くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

コールドケース2 第5話 「ブレスレット」

2006年08月01日 | コールドケース
アジア系の少女が黒人中年男性に連れられて、リリーを訪ねてくる。
少女=カーラの両親は91年に殺害されて未解決のままだが、その時に盗まれたと思われるブレスレットがネットオークションに出されているのだという。リリーたちは事件を洗いなおすことに。
しかし一緒に来た黒人男性=ダリル・ブッカーは事件の通報者で、現在は親代わりを勤めているというが、リリーたちは二人のアンバランスさに、何か危ういものを感じる。

オークション出品者は実はカーラの父サンと同じ現場で働いていたが、ブレスレットは白人男から買ったと主張。むしろサンが現場監督のピンハネを指摘していたことを調べろという。
現場監督のアトウォーターは当時生活が苦しかったことから、入国管理局のコネを使い不法入国者を雇って、給与をピンハネしていた。サンとスーナリーも不法入国者だったが、入国の際に本物のディエト夫妻の就労ビザを持ち物のルビーで買って生きながらえたのだった。その後本物のディエト夫妻は強制送還されて命を落としていた。
カーラが今身を寄せているおじ夫妻はサンの実の弟夫婦だったが、彼らによるとスーナリーはカンボジアの王族だったという。スーナリーは王族である自分を捨てられず、アメリカでも気位高く振舞っていた・・・・

---------------------------------------------------------------

スーナリーが「幻」を生きていたことは、サンにとってはどうだったんだろうなと思った。
もし夫妻が生きていたら、どこかでカーラの幻には破綻が来ていたのではないかという気がする。カーラにとっても、ブッカーが言うように「理想だけ見せている」状態ではすまなかったのではないだろうか。
家族の命を守るためにアメリカに来て、しかし家族の愛をもってしても、スーナリーの心は異国の生活に溶け込むことがなく、「心が死んだ」状態になっていた。彼女がドレス姿で最後まで守り続けたものは何だったのだろう。

リリーの怒りのボタンを押すのは、「虐待」だけではなく、「父親」もだったのか。
そういえば今まで父親については全然出てきていなかった。
幼いリリーと父親との写真が、後姿しかなくて悲しかった。リリーにとっては、幼かった頃が「家族」の数少ないいい思い出なのだろうか・・・。
年上のパパタイプに弱いので、カイトみたいなのにひっかかっちゃうのかなぁ。
もうすぐリリーの妹が(8話からかな?)出てくるが、リリーにとっては家庭問題でますます悩みが深まることだろう。第3シーズンにはママも1話だけ登場するし(ドラマファンにはちょっと懐かしいキャスティングなのでお楽しみに~)、リリーの隠された私生活が少しずつ明らかになってくる。

しかし、今回のエピ・・・カンボジア人がカンボジア人に見えません!
アメリカ人は「まぁこんなもんだろ、アジア系なんだし」みたいな感じなんだろうか。スーナリーの中のひとの女優さんは何系だかわからないが、カーラの大人版の女優さんは中国系、サンは韓国系で、カーラのおじさんとおばさんは名前からすると日系だ。
違和感なく見えるのはカーラの少女時代の子くらいかな。
もうちょっと考えてキャスティングしてほしい。でないとバリバリ違和感。まーねー、アメリカ人のアジア地域の意識なんて、ひっくるめてひとまとめなバカ世界地図な世界なんだろうし、お互い様ではあるけれど。
「カンボジア」って出てくるまで「あれー、予告で王族って言ってたけど、中国系か?文化革命で亡命?年代違うよなー」とか思いながら見てしまった。

最近ヴェラでオチをつけてくれなくなってちょっと寂しい。
もっともっとヴェラをいじって!!
そしてスコッティをもっといじめて!!!・・・だめっすか??
スコッティが「大変でしたよー」とか言うと、ボスがニヤニヤしてみせる、みたいな、細かいところで雰囲気は伝わってくるのだが。
あんまり事件以外の方向に話しを広げるのもなーとか言いつつ、チームの裏話がないと寂しいと思う、わがままなワタシ・・・・

