その翌日の事。
私は、“KUKKIE”を再びキャンパスで出会った。
毎度の様に、講義室で。
今日はひとりの様で、私をみると、つつっと寄って来た。
「おはようございます。昨日、花崎怒ってました?」
と“KUKKIE”が訊いて来た。
「まあ多少は。でも、何かそんなでもなかったのかな――いや、そんなでもなかったですよ」
昨日の様子では、もう毎度の事で慣れた、くらいな感じだった。
「本当に?昨日の仕返しなのでしょうか、今日はアイツがサボりで。大学には来てるんですけど、どうもカフェテリアで話が盛り上がってるらしくて」
良いよなぁ~と“KUKKIE”は溜め息をついた。
「えっ?彼女なんじゃないの?
私は、思っていた疑問をぶつけてみた。
「ああ、花崎は違いますよ。従妹です。同い年の。それと、親からの監視役でもありますね。私が不真面目な学生にならないように。花崎ならとっくに彼氏が居ますし、今頃、一緒だと思いますよ」
「そうなんだ。てっきり彼女かと」
花崎がそうであってもなくても、ありがちな話だな、と私は思った。
「私は、彼女は要らない――って言う以前に、いても、副業がバレたら消えて来そうなので、しばらくは居ないままで良いかなと思ってます」
「そっか」
そのルックスなら十分行けると思う上に、割りと女子からの目線は受けているように私には思えた。