地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

道州制への案(地図)

2008-05-26 13:58:12 | Weblog
道州制の議論が賑やかになり始めました。
この議論の根本は、
①、 都道府県の合併による事務量の減少
②、 国の出先機関の整理という行政改革
が、主な目的のようです。
提示されている道州制の案のうち、もっともシンプルな9分割案が上の地図です。
北海道はその特区で先行しているといっていい。

道州制のメリットは
①、3,200以上あった市町村は、平成の合併で1,800弱になり、都道府県がおこなう、国と 市町村の間の連絡・調整事務は減少しました。
② 国の出先機関の事務で、地方分権の原則から、道州制になったら、地方に移管したほうが合理的だそうです。
③、 広範囲な交通網の整備が、広い視野で実施できる。このため、県単位で主張している空港や高速道路、新幹線などの濫立や浪費が節約できる。
④、 都府県を越える大規模な川や森林は、その地方の経済を左右する要素なので、自然環境や治山治水に関する事柄は、都府県よりも広い広域自治体を設置した方が合理的で、かつ処理しやすい。
⑤、 地方分権の自立的な広域行政体を設けることで、中央集権的な国家権限を州政府に委譲し、東京一極集中の抑制、過密化の抑制、過疎化の抑制、二重行政の解消が可能になる。

こうしたメリットに対し、デメリットとしては
①、 道州の規模が大きくなり、地方分権の原則から、税や社会保障、その他社会資本に格差が生まれ、それがために、ますます人口偏重をきたす恐れがある。
②、 州都への一極集中が起こり、「ミニ中央集権」になる。
州都とその周辺の声ばかりが重視され、合併で行政権を失った地域の声が軽視される。
③、 財源を州政府に移譲しても、税収が増える州は南関東州(仮)だけに過ぎず、多くのの州は税収が減り、財政的にも自立性が低くなる。
④、 道州制への移行を含む過度の地方分権は、国家の分裂を招く恐れを妊んでいる。
⑤、 強大な権限を持った道州知事が中央政府の意向に従わない可能性があることを危惧している。
などなどですが・・・、

どうもメリットのほうが大きそうですね。


デメリットの部分は、運用次第で解消できるのでは・・・?
都道府県単位を基本に置いた選挙区の区割りも、合理的になり、民意がもっと正しく反映されるのでは・・・
問題は、現政治家さんの足元では・・・??