前日の雨が嘘のように晴れ渡った午前6時過ぎ。ほほが痛いほどの寒さ。 雪の穂高連峰(正面に奥穂高岳3190m、左端に西穂高岳2909m、右端に前穂高岳3090m)と焼岳です。また来られてよかったと思う瞬間です。かじかんだ手でコンパクトデジカメのシャッターを押しました。雲がみるみるうちに湧いては流れ、消えて行きます。早朝にも関わらず河童橋の付近は写真を撮る人で賑やかです。三脚を据えた人もいます。空気が澄んでいるのでは っきりと撮れます。ビックカメラのタイムゼールで衝動買いした価格12500円で購入したペンタックスのデジカメです。どうでしょうか。
往復約13Km、上流の徳澤園に向けて出発です。道は平坦です。思い切りすがすがしい 空気を吸い。川の流れとせせらぎ、険しい山頂付近の雪の山肌、カラマツの黄葉の中を時々行き交う人と山のあいさつを交わしながらゆっくりと歩きます。黄葉したカラマツの間から明神岳(2931)が見えて来ます。いつも枯れた木の場所で小休止。枝にカメラを吊るしてパチリ。ながめの良い場所です。中間点の明神館でトイレ休憩をして明神池には寄らずにそのまま徳澤へ向かいます。
11時45分に徳澤に到着。徳澤は明治18年に上高地牧場として開設され、昭和初 期からキャンプ場となりました。ハルニレが点在する広々とした草地にテントが張られています。井上靖の小説「氷壁」の舞台になった場所です。氷壁の宿「徳澤園」と徳澤ロッジがあります。横尾、涸沢、穂高、槍 岳に向かう登山者の宿です。みちくさ食堂で徳澤園特製のブルーベリージャムをたっぷりぬった厚焼きトーストとコーヒーを注文。薪ストーブが燃えています。窓から外を眺めると仲良くお弁当を食べている人、横尾方面に向かう人、流行の山ガール、大きなリックサックの若者グループが 見えます。山の中の別天地のように静かでのんびりとして空気が流れています。1時間ほど休んでお土産用に徳澤園のジャムを2つ購入。折り返し点の新村橋へ。
梓川に架かる新村橋は吊り橋のため風が強くてけっこう揺れます。橋の上から見 上げると前穂高岳が眼前に迫って来ます。小説の切れたナイロンザイルの舞台が頭に浮かびます。橋の下の河原にポツンの2人の姿が見えます。 寒いのに何をしているでしょうか。橋を渡らずにここから来た道を戻ります。河童橋に近い上高地ビジターセンター、小梨平キャンプ場に着いたのが午後4時でした。ホテルの風呂で汗を流し、6時からの夕食まで談話室で新聞を読んだりテレビを見て過ごしした。明日はお土産を買ったりお気に入りの小梨平のキャンプ場からの眺望を楽しみます(写真はクリックすると拡大します)