舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

『Genji』最終回

2009-03-28 02:23:24 | 徒然話
アニメのうち原作を持つものの中には、「原作の進行をアニメが追い越してしまった」「原作者とアニメの作り手との間に齟齬が生じた」などさまざまな理由によって、原作とはかけ離れた展開に走る作品がしばしばあります。
ということで、昨日の『Genji』および先ほどの『黒執事』のお話です。
そう、つまり、私がハマったこの二つの作品はいずれも、原作から遠くブッ飛んだ締めを迎えたわけですね。

結論から申しますと、私は原作至上主義ですから、原作に忠実なアニメや映画を好みます。
原作と違う展開やラストにしたいのなら、翻案という形をとればよいのです。たとえば結末を180度変えてしまったディズニーの『リトル・マーメイド』みたいなものですね。
(あれはもう、アンデルセンの原作とはまったく別の、ただ「人魚姫が陸の王子に恋する話」って部分だけが共通しているという認識で楽しむべき作品です。)

原作者本人が違う展開を求めて自らアニメや映画用に異なるストーリーに書き直したのならもちろん野暮は申しませんが、原作者でない人が勝手に展開を書き換えた場合、私はそれを容赦なく「改竄」と呼んでおります。

ちなみに、いままでのワースト・オブ・改竄といえば、NHKが制作したアニメ『十二国記』だと思います。
だって主人公の陽子と一緒に2人ものクラスメイトが異界に飛ばされたんですぞ。アレはそもそも陽子が完全なる独りで異界に放り込まれたんじゃなきゃお話が進みません。

あとテレビ東京の『ケロケロちゃいむ』も凄まじい変えっぷりでしたね。
まずあれを担当したアニメーターさんがそうとう絵をオリジナルに変えてしまう人だったようで...。他の作品を見ても、全部その人のテイストに変え切っていたからなぁ。
それ自体は可愛かったからいいんですが、ストーリーの改竄はいただけません。最終的にまるで違う代物になってしまってました。

どうせなら『天地無用!』みたいに、いろんな作り手が入り乱れてOVAも映画も小説も漫画もまるっきり好き勝手な展開を見せるくらい懐が広ければ、それはそれで面白いのですけれど。
ただあの作品は、基本設定とキャラクターの作りがもの凄くしっかりしているからこそ、そんなことが可能だったんですよね。逆に言えば、あのくらい根幹の設定がしっかりしていなくちゃ、作り手が入り乱れると作品がグチャグチャになってしまうということです。
ま、私みたいに天地無用!のスピンオフ作品『魔法少女プリティサミー』の方にハマってしまうような似而非ファンが偉そうに言うことではないな(笑)。
いかんせん魔法少女フェチなんで、その辺はご勘弁願うといたしまして。


....う~~、あまりにもマニアックな方向に脱線してしまった(汗)。
昨日と今日のアニメの話ですよね。

先ず源氏...以前から「この話数の中でどうやって締める気!?」と老婆心ながら心配していたのですが、その不安が見事的中!!
何ですかこの最終回は。
特に紫の上に手を出すくだり、美化し過ぎ!!!
何かこないだから「紫の上に手を出すくだり」に異常な思い入れがあると受け取られかねないくらいこのシーンにこだわってますが(笑)、丁度その辺がアニメのラストに来るだろうってタイミングだったのですから、このシーンに注目しているのはあくまで偶然です。

でもまぁ、源氏が手を出した数多の女性達の中でも、「初恋の人・藤壷女御」と「手塩にかけて好みの女に仕立てた紫の上」の二人が別格なのは、火を見るより明らかなことです。

そのうち藤壷女御のエピソードに関しては、しっかり描かれていましたね。藤壷さんの方も源氏に対して並々ならぬ思いがあるにも関わらず、二人の立場上決して源氏に応えるわけにはいかず、ゆえに源氏は手を出そうが足を出そうが永遠に片思いのままという、外道源氏の根幹を形作る重要な要素です。

では次なる紫の上(そもそも彼女に目をつけたのだって藤壷さんに似ていたからです)はどうか。
源氏は紫の上が幼い頃から手元に引き取って養育し、たとえていうなら種から丹念に育てた果物がちょうど熟したところで収穫する...つもりが待てずにまだ実が青いうちに収穫してしまったわけです。完全に変態です。

信頼し尊敬していた「お兄様」がそんな邪な魂胆を持った変態だと知った時の紫の上の絶望たるや、いかばかりであったでしょう。
もちろん、原作ではそんな心情がきちんと描かれています。当り前です。まともな少女(あきらかに少女なんですよ、おそろしいことに)なら、原作の紫の上がごとく、ショックのあまり夜具を被って引きこもりたくもなるでしょう。

にもかかわらず、このアニメの紫の上ときたら、いきなり今までの優しいお兄様の仮面を脱ぎ捨てて「妻として私の帰りを待っていてください」(←※須磨に流される直前)とか素っ頓狂なことを言い出す変態源氏に対し、明らかにうっとりと幸せそうに身を委ねてしまうのです。オイィィィィ!!!

その後の、源氏が前髪の両サイドにおリボンをつけた幼い少女を腕に抱いているシーンなど、いっそ教育委員会が『源氏物語』を有害図書に指定してくれた方が良さそうな不適切な構図でした。
やめてやめてぇ~。変態を肯定しないで~。あまつさえ美化しないで~!!!

....こうして改めてアニメで観てみると、源氏はあまりにも不適切な行動が多すぎるので、教育上やはり源氏に同情する視点ではなく、あくまでも瀬戸内先輩のように冷徹なツッコミを入れながら描かれた方が良いと思いました。


ありゃりゃ。源氏に対して言いたい事が多すぎて、『黒執事』の話題に入る前に莫迦長くなってしまいました。
あくまで執事のお話は、また後日という事で。イエス、マイロード。

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