舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

My Life as a Dancer

2006-10-18 23:58:00 | ダンス話&スタジオM
昨日『ダンサー』という映画を見たついでに、今日は私のダンス遍歴についてお話ししようと思います。
といっても、その始まりがいつだったかはさだかではありません。何しろ自分で歩けるようになる前から、母マミちゃんは私の腕をつかんで自動的に踊らしていたらしいので(笑)。

とにかく、そんな私が生まれつきやったダンスといえば、フラとタヒチアンとジャズダンスでした。
本当はこれにバレエが加わっていたかもしれません。祖母はバレエ教師で、マミちゃんもクラシックもモダンも幼少からやったクチでしたし、母方の親戚の女性はほとんどバレエを踊っていました。
実際、自分でも3歳くらいの時にバレエ教室に見学に行ったのを覚えています。
しかし私はレッスン風景を一目見るなり「イヤ」と即答...!!
なぜなら、先生が棒で生徒の脚を直しているのがダメだったからと記憶しています。
当時から既に根性もないくせになまいきな餓鬼だったのがよくわかりますねえ(笑)。
そんなわけで地道な努力は苦手な子供でしたが、ノリの軽い母親につられる感じでいろんなダンスを覚えてゆきました。

家庭環境が小さい子供にもたらす影響は決して莫迦にはできません。
記憶もない頃から踊ってきた私が得たものの一つがリズム感で、今では初めて聞いた9拍子とか11拍子とかでも乗れます。
ついでに、さんざん外国語の曲を聴いてきたせいか、外国語の音をつかむこと(アメリカ英語とイギリス英語とハワイ英語を聞き分けるとか)が異様に得意になりました。

少し遅れて小学生の頃に始めたのは社交ダンスです。
最初に覚えたのはジルバで、最終的には国民文化祭で踊ったり、なんちゃらというジュニア競技会で入賞したりとかしましたが、この踊りには私にとって死活問題が二つあったのです。
一つめはヒール付きの靴を履かなきゃならないこと。二つめはもっと問題で、男性(しかもあちらが「リーダー」で女は「パートナー」ですぜ)と組んで踊らなきゃならないことです

私は真冬でも靴下さえ履かない人間なので、本当は足裏を鍛えて外も裸足で歩きたい(マミちゃんが通ったハワイの学校にはホントにそういう人がいたらしいです)くらいでして、ヒールのある靴で歩くのみならず踊るなんて問題外なのです。
さらに男性と組まなければならないという恐怖!!ジュニアダンスで出場するときなどは、わりかし年長者だったので女の子と組んだからまだ良かったのですが、男性と組むなんてダメダメ。鳥肌がぶわああと立ってしまうのです。
これは好き嫌いの問題じゃないです(私が地球上で最もイイ男と思っているジョージ・クルーニーだって嫌ですよ)。

そんなおり、時代は(といっても日本ではまだまだでしたが)ジャズダンスに代わってヒップホップが台頭してきました。
マミちゃんはハワイ留学時代こよなくソウルトレインを愛し、昼はダンス学校で勉強し、夜はディスコ(※注:'70年代前半)に通うという生活を送っていたらしいので、さっそく同じ流れを汲むヒップホップに移行しました。
私は音楽も衣装もジャズダンスよりヒップホップの方が遥かに好きだったので、まもなくこれがマイブームとなりました。
特に好きだったのは音の取り方です。ヒップホップのリズムの乗り方の方が、音と一体化している感じがして気持ち良かったのです。

しかし、私は気付いてしまいました。
男性と女性の踊り方が基本的に同じヒップホップにおいて、アクロバティックな技やパワーに関して、女は決して男に適わないのです。
ならば女性らしい踊りで見せられればいいのですが、残念ながらヒップホップの表現方法は、女性の魅力を最大に引き出すというたぐいのものではありませんでした。

それ以来、私はただただ服装とダンスに限っては「男は男らしく、女は女らしい」のを好むようになりました。
もちろん今もカッコイイ女性に憧れますし、カッコよく踊りたいとも思ってますが、あくまでも「女性らしいカッコ良さ」が私の目標です。

中学にあがったばかりの頃、私はベリーダンスに出会いました。
初めて見たその瞬間、「これが踊りたい」と痛烈に思った私。今考えれば、私が自分の意志で始めたダンスはこれが初めてでした。
当初はまだヒップホップ好きを引きずっていたので、ノリのいいジプシーダンスやトライバルを好んでいたのですが、どういうわけか勉強すればするほどキャバレースタイル(いわゆるベタベタのベリーダンス)に傾倒してゆきました。

自説によれば、長年ほかのダンスを踊った後でベリーダンスに入ったダンサーは、極端に「出身のダンスを前面に出すタイプ」と「どんどんベタな王道に踏み込んでいくタイプ」とに分かれます。
ベリーダンスはフラなどと違い、表現方法がかなり自由なので、お望みなら自分の得意分野を押し出してもたいてい間違いとは呼ばれません。
しかし私は典型的な後者で、ベリーダンス以前に身に付けたダンスの技術を軽率に出さないようにしています。
それは香りの強いスパイスのようなもので、少しなら料理の味に深みが出るかもしれませんが、明らかにそれとわかるほど入れてしまっては、ただの異臭にしかなりません。

だから、「ほかの踊りの経験があれば新しい踊りもうまくいく」とは一概にいえません。
逆にいえば、ダンスを始める時に踊りの経験がないことをコンプレックスに感じる必要はまったくないのです。

たとえ前面には出ていなくても、異なるジャンルのダンス同士がいい影響を与えあうことはあります。
私の場合、ベリーダンスで身に付けた女性らしい踊り方や繊細な手の動きがフラにいい影響を与え、だいぶきめ細かなフラが踊れるようになりました。

とはいえ、相変わらず私の性格は女性らしくもなければ繊細さのかけらもありません。踊ってないときは猫背ですし(笑)。
でも、踊りって意外と本人の性格が出てしまうものなんですよ。せっかちな人は音楽を待たずに先の振りへ進もうとするし、昔の私は御覧の性格の通り、ガサツな踊りしか踊れませんでした。
とすると、繊細さのかけらもないズボラ女(しかも猫背)が踊りだけでも女らしく繊細によそおえるようになっただけでも、20年強のダンス歴には意味があったかなと思います。

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