甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

アヌク・エーメさんのこと

2024年07月05日 08時06分36秒 | だいたい映画、ときどきテレビ

 改めてアヌク・エーメさんの画像を検索してみました。どれもイメージと違うし、どれもヨーロッパの女優さんみたいな写真で、何だか違うなあと思いました。

 どれも髪は長くて、シックな服を着ていて、正面に圧力を加えている感じの、オーラをムンムンさせている写真たち、これらは私のアヌーク・エーメさん像ではありませんでした。ご本人には申し訳ないけれど。

 私は、『男と女』はちゃんと見たことがありませんでしたけど、チラッとなら見たのかなあ。とにかく、私のアヌク・エーメさん像は、フェリーニさんの映画を通した彼女の感じでした。髪はゴージャスじゃなくていいから、サッパリとまとまってる方が良かった。その方が彼女らしい感じ! なんとまあ、ただのイメージでものを言ってますね。


 彼女が亡くなられたのは、お嬢さんのマヌエラ・パパタキスさん(お父さんはギリシアの映画監督さんなんだそうです)のインスタで紹介されて、それが世界に伝わったようです。先月の二十日ごろでしょうか。それからしばらくしたら、ドナルド・サザーランドさん、この俳優さんもフェリーニさんの映画でカサノバさんを演じてくれたり、レッドフォード監督の『普通の人々』では感激させてもらったり、好きな俳優さんのひとりでしたけど、この方が亡くなったのも息子さんのキーファーさんがインスタに載せて、そこから世界に伝わったということでした。ドナルドさんは1935年生まれの88歳だったそうです。

 歴史・時代を作ってきた方たちが一人、また一人と亡くなっていかれます。そういう方たちを支持してきた私どももやがてはこの世からいなくなるのですが、果たしてこれからの世界はどうなって行くんだろうな。私が心配してもどうにもならないけど、21世紀の24年を見てみたら、あまりいいものではなかったから、あと75年経過したとしても、いい世の中は来そうにないかもしれないです。まあ、それは仕方のないことですね。


 フェリーニさんの『甘い生活』(1959)では、アヌク・エーメさんは素敵でした。ハスキーな声と、気取りのない、たくさんの愛を受け入れる、魅力的な感じでした。まあ、私はマルチロ・マストロヤンニさんではないから、アヌク・エーメさんに声をかけられるかどうか、たぶん、無理だと思うけど、映画の中では独自の高貴な存在でした。

 でも、マルチェロさんと一緒にあれこれとローマの町で日々目まぐるしく生きていると、パーティーがあったり、仲間の自殺があったり、とても忙しそうで、そういう社交界・ハイソサイエティの中で生きていくのは本当に大変だ、という気もするのです。私ならすぐに出ていきたくなるような、何だか落ち着かない世界だったような気がします。憧れるけど、私には無理なのです。

 そんな世界で、マルチェロさんは「甘い生活」を送っている。奥さんはいるけれど、アヌク・エーメさんを恋人みたいにして、ローマの街角で出会って、愛し合ったりしている感じ。そんな不埒な生活じゃなくて、もっと落ち着いた生活をしてみろよ! と思うけど、何とも言えない、その世界に入ったら行くとこまで行かなきゃ止まらない、そういう流れがあるみたいだった。渦中にならないとわからないこともあるでしょうね。

 アヌク・エーメさんもわかっておられたと思うけど、役柄だから、そんな風に演じておられた。そして、それ以後の彼女の映画人生は、フランスの女優として地道にお仕事されたみたいでした。そして、2024年の今、娘さんも女優さんだし、今でも彼女のことを世界の人々が胸に止めて、そのお姿をいろんな形で記憶している。まあ、それはそれでよかったのか……。


 本人がどう思おうと、人の魅力は監督が引き出すものであるらしい。本人はそこにあるだけで、何か指示されたことを本人なりにこなすだけなんですもんね。

 何だか変な方に行ってしまった。また、アヌク・エーメさんのことを改めて書きたいです。

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