来週はヴェラがボケますように・・・・


【 ト リ ビ ア 】

★ Who's Your Daddy
原題は「Who's Your Daddy」。直訳そのままでも使うし、相手を支配&威嚇しての「ざまみろ」という意訳でも使われる。父親を問う、というのはある意味根源的なところを問われるわけでもあるし、勝利宣言的意味でも使われる、非常に意味の幅広い文らしい。
日本語での威嚇だと「ついてんのかよ」的なニュアンスが一番近い気がする、かな?
最近ではメジャーの「伝統の一戦」レッドソックス対ヤンキースで、レッドソックスのマルティネスに使われる野次だったりする。
もとの台詞の中に使われてる部分があるとしたら、アトウォーター(対スーナリ)かブッカー(対リリー)が使ったのではないかと想像されるが、相手を服従させ勝利宣言したのと、スーナリのルーツを問う意味と、リリーの父性への思いと、色んなものにかかってる、のかな。

★ 91年のカンボジア
カンボジアで91年といえば、その年にパリ和平協定が結ばれやっと内戦が終結した年。もしその先を生き延びれば、まだしもカーラの両親は帰国の芽もあったのではないかと思われる。
それ以前のカンボジアはポルポト政権下の暗黒時代だ。シアヌーク国王が75年にポルポトの軍事力を借りて亡命先の中国から帰国。70年代のロンノル将軍による王族迫害から復権するかと思われたが、ポルポトが力を増すにしたがって「私有財産の禁止」「知識層の迫害」などが激しくなったため、サンとスーナリー夫妻も迫害対象となったのだろう。
サンが「建築家」と言っていたが、当時のカンボジアでは知識層は見つかると殺害されていた。だからこそその矜持やこだわりが設定に出ているのだろう。知識層への迫害は、メガネをかけていただけでも捕まったといわれているくらいだからかなり強烈だ。
さらに自由恋愛の禁止、5歳以上の子供は親から隔離、ということが行われていたため、単に王族のスーナリーが国にいられなかったということではなく、サン兄弟、妻たち、カーラ、それぞれにフラグが立っていて、国にはいられなかったのだなーということが設定から察せられる。


【 脇俳優チェック 】

◆カーラの父サン ....  Sung Kang
「名探偵Mr.モンク」では、カンフーの達人マスター・ジーの弟子役で登場していた。(マスター・ジーはマコ・イワマツさんが演じていたが、先日訃報が。ご冥福をお祈りします。)
「FBI~失踪者を追え3」7話に登場予定。

◆ブレスレットを持ち込んだカーラ .... Michelle Krusiec
「FBI~失踪者を追え」第1シーズン17話「栄光の勲章」で、勲章を受章することになっていたブルが、仲間からのプレゼントで呼んでもらったアジア系コールガールを演じていた。WATには第3シーズン22話に別の役で再登場予定。
「名探偵Mr.モンク」では第1シーズン19話(NHK放送順による)「容疑者は夢の中」で、昏睡中の容疑者ブライアンの家のメイド役。
「ER」第9シーズン7話「痛みに耐えて」では、中国人の家でメイドをしているタン・イー役。雇い主に手をつけられ、出来た子供を取り上げられて主人宅の実子とされ、さらに再び妊娠してしまい、薬物と酒で自殺を図った?という悲惨な境遇からカーターやチェンが引き離そうと努力するが、子供を人質にとられた状態で主人宅に帰って行ってしまう。
「グレイズ・アナトミー2」5話に登場予定。

◆カーラの母で王族の女性スーナリー .... Doan Ly
「CSI:科学捜査班」では動物担当のラボの女性(ジェシー・メンケン)役で登場している。
第3シーズン12話「捨てられた目」(車のディーラーに盛られたヘビの毒の話)、第3シーズン21話「黒衣のジュリエット」(飛行機で亡くなった馬の話)と、先日放送になった第5シーズン12話「裏切り者に蛇の祈りを」では遺体の口に入れられていた蛇の分析をしていた。

◆現場監督のアトウォーター .... Joel McKinnon Miller
「デスパレートな妻たち」第1シーズン18話「迷える親ヒツジ」では、ブリーがアンドリューに面会に行ったキャンプのカウンセラー役で登場していた。
「CSI:3」12話「捨てられた目」で、カラスが人間の目を持ち帰ってきたのを発見した、鳥の観察をしていた鳥類学者のひとりでエピソード冒頭に登場している。

◆カーラの親代わりダリル・ブッカー .... Bruce A. Young
80年代から多数の作品に出演&活躍しており、「超感覚刑事 ザ・センチネル」のギャンブル好きサイモン・バンクス警部役でレギュラー。
映画では「ジュラシック・パーク3」「氷の微笑」など。「グレイズ・アナトミー2」6話に登場予定。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジョーイ2 第14話「ホワイ... | トップ | WOWOW秋の海外ドラマ(マイア... »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なんだかね、重くて。。 (miyako)
2006-08-02 09:29:24
後味スッキリといかないエピでした。

不法就労。。今も沢山の人がリスクを抱えながらも異国で働いてますよね、夫々に理由があるのでしょうが。気の毒に思います。(ホント、思うことしか出来ないけど)

しかし、あの卑劣な現場監督は許せん!!

