半分以上たって「そういえば、タイトルの接着剤っていつ出てくるんだろう」と思ったら・・・
原題が「Glued」なので、そのままといえばそのまんまなのだが、直訳だと「へばりついた」?になるのかな。元は三人の少年達が吸っていたシンナーだが、事件そのものが接着剤で貼りついて離れないもののように、関係者すべての過去から現在にまとわりついていた「暗く重いもの」だったという意味をこめているということか。
「ティムはカトリック」という台詞があって、教会の聖歌隊や野球チームに入っていたというのだから、一家で相当信仰深かったということなのだろう。その信仰深さがかえって一家に足枷を課してしまった。カトリックは避妊を禁じているから。
それで子供が三人になり、ニコールは追い詰められてしまった。神がもたらした子供だ。だからその境遇から逃れたくてふっと心がすがってしまったのも、また神。
なのに本当に神が願い事を聞き届けて子供を奪ってしまった・・・・信心深かった夫婦が教会に行かなくなったのは、神を捨てたのではなく、否定したのでもなく、「自分達が神から罰せられた」という思いからではないかと思った。
そこら辺の信仰心はなかなか理解しにくいものがあるが、しかしそう考えるとかなりチャレンジャーなエピソードなのかもしれない。
マーフィーは、差別発言を言う割に、実際に怒りの捌け口が向けられたのは小さなティムだ。
ティムが倒れた時、助け起こすでもなく逃げたのは、「死んだ」と思ったか「このまま放置したら死ぬだろうけどそれでもかまわない」と思ったか、どっちかだろう。その時「今逃げれば、あの黒人達に疑いが向く」という計算が働かなかったわけはない、と思う。
そして自分は教会に駆け込んで懺悔して、それで何事もなかったように商売に励んでいたのだ。それを「彼の神」は許して商売繁盛させていたのか。
マーフィーがこの25年近く、事件がまとわり付いて眠れない夜がどれだけあったかは知らないが、それでも彼は自分の望む商売をやってぬくぬくと暮らしてきた。ラトレルが堕ちたのは自業自得だといわんばかりに。
これからのマーフィーの人生は報いとして奪われてしまうかもしれないが、それと引き換えにラトレルの人生は取り戻せるわけでもなく、ましてやティムの命が戻るわけでもない。へばりついた事件が剥がれ落ちても、月日が作った痕跡は消せない。
事件は解決したのに、あまりに救われないことが多いような。
重過ぎる事件の重石を軽くするかのように、リリーの「恋バナ」は何やってんだこの二人と思うほどにウブいことをやっている。お前らいくつじゃー!中学生か?ファーストラブだとでもいうのか??
カイト、必死に追いすがり電話番号を渡すの図・・・・情けないったら。完全に翻弄されてるし。
かといってリリーも・・・・「怖がってる」のは猫じゃなくてリリーなのに、カイト、「それは僕」って。何やってんだ!押しが足りーん!
