熊本レポート

文字の裏に事件あり

紺碧の海に浮かぶ天草の闇  第4回 単純粗暴な魔女狩りで4千万の分配

2021-07-12 | ブログ
 上天草市大矢野町の埋立、竣功工事に絡む約4757万円の賠償請求訴訟が、架空請求という詐欺事件で、それが3300万円で和解結審された裏には、原告プランの脱税を臭わせたことにも理由が在った(福岡地裁小倉支部 ワ第694号)。
 そしてコンプライアンス・リスクの中ランクに上げられる同経済犯罪者に対して、その賠償金3300万円を天草信用金庫が融資した訳だが、その背景には県内唯一の信用事業(金融・JFマリンバンク)を持ち、預金残高66億6500万円を誇る天草漁業協同組合の存在が推察される。


(熊本日日新聞)
 なぜなら該当の埋立工事を巡って平成26年、天草漁業協同組合上天草総支部は、「工事トラブル(20年間)に際しては解決を図る」と同意書(約束状)を提出。そして替わりに458万5200円の請求書を発行し、それを協力金として工事発注者(原告)に振り込ませたのだ。






 解説は後述するが、これら天草漁業協同組合の疑惑不祥事件と比べ、現在の新聞紙上を賑わす前組合長らによる不適切会計処理問題は、「疑惑隠しと組合長選挙への出馬阻止が目的」で、『重箱の隅』を突く話。
 建設会社からの寄付金80万円と、それとは一種異なる元職員による漁協への賠償金50万円が焦点となるようだが、それでは一般的な社会常識からだと「恐喝」とも思える先の約458万円は何なのか。
 途中ながら、これら一連の問題には、既報の「0番地私有地化」、「埋立・竣功許可」等における熊本県土木部港湾課の自己責任放棄、そして一般組合員の組合に対する認識の甘さに原因があると思われる。
 今回の取材中、漁協職員からオフレコとして「利益余剰金4000万円の分配」が漏れ出た。
 会社の場合、利益余剰金は株主に配分されるが、漁協の場合は組合員、職員にも配分されるのか。
 そうであったら、何も職員から漏れ出て来るはずがない訳で、想定されるのは理事らだけでの配分。
 余剰金が、こっそり理事らだけで分配されても、怒りも憤りも感じない組合員。事実は知らされても、真実を知らない者は損するというのが世の中…(つづく)


紺碧の海に浮かぶ天草の闇  第3回 私有地をタダで拡げたいなら熊本県上天草市 

2021-07-10 | ブログ
 公海水面は国民共有の資産。
 そこを埋立て、個人が私有地にするなど、本来は許されない。
 戦前辺りから日本に渡って来た外国人が河川や海を埋立て、そこに住み着き、彼らのタウンを造ったというのが京都や川崎で話題となった0番地帯。
 勿論、自治行政の眼の届かぬ無法地域であるが、戦後それらは整備され、残っている0番地は全国でも数ヶ所と言われる。
 しかし熊本県天草市には新たに出現し、報道もされたが、未だ0番地ということは、熊本県土木部港湾課も手を着けられない厄介な問題、いや正当な理由でもあるのか。
 海を埋立てる場合、そこに漁業権が存在していた場合、先ずは漁業権の放棄、そして漁業協同組合の埋立、竣功の同意書を要する。
 この15年間で、上天草市で埋立・竣功の許可が下りた場所は下記の2ヶ所。


 ところが報道もされた通り上天草市松島町知十港には、海を内外に遮断して産廃業者の作業場に続く形で、産業廃棄物が山積(赤色枠)となっている。



 明らかに該当事業者にとっては利益を生む場所であるが、公的に言うと資産対象外地。
「そもそも養殖場跡地と記憶するが、漁協(天草漁業協同組合上天草総支部)が許可という噂」
 地元住民は語るが勿論、漁協にそんな権限はない。
 熊本県が許可した埋立、竣功場所の通り、その構造物は原資からして公共施設である事は当然。
 ところが上天草市では転売後、ヨットハーバーや太陽光発電所が建設されたりと、利権化されている場所もある。果して、誰が介在、絡んでいたのか。そこに天草漁業協同組合上天草総支部を否定する材料が、いまのところ出て来ない 下記の請求書は、第一回で紹介の賠償金請求訴訟で提出された請求書だが、既報の通り「埋立・竣功におけるトラブル解決に向けた同意書(約束状)」に基づく金458万5200円の請求書(20年分)。
 

 
 そもそも利益関係の存在しない第三者が、「協力金の請求」とは反社会的組織の生業の1つ。
 これは漁協運営の正当な収支といえるだろうか。また指定銀行への約458万もの入金は、どのように組合員に周知され、どんな形で分配されたのか。勿論、公益事業団体として法的に妥当な行為、処置であったか否か。
 さァ、ここまで来ると、次回では8割の詰めの部分をお出し、明らかにしましょう…(続く)








紺碧の海に浮かぶ天草の闇   第2回 食は安全か熊本県上天草さんぱーる?

