熊本レポート

文字の裏に事件あり

信義なき野田毅事務所 第5回

2020-01-24 | ブログ
記者というのは、意外にも若葉マーク卒2、3年の記者が多い官邸記者クラブでも判る通り素人でも記者の肩書きは名乗れる。要はその記者自身が持つ俯瞰の機能を働かせられるか否か、その資質。
取材は詰め将棋で、相手の先の先を読み質問せよとか、通勤電車では、揺られるのにぼぅ~ッと任せるのではなく、対面の客で「職業は、収入レベルは」と、独りで自ら推理し、そこで洞察力を養えと教わった。古き良き時代の先輩である。
さて、「野田毅代議士の側近中の側近」と自称する千代田氏(仮称)と、「大成を潰せば金を払う」という条件で、社会正義の達成という目的での賭けに応じた私は、それから期間を置かずにJA三井リース(東京)へ電話を入れた。
各部課を回って、想定した総務部担当課に回されたが、
「入札は9月の予定で、その日程でハッキリ詳細の判る8月の半ばくらいに電話を頂けませんか」
事務的な解答である。
「いや、該当入札の落札業者が候補として事前決定していると、そんな情報が有りまして、その確認です」
イラつかせる感じでゆっくり、しかも不慣れな感じで言うと、
「貴方、ですね、先ほど言いました通り入札は8月で、それを何で今…嫌がらせですか」
そして少し時間を置いて、担当部署なりの
「場合によっては業務妨害に当たりますよ」
警告の話となり、彼の方から電話を切ったが、それは予想通りである。
中身は一緒でも、メジャーな新聞社の記者ならともかく、何処の馬の骨かもわからない男が、まして業務上の問題を外部から、しかも電話で指摘するとなると、それは誰であっても「業務妨害」である。
だが、そこは承知の上での話で、また細かな話を告げる程、その理解は困難なセクションというのも判っていた。
しかし企業の組織上、そこが窓口で有り、関係部署へ速やかにメッセージの送られるのは確実で、狙いはそれだけにあった。


続いて設計の三菱地所設計に電話を入れると、相手が替わって
「図面は8割方、言われる通り完成してますが、それが地元業者に出回っていると言われても、電話では、何処から漏れ出たのかと言うより、それが本物かも確認出来ません…」
それは、「熊本から電話でも作成された図面の確認は可能か」と、これまた幼稚な質問への回答。
勿論、メールやFAX での確認方法、また詳細部分の口頭での照合とあるが、『現物を出したら本物か偽物かの区別は可能』という回答を得るのが目的であり、それも敢えて尋ねる事はしなかった。これで面会理由は出来た。
併せて、東京の知人に電話を入れ、「JA三井リースに関する情報収集」を依頼した。
裁判所での審判なら「公式発表による工程上で、入札前の設計図面引き渡し日より数ヶ月前において、特定の業者にそれが配布となっていることは、任意の農業団体の工事とはいえ、そこに公的資金も資産として関与している以上、準公共工事の不正入札という指摘は否定されないと判断」と、明らかに我が方の勝訴。
だが、既得権を有する側は、あらゆる解釈、またあらゆる添付事項を追って付けてでも防御に入る。殺人事件等の刑事事件とは異なり、善悪の判断が難しい理由はそこにある。まして裁判所ではなく、そこは相手方の城の中。
その一週間後、「大成建設を潰せば金は払う」という文言をバックにして、社会正義を賭けて上京した。
それは波乱の会長選挙(JA熊本県中央会)と、後で知った投票日の2日前であった…。(最終回に続く)