宿泊先の五千尺ホテルは玄関を出ると河童橋という立地の良い場所にあります。 明治の初めに上高地から穂高、槍ケ岳を目指す登山者の宿として開業した最も古い宿です。当時は木造平屋でしたが現在のホテルは4階建て。部屋は洋室が多いのですが和室が数室あります。畳のある部屋の方が落ち着けるのとベランダからの景色が良いので4階の和室(401号室)に泊まります。食事は洋食が基本で2階のダイニングルームでいただきます。 宿泊客は定年退職した様子のご夫婦が多くみなさん食事を楽しんでいいます。向かいの席に背広とネクタイを着用した眼の不自由なご主人と奥さんのご夫婦は三十年以上の常連だと聞きました。写真はベランダから撮った早朝6時前後の日の出の穂高連峰と焼岳です。気温がマイナス10以上に下がったそうです。
2日目は明神経由で氷壁の宿徳澤園までの往復コース。9時に出発して4時頃戻るのんびりウォーキングです。往きは梓川左岸(上流方向)を歩き明神館で小休止。 目的地の徳澤園で昼食休憩。帰りは吊り橋の新村橋を渡り梓川の右岸に出て林道を歩いて明神池のそばの嘉門次小屋で休憩。林間を歩いて河童橋に戻り、小梨平キャンプ場に行くのがいつものコースです。水と風の音、木々の匂い嗅ぎながら雨上がりの湿った道をゆっくり歩きます。30分ほど歩くと明神岳(2931m)が見えてきます。明神館を過ぎると人がめっきり減ります。写真は明神岳です。
徳澤の近くまで来ると冷え込みで山頂付近の木々に白い霧氷が出来ています。12時に徳澤園に到着。徳澤は明治の初期、上高地牧場として開拓されたところで牧場の番人の山小屋として誕生して今も登山基地、散策の休憩地として利用されています。井上靖の小説「氷壁」の舞台になった前穂高岳東壁が眼前に迫ってきます。
ハルニレが点在する草地にテントが一張り。草地の真ん中に お土産にブルベリージャムと水泳の水着等を入れて持ち歩くのに手ごろな徳沢園のネーム入りトートバックを購入。 食後に陽だまりのベンチでしばし休憩するのが至福の時間。また来て良かったと感じる時です。自分の健康と体力のバロメーターだと思っています。
10分ほど歩くと吊橋の新村橋です。 橋の上は前穂高岳東壁の絶景ポイントで厳しい姿が迫ってきます。今度は梓川左岸(下流方向)を河童橋を目指して戻ります。嘉門次小屋へ行く途中の林道で猿の家族に遭遇。子ザルはじゃれ合っていましたがボスザルは悠々と横を通り過ぎていきました。 夕方4時に河童橋に到着。山腹にすこし雲のかかった穂高連峰を眺めて今年の徳澤ウォーキングは無事終えました(写真はクリックすると拡大します)