しかし「カイトといい仲なんだろ」のスコッティの台詞の後、ヴェラが「ナニ?」と動揺してるし、何かスコッティが含みのある表情をしてるし。マサカと思うが、署内恋愛のもつれはやめようね・・・・
そしてもうひとつ明るく救いになってたのが、「ノードラッグデイ」。
刑事さんたち、本気で根本から町を浄化しようっていう気はさらさらないのね・・・・。
楽しそうにバッジを三人揃って見せてるところはちょっとかわいかった。
リリーが冒頭のボスとの会話で「アレン・アイヴァーソンがトレードだって」と言っていたが、アレン・アイヴァーソンはNBAのフィラデルフィア76ersのスター選手で、フィラデルフィア一筋に活躍してきたいわゆる「生え抜き叩き上げ」という地元にとっては特別な意味を持つ選手だ。
そんな存在の選手がトレードということは、相当なオオゴトなわけで・・・・しかし実際は2003年に4年契約をしているので、トレードはほとんどありえない。ボスがあまりに生返事なので、リリーはインパクトのある嘘をついたということだ。それでも生返事だったボス・・・・
・・・・そういう時には「ヴェラがミニスカで出勤しました」とか言わなくちゃ。
ボスの昔の顔や、パパ(プレおじいちゃん)の顔まで見られて、ちょっと得した気分だが、でもやっぱり「ミステリアスなボスってステキ」だと思うわけで、髪の毛ギャグは言わないで置いてほしかったかなーなんて。(昔だって十分危機的な生え際だったし)
【 脇俳優チェック 】
◆ティム・バーンズ .... Ridge Canipe
5歳で子役デビュー、9歳でテレビデビューと同時にレギュラー、10歳の時にこのティムの役をこなしている。映画ではホアキン・フェニックス主演の佳作「Walk the Line」に出演など。
「デスパレートな妻たち」の第2シーズン第2話に出演予定。
◆元妻キャンディス・スミス .... Candace Edwards
「CSI:」の第3シーズンで2話、第4シーズンで1話、監察医役で出演している。女性監察医なのでレイプ被害の女性の検査などの場面にワンポイントリリーフ。第4シーズンでいうと第3話「喪失 傷だらけの屍」で「クローゼット強盗」でレイプされた少女の検査のために登場してサラと会話していた。
他に「サードウォッチ」第1シーズン3話で婦警役、「そりゃないぜフレイジャー」第8シーズン、また「ER ⅩⅠ」にも登場予定。
◆ティムの母ニコール・バーンズ現在版 .... Chelsea Field
イライジャ・ウッド主演で「わんぱくフリッパー」をリメイクした「フリッパー」で、主人公の親友の母親キャシー役。他に映画ではミッキー・ローク主演の「ハーレーダヴィッドソンとマルボロマン」でヴァージニアスリム役、「ラストカウボーイ」ではブルース・ウィリスの妻役など。
「FBI~失踪者を追え」の第3シーズンにゲスト出演予定。
私生活では、「タイムマシンにお願い」のサム・ベケットや「スタートレック エンタープライズ」のアーチャー船長を演じているScott Bakulaの奥さんである。
◆デクラン神父現在版 .... John Lawlor
私生活では、「ドクター・クイン 大西部の女医物語」でインディアンのシャイアン族の族長の妻スノーバードを演じていたTantoo Cardinalと12年間連れ添っていたが、2000年に離婚。
10月からミステリチャンネルで「エラリー・クィーン」が放送されるらしいが、第2話と第9話にそれぞれ違った役で出ているようなので、見られる人はチェックしてみてください。
◆デクラン神父80年版 .... Marc McClure
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで、マイケル・J・フォックス演じるマーティの兄デイヴ役で出ていたひと。・・・・年取りましたね。
さらに、「スーパーマン」シリーズのクラーク・ケントの勤める新聞社のカメラマンのジミー・オルセン役もこの人だった。ジミーとデイヴが今回初めて頭の中でつながった。
「ER Ⅸ」の第2話にゲストで出ていたようだが、未確認。多分喪明けで気が立っているコーデイに泣かされていたお父さんかなと・・・・
◆ティムの父グレッグ・バーンズ現在版 .... Michael McGrady
「CSI:マイアミ」で第1話と11話に担当巡査役で登場。また「24 Ⅱ」の第7話~第10話でハイウェイパトロールの警官ブラウン役を。キムが逃走中スピード違反で捕まって、トランクの中からアレは見つかるわ、爆弾がどーのとおかしなことを聞かされるわで困っちゃう立場の人だったと思う。
