甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

お正月、二見の夫婦岩をひとり

2021年01月03日 19時58分05秒 | 三重・熊野さんぽ

 二見にお参りに行きました。つい最近も行ったばかりなのに、今年の初日の出を逃した悔しさに、せめてめでたい夫婦岩を見に行こう! 海に太陽の光が差してるところをパチリ! みたいな甘い考えでしたが、何だかズタボロで、ションボリして帰ってきたんですよ。

 なんとまあ、デジカメでは夫婦岩さえ撮らず、お参りしただけでした。スマホでは撮ってみたけれど、波は荒いし、風も強いし、思ったような写真は撮れませんでした。企画倒れになったんですね。私らしいことです。

 発見はなかったのかなあ?

 一つだけ、昔から知ってたような気もしたんですが、クルマのトンネルと人が歩くトンネルと二つあるというのを見つけて、だったら人用のトンネルなんて知らなかったから、そちらを歩いてみようと思いついてしまった。

 トンネルの内部はそれなりに古くて、こちらが先にできて、自動車とかも走っていたのかもしれなくて、やがて人とクルマを分けるためにもう一つトンネルが作られ、古い狭いトンネルは人用になったようでした。

 そんなに長くはなくて、三百メートルくらいかもしれない。でも、昔の人は海側の夫婦岩を歩くか、トンネルで抜けるかして、鳥羽の方をめざしたのかもしれません。ここから先、あと十キロくらい行かないと、一大エンターテイメント都市の鳥羽には行けなかったでしょう。そういう憧れが昔の人にはあったのにな。今は何もないですね。何だかザンネン。

 今なら、高速、近鉄、JR、海側の道、朝熊山を越える有料道路など、いくつも道はありますが、昔はここがメインルートだったんでしょうか。その名残りの古いトンネル、そこから、今歩いてきた旅館街を眺めると、こんな感じでした。


 せっかくトンネルはあるのに、存在さえ知られてなくて、だれも歩く人はいませんでした。私がトンネルを抜けてきたら、あるカップルなんかはクルマ用のトンネルを歩いて行くのを目撃します。そんな危ないところより二人でこちらを歩いたら楽しいのに、と思ったんですけど、何も言いませんでした。

 旅館街の方から、トンネルを抜けると、二見シーパラダイスという水族館があり、大きな駐車場があります。食堂も何軒かあります。よくある古典的な観光地の風景。まあ、今いる二見ケ浦って、古い観光地ですから、古典的なありふれた風景が見えても仕方がないんですね。

 それを承知でここにお参りに来たんでした。観光じゃなくて、初詣のつもりで来たんですから。


 さあ、海沿いの道を歩いて、神社でお参りをして、そしたら、すぐに帰りましょう。そもそも私が観光地にいるなんて、それが場違いでした。何度も来ているんだから、お参りさえすればいいんでした。

 岩に食い込んだお社があり、夫婦岩を右手に見てもう少し行くと、日の出と夫婦岩とを同時に拝めるところに拝殿があり、ご神体は太陽と岩とで、そこでお祈りをして、たくさんのカエルの置物を見て、天の岩戸に擬せられた窪みを素通りし、西行さん、芭蕉さん、山口誓子さん、いろんな方たちの歌碑・句碑を見ながら再び旅館街に戻り、さて、あとはクルマに戻るだけということになりました。


 考えてみれば、しめ縄がなければただの二つの岩でしかありません。けれども、たまたま海の方から太陽は上がって来るし、いかにもそれらしい自然をお参りしたくなる仕掛けがたくさんで、だからこそずっと人々の心に引っかかり、いろんな人が作品にも詠み込み、思いをぶつけてきたところでした。

 私たちは、そうした昔からの人々の気持ちも一緒くたにしてお参りしているんでしたね。

 私たちが願うのは、自分のしあわせ、みんなのしあわせなんだろうけど、それは過去からずっと続いている人々みんなの願いであったわけで、そういうのも自然に取り込んで今の私たちがいるんでした。

 古いお祈りの場だから、たくさんの人たちの思いが降り積もっているんだろうな。

 そこに私はひとりでノコノコやってきた。普段の日ならお客もいないし、何とも感じないんだけど、こういろんな人たちがやって来られると、その気迫にやられてしまって、すぐ帰りたくなって、それからあれこれしたいこともあったけれど、何もしないですぐに帰路に就いたのでした。




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