蔵くら日記

人生最後の数年を田舎暮らしで。2004年4月、実現のための行動開始!それは思わぬ展開でスタート・・。今では安曇野三昧

いよいよか?

2019年02月16日 | 介助ときどき日誌
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数年前の株が毎年咲くくたびれたシクラメン


まもなくの誕生日で96才になる母

つい最近の連夜、私の携帯に電話をかけてきた

1日目
午後9時20分ころ。いつもなら熟睡中の時間だ。
なんだ今頃
母「今かけてきた?」
私「いいえ、こんな時間にかけたりしないよ」

と、これだけ聞けばスムーズな会話である。
が、とんでもハップン会話が成立しないのです。

母「電池が切れているから充電していたら、電話が鳴ったから」
もちろん充電中に呼び鈴なんぞ聞こえない。
私、大きな声で「部屋へ行くから、早く寝て!切るよ」

2日目
翌日の午後8時、またしても母から電話
母「今部屋の外の、お墓の前の空き地に警察官がいっぱい来て、穴を掘ってる」
母の部屋は2階。たしかに20mくらい離れた先に小さな墓地があります。
私「そこは明るいの?様子が見えるの?」
母「大きな穴を掘ってる、お巡りさんがたくさんいる。きっと事件だよ」
私「わかった!明日新聞に載るかもしれないね。あした行くからね」

私が眠れなくなった。
ありえない!投光器が照らされるはずだから・・・
母はたしか耳は遠いが目は悪くない。

あっ、名古屋から出荷した豚から”豚コレラ”が長野県で発生した。
殺処分になったニュースが流れ、私もいたたまれなかった。
これだ!夢を見たんだろう。

しかし夢み心地で携帯電話をかけられるのかな?

いよいよ来たか!

翌朝重い気分で、しかし明るさを保ちホームへ向かった。
スタッフが『やっぱり来たね』の顔で迎える

案の定 朝食の時に話すが、周りの人たちは「知らない」
誰もばかにしなかったらしい。
みんな優しい仲間だ。

部屋を訪ねると同じ話をし出したが、私は優しくないので
「今朝の朝刊を読んだ?そんな大事件ならきっと地方版にでるわ」
「おかあさん、まだまだ認知症への道は遠いからね」と一蹴。

母はとぼけた顔で「お茶点てようか?」

あほかいな。

潮の満ち干のように時が流れてゆくのだろう。
お茶を点てようがお習字の時間を元気に過ごそうが
訪れる現実。

母は、『さよなら』と手を振りながら息を引き取るタイプだと想像はしているんだけど。


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