「ジェシカおばさんの事件簿」では第3、5、7、8シーズンにそれぞれ違う役で1話ずつゲスト出演している。なんてムチャなことを。
◆ティムの母ニコール・バーンズ80年版 .... Eden Rountree
「名探偵モンク2」第4話「おばあちゃんの身代金」で、挨拶に来てひとんちのものを値踏みするという骨董に関しては腹黒く欲深いが、社会的には結構善人な小悪党の古美術商夫婦の妻キャロルを演じていた。また「CSI:マイアミ2」第3話「罪と罰」で、蛆虫だらけで発見された「生きていた死体」のレイプ被害者、ペグ・ドノバンを演じていた。
原題が「Glued」なので、そのままといえばそのまんまなのだが、直訳だと「へばりついた」?になるのかな。元は三人の少年達が吸っていたシンナーだが、事件そのものが接着剤で貼りついて離れないもののように、関係者すべての過去から現在にまとわりついていた「暗く重いもの」だったという意味をこめているということか。
「ティムはカトリック」という台詞があって、教会の聖歌隊や野球チームに入っていたというのだから、一家で相当信仰深かったということなのだろう。その信仰深さがかえって一家に足枷を課してしまった。カトリックは避妊を禁じているから。
それで子供が三人になり、ニコールは追い詰められてしまった。神がもたらした子供だ。だからその境遇から逃れたくてふっと心がすがってしまったのも、また神。
なのに本当に神が願い事を聞き届けて子供を奪ってしまった・・・・信心深かった夫婦が教会に行かなくなったのは、神を捨てたのではなく、否定したのでもなく、「自分達が神から罰せられた」という思いからではないかと思った。
そこら辺の信仰心はなかなか理解しにくいものがあるが、しかしそう考えるとかなりチャレンジャーなエピソードなのかもしれない。
マーフィーは、差別発言を言う割に、実際に怒りの捌け口が向けられたのは小さなティムだ。
ティムが倒れた時、助け起こすでもなく逃げたのは、「死んだ」と思ったか「このまま放置したら死ぬだろうけどそれでもかまわない」と思ったか、どっちかだろう。その時「今逃げれば、あの黒人達に疑いが向く」という計算が働かなかったわけはない、と思う。
そして自分は教会に駆け込んで懺悔して、それで何事もなかったように商売に励んでいたのだ。それを「彼の神」は許して商売繁盛させていたのか。
マーフィーがこの25年近く、事件がまとわり付いて眠れない夜がどれだけあったかは知らないが、それでも彼は自分の望む商売をやってぬくぬくと暮らしてきた。ラトレルが堕ちたのは自業自得だといわんばかりに。
これからのマーフィーの人生は報いとして奪われてしまうかもしれないが、それと引き換えにラトレルの人生は取り戻せるわけでもなく、ましてやティムの命が戻るわけでもない。へばりついた事件が剥がれ落ちても、月日が作った痕跡は消せない。
事件は解決したのに、あまりに救われないことが多いような。
重過ぎる事件の重石を軽くするかのように、リリーの「恋バナ」は何やってんだこの二人と思うほどにウブいことをやっている。お前らいくつじゃー!中学生か?ファーストラブだとでもいうのか??
カイト、必死に追いすがり電話番号を渡すの図・・・・情けないったら。完全に翻弄されてるし。
かといってリリーも・・・・「怖がってる」のは猫じゃなくてリリーなのに、カイト、「それは僕」って。何やってんだ!押しが足りーん!
しかし「カイトといい仲なんだろ」のスコッティの台詞の後、ヴェラが「ナニ?」と動揺してるし、何かスコッティが含みのある表情をしてるし。マサカと思うが、署内恋愛のもつれはやめようね・・・・
そしてもうひとつ明るく救いになってたのが、「ノードラッグデイ」。
刑事さんたち、本気で根本から町を浄化しようっていう気はさらさらないのね・・・・。
楽しそうにバッジを三人揃って見せてるところはちょっとかわいかった。
リリーが冒頭のボスとの会話で「アレン・アイヴァーソンがトレードだって」と言っていたが、アレン・アイヴァーソンはNBAのフィラデルフィア76ersのスター選手で、フィラデルフィア一筋に活躍してきたいわゆる「生え抜き叩き上げ」という地元にとっては特別な意味を持つ選手だ。
そんな存在の選手がトレードということは、相当なオオゴトなわけで・・・・しかし実際は2003年に4年契約をしているので、トレードはほとんどありえない。ボスがあまりに生返事なので、リリーはインパクトのある嘘をついたということだ。それでも生返事だったボス・・・・
