La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

ユカタンにしかセノーテがない理由

2022年11月18日 | ユカタン諸々

チシュルブクレーターとセノーテの関係を、簡単に「隕石が落ちてその周辺にセノーテができた、だから落下の中心点であるプログレソ市にセノーテはなく恩恵に預かれない」なんてこのブログに書いてしまってきたが、ふと友達と「でもなんで?」という話になって、苦労して調べた結果ようやくわかったので書いておく。反省も込めて。

まず、ちょっと突っ込んだぐらいの観光案内にも「隕石の衝突でセノーテができた」と書かれていることは多い。

 セノーテの分布。

 その根拠に使われる図。

あたしも最初これを見てほお〜と思った。でもよく考えると、セノーテの分布から隕石の落下点を推測したときの図なんで因果が逆というか、できた理由の説明にはなってない。

なんとなく地面が押されて歪みというか隙間ができてそこに地下水が溜まってる…みたいなイメージを持っていたが、物理的な力だけで説明しようとすると、ある場所がリング状に集中している理由も解るような解らないような…だし、リングから離れるにつれほぼ同じように数が減っていかないとおかしい。

それによく考えたら、地球上には他にも隕石が落ちたところがあるのにそこにセノーテがない理由は何かという話になる。

なぜ調べるのが大変だったかというと、① 観光案内アプローチの情報はとにかくその辺の疑問をすっ飛ばして断言しているだけなのと、② セノーテに触れている隕石関係の論文が見つからないのと、③ 鍾乳洞の話には当然隕石は出てこない…からである。つまり、同じような地層(石灰岩層)にできる鍾乳洞と隕石を結びつける情報がまったく見つからない。

読めば読むほどわからなくなる。石灰岩も地層も地層に加えられた衝撃も隕石も専門外なので、それぞれの話は読んでいて「へえ、そうなんだ」と新たな発見になったりカルスト台地を地理で習った記憶が蘇って面白かったが、それらが結びつかない。専門家じゃないんで当然といえば当然。

苦労の末、「ユカタンの地下鍾乳洞にだけ地下水が溜まっている理由」にさらっと触れている論文が見つかった。チアパス(同じく南部にある州)自治大学から出たもので、全編は250ページにわたる。(単なる苦労自慢)

結論を言うと、① もともと海底だった(隕石衝突時、現在ユカタン半島になっている部分は海だった)ので、このへんは石灰岩層。② 隕石落下の衝撃でそこらの地表(海底の)も隕石も粉々の塵になって空中に巻き上がり、隕石自体の構成物質である硫黄その他が元からの海底の石灰岩と混ざってできたのがユカタン半島あたりの石灰岩層。③ そこに大量の地下水を蓄えた横穴と、縦穴(セノーテの入り口)ができた。ちなみに、

 ユカタン半島に大量の地下水がある理由。

解るような解らないような…文章の方が分かりやすい。ただこういうのは他の地域にもある。ここに特化した点としては、川もないのにマヤ文明が発展…という話に結びつく。

で、(ここからがミソ)④ 鍾乳洞は水没しているとだんだん溶解してしまうのだが、ここの石灰岩層の構成物質割合は特殊なため、ユカタンの鍾乳洞は水を蓄えたまま存在し続けることができた。ついでに、⑤ 隕石由来の物質が特に多く含まれてる石灰岩層は、リング状に分布している(重さの関係で飛び散る距離に差が出た?)というわけ。

知らなかったんだけど、水が存在する地下洞窟自体は地球上の他の地域にもあるが、ここのみたいにきれいに透き通った大量の水があるセノーテはない。汚い水が少し溜まってる程度の洞窟しかないし、ユカタンみたいに数も多く集中して存在していることもない。で、めでたくユカタンの観光資源になりましたとさ。

あースッキリした。

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 ポインセチアの原生種。

拡大してみてください。先っぽだけオレンジの花が上の方についてます。うちには生えてない。アメリカ人のおばさんが近々家を建てる土地にあったので、重機が入る前に救出。

 

…と思ったが、全然つかない。ずいぶん根っこに水を吸わせておいて植えても、すぐに枯れてしまう。しょうがないのでとりあえず種から…をしてるが、草なので春になるまで目が出ないかもしれないし、それでいいのかも不明。

 

 村に外人グループが作った「コミュニティーセンター」。

正式名称も英語で、当然看板も。英語を教えるなどのいろんな活動をするらしい。ある友人が、そういう言語押し付けは植民地意識みたいなことを言っていたのが興味深かった。が、メキシコでは日本以上に(近いんで)英語は高給への手っ取り早いチケットである。こんな貧村では村の既存の職業以外ないんでなおさらだし、メリダの私立学校でさえネイティブ講師がいなくて work がもろスペイン語読みのウォルクになる…みたいな状態なんで、どっちかというといいことだと思う。引退老人は暇だし。

 

 チーズ。

マンチェゴという。スペインが原産地名称保護に指定している種類でスペイン人が怒っていたが、メキシコ人は「保護、何それおいしいの?」である。

ってか、そんなことより、キロあたり単価がここ1年ちょっとで倍になった。チーズに限った話じゃなくて、すごい物価上昇。日本みたいにサラリーマンが多くないからか、消費者サイドのことばかり気にして値上げしないなんてことはない。売る側だけに負担を強いることがないんで至極健全だと思う。

 

   

沖合タコ漁は、大きな船に小舟をいくつか載せてって、広範囲に網を張る(大きい底曳っていうのか?)。その小舟を本船から押し出すところ。小舟だけ出してその上に漁師が乗るのでなく、1人乗った小舟を押し出す。豪快。

 

 アップルバナナ

お隣さんがまたメリダの自宅で取れたやつをくれた。こっちに植えたのは土が合わないか潮風が厳しいのか、常にてっぺんの1、2まいの葉だけ残して枯れていく。うまくついたらバナナ食べ放題だと思ってたので残念。

これは東南アジアじゃなくてキューバ原産で、りんごというより柑橘系の味がする。めちゃくちゃ美味しい。

 

 プログレソのカーニバル・キング他

コロナが終わり、プログレソ市でもユカタン名物カーニバルが2年ぶりに復活。キング・クイーン・特別枠(高齢の男女と障害者)。子供枠もあるけど、まだ決まっていないみたい。



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