沖縄の街角(旧名:北京の街角)

沖縄と天津でIT関係の会社を経営しながら、仕事を通して考えたことを発信する。

ビジネスなんてコネがあればラクチン、ラクチン

2011-02-25 20:55:43 | 事業
今日は、官僚のお手軽ビジネスモデルを紹介します。
中国では、物を売ったら必ず発票という領収書みたいなものを、発行しなければなりません。そして、発行した発票の金額に応じて税金を納めなければなりません。これが、一般には、国税の場合は増値税、地税の場合は営業税と呼ばれているものです。また、増値税は大規模、中規模の会社を一般納税人、小規模の会社を小規模納税人と呼んで、発票の種類が異なります。

北京市では、今まで小規模納税人の発票は手書きでした。これを、今年の2月に突然全て機械で印刷したものに替えると通達が出ました。
国税は、機械で印刷できるように、発票作成用のソフトを北京のソフト開発会社に作成させ、国税指定のハードウェアに組み込んで、そのソフト会社が独占的に北京の企業に販売します。
北京中の企業が、現金を持って、このソフト会社に2月中に買いに行かねばなりません。販売している場所は、この広い北京の中にただ1箇所だけです。
機械は3千元と8千元の2種類だけです。他に全く選択の余地がありません。
私の会社はIT関係だからわかりますが、これらの機械のコストは絶対三分の一以下です。

弊社の財務担当もあわててこの機械を買いにそのソフト開発会社に行きました。朝一番に出かけましたが、その会社の前には長蛇の列で、丸一日かかって購入しました。販売窓口の担当者は、カスタマーサービスとは無縁の、手のつけられないくらい不機嫌で態度が悪く、購入者の質問にまともに答えてくれません。

この機械がないと、2月分以降の発票が発行できなくなるので、物が売れなくなります。
だから、弊社の財務担当もじっと我慢をして、一日かけてこの機械を買いました。
今日一日で少なくとも千人が機械を買ったようです。平均販売単価を4千元としても、1日で4百万元の売り上げです。北京に小規模納税人の会社は何社あるでしょうか。
星の数ほどあります。

このビジネスモデルには、顧客セールスの努力は全く不要です。全てのお客がお金を持って、行列を作って買いに来てくれます。このソフト開発会社に必要なのは、もうお分かりですね。そう、国税と十分なコネを作ること。このためには接待費などは湯水のように使わねばなりません。でも、セールスマンも広告も不要だから、接待交際費も十分だせるでしょう。もちろんこの機械の売り上げから、多額の金が国税の一部に還流します。この国では官僚が絡むビジネスは一事が万事こんな感じです。勿論この国の官僚=共産党です。
こんなビジネスモデルを見せつけられると、汗水たらして働くのがばかばかしく感じます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