数え日

正月に子供たちが帰ってくるので、昨日は二階を掃除した。私が吹矢道場に使っている部屋は特に念入りに掃除した。めったにやらないことをすると疲れる。

数え日や待合室の古時計

裏門を大きく開く松手入

冬日差す小川に洗ふ登山靴

同じ日に通りに揃ふ松飾

煤逃げや日差しの中の高鼾

枯蟷螂

今朝、新聞を取りに出るとわが家の玄関に枯蟷螂が来ていた。
類は友を呼ぶというのか、高齢者世帯にやって来た。
全体に枯れ色が入り始めている。

枯蟷螂悟りの眼とも思ふ

ラジオ派

寝付けない時や早朝目覚めた時などに私はウォークマンで音楽を聴いていた。女房はラジオを使っている。私のウォークマンが遂に壊れたので、近所の家電量販店に行ったらウォークマンは５万円ほどするが、ラジオの安いのは千円前後であった。私もラジオ派に転向することにした。
ラジオは情報収集ができ、なかなか便利なものである。今までなぜラジオを使わなかったのかと思うくらいである。些細な発見にささやかな幸福感を味わっている。

年の瀬の瀬音流るるラジオかな

母老いし買物籠の葱長し

賀状用官製葉書と云ひて買ふ

来年はすぐそこに来ている

あちこちでクリスマス・イルミネーションを見かける季節となった。今年もあとわずか。
今年の漢字は「金」だそうだが、来年に向けての大きな変化の種が生まれた年だった。
まず大きなのがアメリカ大統領選挙。来年早々スタートするトランプ政権がどんな政策を実施していくのか。これは世界経済や国際政治に大きな影響を与える。我々の家計にも影響がある。
日本に身近なことは韓国大統領選挙。どんな対日政策をとる政権が誕生するのだろうか。
ヨーロッパを揺り動かすのは英国のEU離脱。どんな形で離脱するかによって日本の企業にも大きな影響がある。英国以外の国もどう動くのか。難民問題もからむところだ。
国内では、今年の都知事選挙の結果が来年になにを導くのか。予定されている都議会議員選挙や大いにあり得る総選挙に小池知事グループがどんな波紋を投げるのか。
暫く静かだったテロがまた動き出したようだ。市場も大きく動き出している。
来年はいい年になるのか悪い年になるのか。いずれにしても大きな変化が予想される年だろう。

頁捲れば倫敦塔の寒鴉

十三夜

今日は十三夜だが、生憎曇りの予報。月は見えないかもしれない。
昨日近所の民家園に行ったら、この写真のように十三夜のためのお供えが設えてあった。
もう秋たけなわの季節になった。





昨日、小池都知事が村井宮城県知事と面談したそうだが、宮城県登米市長沼へのオリンピック・ボート競技会場移転が検討されている。
松尾芭蕉著「奥の細道」に、石巻をたってから、「心細き長沼にそふて、戸伊麻と云所に一宿して、平泉に到る。」とある。戸伊麻は登米のことだが、長沼は固有名詞ではなく普通名詞として使われている。この芭蕉が行った長沼がボート場のある長沼と一致するのかどうか私にはわからないが、もしそうならば楽しいではないか。

風のなき長沼に浮く後の月