熊本レポート

文字の裏に事件あり

君が淵学園で喰う元請けの秀拓

2012-04-29 | インポート

 日本私立学校振興・共済事業団からの低利融資は、祟城大学に限ったことではなく、県内の他大学でも見られる。

 だが祟城大学の場合、特記されるのは同大学の本校における土地が、その額面は先に送るとして三菱東京UFJ銀行、肥後銀行、また熊本ファミリー銀行といった市中銀行への担保提供で埋めつくされていることだ。

 メジャーな教授を迎え、花形の専門技術者を育てると超高額の学費を設定して生徒を募っても、卒業後の就職が叶わないとなると入学者は現れないが、他大学と同じく少子化傾向と、同大学がコマーシャルベースに乗せようとした学科に人気が遠のくと、学校運営も決して左団扇といった状況ではない。

 そうした背景でというわけではないだろうが、同大学には株式会社秀拓(多良木慶輝代表・熊本市西区上熊本三丁目)というグループ会社が存在する。建設、不動産業、そしてガソリンスタンドを主事業とするが、先に述べた君が淵学園所有の不動産は、同社が管理、運営している。

 そして表①の通り、君が淵学園の発注する建設工事は、その九九パーセントが同社の元請けで、以前は松尾建設、小竹組、三津野建設といった同社よりも規模ランクで上位のブロック、地元ゼネコンへの下請け発注。その点から表現は悪いが、「ピンハネ」の秀拓と称された。

 公的補助を受け「公の支配下に属する学校法人」が事業を発注する場合、そこには公正、透明性が求められる(文部科学省私学助成課)

 あの事業は公的補助によるもので、この事業の原資は市中銀行からの融資といった区別などは無理。

 さらに秀拓の場合、経営陣は社長を除く会長他の役員全員が君が淵学園関係者。

 前号でも語ったが、これは一般法人法でも問われる利益相反行為。

 すなわち同人物が、商取引関係での二者の役員を兼ねている際、一方の利益は片方にとって不利益となる行為。

 企業は利益追求が目的であり、それが一方の学校法人に不利益を生むのは当然。まして、ここでは役員五人が利益相反の関係。

 私立学校法第四〇条の四に抵触するか否かという論争以前の問題で、教育者としての品格が問われる。

 現在、工期二年を要する研究棟の建設が大成建設によって進められているが、ゼネコン業界の「同大学卒業生の縁で大成が受注」といった噂など、それは可愛く思われる同大学の実態とはいえないか。

 時効十年でも約一億五千四百万円分を県から特別供与受けた君が淵学園が、その価値が県民にあったか否かの判断は、不動産と秀拓の現状。

 平成二十三年度の入学者数は、同二十年度の七〇パーセント。不動産業者の「バブルが弾け始めた」との評を素直に考えると、他の学校法人とは経営手法が異なったのではという思いが浮上する…。

(次号へつづく)


流行二歩遅れ不動産業の君が淵学園

2012-04-26 | インポート

  県営住宅の家賃長期滞納者には、訴訟も辞さないとする強気の県に「止むなし」と同意はしても、三億六千四百万円の土地の賃貸料を「あれは無償提供」と説明され、「その理由については文書不存在」といわれたら、自治政治への代行参加という認識に欠ける者でもない限り不承諾は当然。

  阿蘇くまもと空港で、その特別恩恵に授かっている祟城大学の君が淵学園(中山峰男理事長・熊本市西区池田町)が平成十五年九月、その半年後に破綻した恒和興業(大阪市)から同市中央区花畑一〇番二五、同二六、同二七の八三八平方メートルの土地と同地建物を購入し、そこに五億円の長期低利融資を日本私立学校振興・共済事業団から受けた。

 同事業団は文部科学省所管の特殊法人で、そこから支出される補助、低利融資の原資は国民の税金であり、その対象とされる学校法人、教育施設は『公の支配下に属する』(私立学校法)とされる。

