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漱石の文明批評

2011-08-17 15:20:34 | 人物

Imgp1477 写真は泊まった宿の庭と前を流れる清流の近辺で撮ったものです。堅苦しいタイトルで恐縮ですが、実は旅行に持参した本の内容です。まだ読み終えていないので私自身内容を良く理解していないこともあり読みづらい点はご容赦願います。

漱石文明論集(岩波文庫 三好行雄編 1986年発行)は漱石の講演録、評論、日記、書簡などが収録されています。特に明治時代の文明批評にかかわる講演録は3.11震災からの復興が明治維新、敗戦に匹敵する日本を変える転機といわれていることを考えると現代に通じるものを感じられました。

たとえば、「現代日本の開花」の中で西洋の開花(一般的な開花)と日本の現代のImgp1197 Imgp1475_2 開花の違いは、西洋の開花は内発的であり、日本の開花は外発的であると断じています。鎖港排外の空気で200年も麻酔した揚げ句突然西洋の開花に無理に押されて否応なしにその通りにしなければならなかったことが日本の近代文明の歪みの根底にあると述べています。しかし、そうしなければ日本が日本として存在できないのだから外発的と言うより仕方がない。当時の日本に別の選択肢がありえたとは考えていたわけではない。日本の近代に対する有効な処方箋を明らかには語らずに内発的に変化していく行くが良かろうとだけ述べています。

Imgp1259 Imgp1305 自然災害と原発事故と言う経験したことのない外圧に見舞われた日本は成長と復興、再建をいかに両立するかと言う大きな課題を抱えました。日本人の器用さ、我慢強い特質、様々な苦難を乗り越えてた歴史を築いた力を内発力に変えて行くことが3.11震災後の日本の開花につながることではないでしょうか。

また、「私の個人主義」の中で、これから世の中に出る学生(学習院)に対して自己の個性の発展(自分の個性に合った仕事を掘り当てること)を成し遂げようと思うならば、Imgp1470 Imgp1252 (1)同時に他人の個性も尊重しなければならない (2)自己の所有している権力を使用とする思うならば、それに付随している義務を心得らなければならない (3)自己の金力を示そうと願うなら、それに伴う責任を重んじなければならない。この三カ条に帰着すると述べています。日本の政治に重ねて考えると国家を代表する権力者は総理大臣。政権公約を成し遂げる義務があり、金力(財政)によImgp1231_2 って財政再建を成就する責任がある。Imgp1235 残念ながら20%を切る低い支持率を見ても政権与党が義務も責任も果たしているとは言い難い。国民の政治に対する期待はずれから「信頼感」が無くなったからです。政治のトップリーダーである総理大臣は政権公約と諸政策をまとめることができるでけの人格のある人。言い換えると「信頼感」の持てる人でなくてはならない。それは必然的に3.11大震災を転機にした平成日本の開花に必要な政策を取捨選択し、政権公約を組み立てる政治リーダーの世代交代が伴うことです。なお、地歌舞伎と塩と鹿の村大鹿村旅行については後日紹介します(写真はクリックすると拡大します)


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