ラスト、昔の写真を眺めるリリー寂しそうでした。リリーのHappyな笑顔見たいな。
返信する
miyakoさんへ (くまぷー)
2006-08-02 15:57:30
重いですね・・・

コールドケースは、半分くらいのエピが、終わった後にずどーんと気持ちが重くなりますね。

不法移民にベトナム帰還兵、それぞれに大きな流れに押しつぶされてしまった人々で、救われることはあるのでしょうか。

現場監督の奥さんも長い間の被害者ですね。

病気の妻をいたわるでもなく、馬鹿にして支配している本音が最後にチラッと見えていて。だからこそ告発したのでしょうね・・・



そういえば猫ちゃんたち久々でしたね。

リリーの傷をわずかにも癒してくれるのはあの猫たちなのかな。
返信する
切ない・・・ (紫熊)
2006-08-02 16:49:58
事件当時幼いカーラに助けを求められたとき、ブッカ-はベトナムでのことを思い出したような気が(勝手に)します。

だから、両親を失ったカーラを守りつづけたのはスーナリを愛してたっていうのもあるだろうけど、自分が過去に犯したことへの贖罪もあるんじゃないかな・・・



本当、スーナリはある意味現実逃避でもしないとやっていけなかったのでしょうね。

王族から不法入国者ですもんね。

暮らしも雲泥の差どころじゃないだろうし・・・

くまぷーさんのおっしゃるように、サンにとってはどうだったんだろう。

事件がなかったとして、あのまま家族3人で暮らしてたらうまくいったのかな~

なんだか破綻をきたしそうで、そちらの意味でも「切ない」



リリーの過去も、思いっきり切なそうですよね(汗)



「コールドケース」は見た後しばらく考え込んじゃったりします。

だから本放送は見ないでビデオ撮りして、月曜日の昼間に1人っきりで見てます!

「ジョーイ」は本放送をダンナと一緒に見てるんですけどね(苦笑)
返信する
カンボジアの歴史も (エレイン)
2006-08-04 02:07:12
のせてくださってありがとうございました。

メガネかけてるだけで殺されるなんてひどいです。。。



カーラ(大人)は中国っぽいと思ってたんですが、おじさんおばさんは日系の方でしたか。

確かにどちらもカンボジア風のお顔じゃないですよね。

私たちがアフリカのお顔みてもどこの地域出身かわからないのと同じなんでしょうね;

子ども版のカーラは可愛いかったです。



しかし、靴をなめさせるなんてえげつないことしますねえ。

(おばさんはもっとイロイロされたんだろうなと気の毒で気持ち悪くなってしまいました;)
返信する
コメントありがとうございます (くまぷー)
2006-08-05 01:40:37
>紫熊さんへ

あぁ、一般市民を殺害したということで、カーラに現地の子供をダブらせたとか、そういうのかもしれませんね。

コールドケースはほんと色々深いです。

気持ちがもたないよーとか思いながら見てます。



ジョーイの着ボイスがWOWOWの携帯サイトであるのを別のエントリーのレスで他の方に教えていただいたのですが、コールドケースも毎エピのオープニングかエンディングの曲の着メロがあるんですね。

今週のと、「グッバイガール」と・・・色々DLしてしまいまいした。



>エレインさんへ

確かに、アフリカは違いがわからないですね(^_^;)

アトウォーターおやじ、えぐいですよね。

ああいう支配欲でアジア系趣味なオヤジってドラマで見かけますが、その支配欲でものにできなかったスーナリーへの独占欲が、妻にわかっちゃうくらいって、ほんとに困ったおっさんです・・・

あの奥さんもいたわられない長い年月でつらかったんでしょうね。
返信する

コメントを投稿

コールドケース」カテゴリの最新記事