地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

東京の地下鉄路線図

2008-05-29 10:53:39 | Weblog
東京の地下鉄路線図

6月10日に池袋~渋谷間の8.9Kmが開業します。
開業時から、西武池袋線、東武東上線、有楽町線と相互直通運転し、2012年には東急東横線ともつながるそうです。

副都心線は埼玉県和光市から渋谷間を繋ぐ20.2Kmの東京メトロの九番目の路線です。

こうして、東京周辺は、周囲の衛星都市が網の目状に繋がってきて、時間にゆとりがあれば、都心の地価の高いところに住まなくっても、行き来にあまり不自由を感じなくはなります。

我々利用者にとっては、便利になりますが、各駅周辺の経済地理、立地条件は大きく変わり、商店等が生き残るためには大変な商戦を展開させられているようです。

願わくは、周辺部の中核都市がもっと整備され、住みよい活気ある街に生まれ変わることを願います。まだまだ、公園とか文化施設とか医療施設、歩道などが、都心部に比べて貧弱なように感じます。むしろ、逆転して欲しいとさえ思います。

そして、高齢者は郊外に、現役は都心に住めるようになるのが理想です。今はむしろ逆では?

なお、今回の開通で一応地下鉄工事は完了するようで、しばらくは静かな東京になるそうです・・・?ホントかね?
東京に移り住んでから、約半世紀、ズーット“Under construction” のように感じていますが。


さて、この路線図も、やっと落ち着けるようですが、地図屋にとってはよいのか悪いのか・・・変わるから需要があったのですから。

こうした地図を作るのは、地図屋やデザイナーにとっては力の見せ所です。
編集の鉄則は
①、東西に走る路線はヨコに、南北に走る路線はタテに、周回する路線はマルク繋いで、できるだけ実際の姿を連想させるように。
②、それでいて、狭い紙面全体を、空きなく、読みやすくレイアウトすること。

この二律背反ともいえる原則を満たしていないと、よろこばれないのです。

私も、30代の頃、JTBの時刻表巻頭の索引図の制作を依頼され、徹夜でレイアウトをしたことがあります。
「く」の字に曲がった日本列島を、真横にダブりなく並べてレイアウトし、かつ、能登半島や伊豆半島はそれらしい姿形に整え、かつ全体を空きなく調和させるのです。編集者冥利に尽きる作業でした。
遠い昔の話ですが・・・





龍王峡ハイキングマップ

2008-05-29 00:27:37 | Weblog
龍王峡ハイキングマップ
今日は、仲間達と栃木県藤原町の龍王峡ハイキングを楽しみました。
幸いに薄日の漂う絶好の行楽日和でした。

私の故郷、広島県北東部の帝釈峡よりも一ランク上の峡谷規模でした。
できたら、大雨の後の峡谷を味わってみたいと思いました。
多分、耳を轟かせるような「ドウドウー」という、すごい音が聞こえたはずですが・・・

さて、この峡谷の案内図を日光市の観光課が作っていました。
くだくだと、観光案内文を羅列せず、要所要所の観光ガイドを噴出しでコメントしているのが大変見やすく好感が持てました。

只、難点は、地図に不可欠な要素である縮尺(またはスケール)が明示してないことです。
多分1:20,000図でしょうが、ある地点間の距離とその所要時間は示してあるのですが、一応きちんとした線縮尺でもないと、部分的な距離確認ができないですね。

方位は、明示してありました。

さて、龍王峡の起源ですが
「今から2200万年もの昔、海底火山の活動によって噴出した火山岩が(近くの海底から火山岩がこの辺まで飛んできたのでしょうか)、鬼怒川の流れによって侵食され、現在のような景観になったといわれています。
(何か、単純な転記のように読めましたが・・・)」

「その名の通り、まるで龍がのたうつ姿を思わせるような迫力は、山間のいで湯、川治温泉と鬼怒川温泉の間、約3Kmに渡ります。」

惜しむらくは、町を挙げての、観光地を発展させようという情熱が見られないことでした。基本的な整備も不十分ですが、それ以上に住民の取り組み姿勢が問題のようです・・・

バブル崩壊による足利銀行の不振にも起因するのでしょうが、鬼怒川温泉街をはじめ、ここ川治温泉も閑古鳥の鳴き始めた温泉街のように見受けられました。