地のような気がしている位のがいいです。
やっぱり片思いモノ(どんなジャンルだ)は『袋小路の男』に限るな(笑)。
だから恋愛はそっちに任せ、十二国記においては恋愛感情の介在しない豊かな物語世界を楽しみましょう。
この素敵すぎる作品をご紹介くださったのは井辻朱美さんです。いやはや、お目が高い。
私が以前拙ブログでやらかした解説とは違い、この特殊な世界観を限られた行数でキッチリ説明してくださってまして、伝道師としては有難い限りです。
十二国記を『三国志』になぞらえてお話しされているのも重要なポイントですね。
そうなのです、三国志(演義の方)がお好きなあたりの方こそ、私が新たな十二国記ファンに洗脳したいと思っている層なのです(笑)。
あと『水滸伝』とか。中国風異世界ファンタジーだけど文章も格調高いし設定も確りしてて、目の肥えた人でも十分お楽しみいただけるはず。
そして、何より嬉しかったのは、「十二国記の成功点は恋愛を除外したこと」と、私の意見とまったく同じ指摘をされている事です
初めて通読した時から私もそう思ってました。原作に恋愛描写が無い方が二次創作で果てしなく妄想でき..............ぇっへんぉっほん、もとい、色恋沙汰を完全に排除した事によって、この壮大な世界観が広がったのだと思います。
まさしく「何かを外してみることで、初めて見えてくるものもある」(本文引用)のですね。
更に井辻さんは、これによって生じた効果を具体的に二つ挙げています。
ひとつめは「少女の自己実現の足を引っ張る最大の要因であろう恋愛を除外することで、壮年男性と同じフィールドでの活躍が可能になった」こと。
そしてもうひとつが「肉体的恋愛がないからこそ、(中略)むしろ純粋な愛をかいまみせてくれる」ことです。
ひとつめはおもに第一作『月の影 影の海』のヒロイン・陽子の話でしょうね。
(だから挿絵も陽子なのでしょう。それにしてもこの挿絵描いた人絶対原作読んでないですよね。景麒がロバにしか見えん!! あと陽子の剣、それじゃ中世ヨーロッパだろ!?)
恋愛こそ自己実現だと無邪気に信じる女子もいますが、とんでもありません。実際はその逆です。
そう考えると、この本は(まったくそう見えないけど)フェミニズムの観点から読んでも示唆に富んだ作品と言えるかもしれません。
新しい生命はすべて樹に宿る=女性に子供を産む責が与えられていないという設定によって、この世界の男女はまったく平等な土俵にたつことができます。
それなのに、ある国では短命(=無能)な女王が続いているために「女王はダメだ」と人々に思い込まれていたりして、これはまさに「性差なんてものは元々存在しているのではなく、人間が勝手に作り上げている偏見に過ぎないのだ」という含蓄が込められたエピソードだと感じるのは、私の考え過ぎでしょうか?
そしてふたつめ、この作品にはおよそ男女の恋愛以外の様々な絆の形が描かれていて、皆いたく共感できます。
どれもがそうとうな艱難辛苦を経て築いた関係だってことも、彼らの絆を説得力あるものにしていますね。
私が個人的に好きなのはなんたって氾王と氾麟の関係ですが(笑)、井辻さんが「二作目が一番捨てがたい」とおっしゃっているのには驚きました。
お、おもいっきし恋愛話じゃん!!
私が思うに、あれはシリーズ中唯一の恋愛譚デスよ。
少年麒麟と青年王の(ヲイ)。
っつーか、完全に少年の片思いの感があるけど。行間読まなくたってあれは完全に片思いの症状です。
眩しそうに見上げていたり、反抗して突き放してみたり、かの片思いのバイブル『袋小路の男』なんかと比べると二人の間にだいぶ距離を感じます。片思いというより、憧れに近い感じですね。
それは少年の感じている距離(年齢だったり身長だったり)なんだろうけど。青いねえ。
ま、青年王がいろんな意味でそうとういい男(イメージは金城たけぴょん)だからしょうがないんですけどねー。
たけぴょんの方も懐かれて悪い気はしてないようですし。
井辻さんも「もっともういういしい初恋物語の趣」とハッキリ認めちゃってるし、えー、色恋がないことを評価しといてオチはそれー!?...という気がしないでもないですが(笑)、そんなとこにこの方が十二国記に抱いていらっしゃる好意の本気度を見ることができ、同好の士としては却って嬉しいです。
ちなみに私は第二作は...う~ん、たけぴょん(だから青年王=尚隆さまだってば)好きとしてはハズせない巻だと思うんだけど、前述の二人の距離感が見ていてたまらなくて、いまいち不得手なんですよね。
こういう一方的に憧れている関係はどうも...。かといって、あと少しで恋愛に発展するとこまで行っちゃってるのも好きじゃないです。恋愛に発展したらあとはもう終わりに向かってまっさかさまだもん。
いくら頂上に行けても、あとは下山するだけですものね。そんなのつまりません。私の理想は永遠の上り坂。それも勾配がなさ過ぎて、最早のぼってる本人さえ平地のような気がしている位のがいいです。
やっぱり片思いモノ(どんなジャンルだ)は『袋小路の男』に限るな(笑)。
だから恋愛はそっちに任せ、十二国記においては恋愛感情の介在しない豊かな物語世界を楽しみましょう。