・・・・そういう時には「ヴェラがミニスカで出勤しました」とか言わなくちゃ。
ボスの昔の顔や、パパ(プレおじいちゃん)の顔まで見られて、ちょっと得した気分だが、でもやっぱり「ミステリアスなボスってステキ」だと思うわけで、髪の毛ギャグは言わないで置いてほしかったかなーなんて。(昔だって十分危機的な生え際だったし)
【 脇俳優チェック 】
◆ティム・バーンズ .... Ridge Canipe
5歳で子役デビュー、9歳でテレビデビューと同時にレギュラー、10歳の時にこのティムの役をこなしている。映画ではホアキン・フェニックス主演の佳作「Walk the Line」に出演など。
「デスパレートな妻たち」の第2シーズン第2話に出演予定。
◆元妻キャンディス・スミス .... Candace Edwards
「CSI:」の第3シーズンで2話、第4シーズンで1話、監察医役で出演している。女性監察医なのでレイプ被害の女性の検査などの場面にワンポイントリリーフ。第4シーズンでいうと第3話「喪失 傷だらけの屍」で「クローゼット強盗」でレイプされた少女の検査のために登場してサラと会話していた。
他に「サードウォッチ」第1シーズン3話で婦警役、「そりゃないぜフレイジャー」第8シーズン、また「ER ⅩⅠ」にも登場予定。
◆ティムの母ニコール・バーンズ現在版 .... Chelsea Field
イライジャ・ウッド主演で「わんぱくフリッパー」をリメイクした「フリッパー」で、主人公の親友の母親キャシー役。他に映画ではミッキー・ローク主演の「ハーレーダヴィッドソンとマルボロマン」でヴァージニアスリム役、「ラストカウボーイ」ではブルース・ウィリスの妻役など。
「FBI~失踪者を追え」の第3シーズンにゲスト出演予定。
私生活では、「タイムマシンにお願い」のサム・ベケットや「スタートレック エンタープライズ」のアーチャー船長を演じているScott Bakulaの奥さんである。
◆デクラン神父現在版 .... John Lawlor
私生活では、「ドクター・クイン 大西部の女医物語」でインディアンのシャイアン族の族長の妻スノーバードを演じていたTantoo Cardinalと12年間連れ添っていたが、2000年に離婚。
10月からミステリチャンネルで「エラリー・クィーン」が放送されるらしいが、第2話と第9話にそれぞれ違った役で出ているようなので、見られる人はチェックしてみてください。
◆デクラン神父80年版 .... Marc McClure
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで、マイケル・J・フォックス演じるマーティの兄デイヴ役で出ていたひと。・・・・年取りましたね。
さらに、「スーパーマン」シリーズのクラーク・ケントの勤める新聞社のカメラマンのジミー・オルセン役もこの人だった。ジミーとデイヴが今回初めて頭の中でつながった。
「ER Ⅸ」の第2話にゲストで出ていたようだが、未確認。多分喪明けで気が立っているコーデイに泣かされていたお父さんかなと・・・・
◆ティムの父グレッグ・バーンズ現在版 .... Michael McGrady
「CSI:マイアミ」で第1話と11話に担当巡査役で登場。また「24 Ⅱ」の第7話~第10話でハイウェイパトロールの警官ブラウン役を。キムが逃走中スピード違反で捕まって、トランクの中からアレは見つかるわ、爆弾がどーのとおかしなことを聞かされるわで困っちゃう立場の人だったと思う。
「ジェシカおばさんの事件簿」では第3、5、7、8シーズンにそれぞれ違う役で1話ずつゲスト出演している。なんてムチャなことを。
◆ティムの母ニコール・バーンズ80年版 .... Eden Rountree
「名探偵モンク2」第4話「おばあちゃんの身代金」で、挨拶に来てひとんちのものを値踏みするという骨董に関しては腹黒く欲深いが、社会的には結構善人な小悪党の古美術商夫婦の妻キャロルを演じていた。また「CSI:マイアミ2」第3話「罪と罰」で、蛆虫だらけで発見された「生きていた死体」のレイプ被害者、ペグ・ドノバンを演じていた。
またテンプレートを変えてみたので、懲りずに挑戦してみてくださいませ。
しかし原因は何なんでしょう??不思議だ。
雑貨屋マーフィーの憎憎しげな声が久々に聞く牛山さん。それだけで嬉しかったです。
そして私からもTBを!