 ちなみに同学園は同二十二年、七億九千五百七十五万七千円の国庫補助を受け、熊本県等の地方公共団体からも二百八十三万七千円の補助金を収入に計上。

 熊本における準トップ企業の利益額を軽く超える補助金を受けているわけだから、利益追求の一般会社法人とは全く異なって、その運営に規制のあることは当然。

 先の銀座通り角の買収施設について、通り商店街からは「静か過ぎる花畑キャンパスは市街地活性化の壁」と不満の声もあるが、一般的に学校用地、教育施設は非課税で、正直なところ市民会館祟城大学ホールにおけるネーミング料1千万円の貢献どころの話ではなく、経済効果の上では二重の損失。

 福岡シティ銀行系列の開発会社が、同地から銀杏北通りに面した一帯に複合ビルのプランを温めているのは、地元不動産業者には周知の事実。

 そのネックとなっているのが、この学生の姿が見えにくいとされる花畑キャンパス。

 「私学振興財団の担保額がどうだとか聞こえてくるが、地価が下がって困惑しているというのが本音」

 地元不動産業者の見解であるが、それでは「地上げ屋」である。

 だがそれを否定する材料の方が乏しいとなると、あながち笑ってはすまされない。

 また同学園は一連のテクノパークが誕生する前、合志市のセミコンテクノパークから約一キロほど下った菊池郡菊陽町原水字小平ノ上に約三三三六平方の土地を購入。

 同学園のサッカー場といわれているが、現状の半分は膝丈ほどの草が生えた原野で、残りも準公式のサッカー場とは程遠いコンデションのグラウンド。

 ここも学校用地として、二十年以上も非課税対象地。

 公的補助、低利融資の対象とされる学校法人の中には、虚偽の決算書を作成して補助金が停止された創造学園大学(覚醒剤事件で逮捕されたタレントの酒井法子で話題)、虚偽申請が暴露して五十三億円の助成金を返還請求された東北文化学園大学など、その公的補助金に絡んで事件化した学校法人も多いが、非課税対象の学校用地、施設についても実態が問われている。

 熊本市中央区段山本町三五番一、同三六番地の約五〇〇平方メートル、そして同市西区上熊本三丁目六二七番二の約三六四〇平方メートルも君が淵学園の学校用地。

 段山本町の方は大学の本校から約三キロメートルも離れているが、いずれも後述する秀拓の管理する月極め契約募集中の駐車場だと説明を加えると、その理由も理解してもらえるのではないか。

 同学園の所有する土地は約七五三二万八二三六平方メートル。

「当大学との違いは土地謄本を見比べたら一目瞭然」

 別の大学事務局で聞いた調査取材のアドバイスだが、それでは膨大な財産とは想定されなくなる…。


保育園措置費の不当取得

2012-04-12 | インポート

 昨年12月、社会福祉法人小楠福祉会(村上恵逸理事長・熊本日の出保育園)の理事長夫婦が、平成7年から同12年において、実態のない約1341万円の措置費を不当取得。
 熊本市指導監査課は『厳正な処分』を求めて、同保育幼稚園課へ同事案を送ったが、同課では『既に時効』というのが基本との姿勢。
 不正経理により支出した給与を法人の会計に補填せよというが(改善命令①)、それは事務的な都合であって、不正取得したカネは返還というのが納税者の常識。
 また(改善命令③)に4月27日までに改善計画書を提出せよということだが、措置費の不当取得者である理事長夫婦にそれを求める同課の行政能力も問題。
 すなわち、(改善命令②)の関係者の責任を明らかにするというのが、時効という前提で『反省と深謝』で終結させる見解とは実に不可解。
 該当保育園の顧問弁護士が語ったと噂される『カネを返せばすむ話』も問題だが、熊本市の改善命令は納税者にとってそれよりも憤りを感じる不承諾な結果(4月27日)が予測される。