2021-07-08 | ブログ


 
 熊本県内外の観光、温泉客らによるお土産探しだけでなく、ドライブ途中の休息やランチ利用として賑わいを見せる上天草さんぱーる(中原薫育代表・上天草市大矢野町中11582番)。
 近年の年商は7億円前後と、オープン時に比べると売上も下降傾向にあるが、それでも県内33ヶ所ある道の駅では上位にランク。
 しかし「食の安心・安全」の方は、果してどうなのか。
 平成27年頃、天草の観光ホテル業界で「ワタリガニの産地偽装話」が浮上。
「味では勿論だが、見た目で地元産との違いは直ぐ判る。天草産ワタリガニと聞き、地元料理の一品にと期待していたら、これが仕入れて中国産だと判り、大迷惑」



 上天草市松島町に在る観光ホテルの料理長による話だが、それでも信じられないと一笑すると、
「クレームに対して『海水に2、3ヶ月ほど浸けて出荷する韓国産、また韓国経由の北朝鮮産アサリとは異なり、天草で餌を与えて成長させたワタリガニで、産地偽装ではない』と反論されては、空いた口も塞がらん」
 続けて、そこまで説明されると、噂は真実味を帯びて来る。
 本人が経営するカニ屋で売られていたというのだが当時、本人は上天草さんぱーるの代表も務めており、食の安全に対する姿勢に疑問符が打たれる。 
 平成26年、天草市倉岳町に在るエビの養殖場跡地に鉱滓(鉄鋼スラグ)約500トンが、底上げ資材として搬入された。


 
 ところが『ヒ素含有率が基準値の約3倍』という分析結果が出て、これを天草保健所は排出、撤去を指示。
 ヒ素については、森永ヒ素ミルク事件が在る。戦後間もなく1万3千人もの乳児がヒ素中毒となり、130人の乳児が死亡。
 確かに20年前後前までは舗装工事等で、アスファルトの下地に資材として使われたり、また鉱滓の中に含まれるケイカルがエビの成長を促進するという噂の時期も在った。
 だが大同特殊製鋼、日立金属、山陽特殊製鋼の鉱滓がフッ素、ヒ素を多量に含む有害な産廃と、各自治体で鉱滓の再利用排除に努め出したのである。
 しかし、この鉱滓が倉岳町からの排除に前後して、大矢野町の養殖場跡地に搬入された疑いが極めて濃厚。
 鉱滓を受け入れる側での魅力とは何かと言えば、やはり逆有償取引。即ち、現物代金よりも高い価格で引き取って貰う事で、捨場の提供。これは明らかに産廃。
 この該当水産業者の管理責任者は誰であったかと言うと、先のワタリガニ産地偽装という噂の人物で当時、上天草さんぱーるの代表。
 理念、倫理観とは何か、そこまで売り手には問えない訳で、道の駅ではやはり「生産者名の確認」が、消費者自らの責務。
 ところで、貴方は埋立、竣功で別荘、シークレットビーチをタダで持ちたくは有りませんか。但し、無税上で資産にはならず、世間の冷たい視線は浴びる事になりますが…その方法をこの上天草市では教えてくれます。
 同時に次号では、催促の多かった前号での組織名も中身を添えて明らかにしましょう…(つづく)


紺碧の海に浮かぶ天草の闇     第1回

2021-07-07 | ブログ
 熊本県上天草市の埋立工事を巡り、工事業者T開発(上天草市松島町)が4757万円9184円の架空請求書を発行し、それを支払わされたとM社(北九州市)が平成30年8月に福岡地裁小倉支部に損害賠償を求めた裁判(ワ第694号)。
 この裁判は6回の審理後、令和1年5月8日に被告であるT開発は、原告であるM社に3300万円を支払うとして和解結審されたが、一種の詐欺事件にも拘わらず、何故に民事で先に争われたか、また約4758万の損害を被りながら、何んで3300万円で示談となったか、外側の何割かの第三者には明らかに疑問が浮上する。
 その謎を解く鍵が、実は審理記録に在った。
 意外にも被告側が、双方に脱税の下話が在ったと、「原告は脱税容疑の常習者ではないか」という問い掛けにして、裏をバラしちゃったのだ。商取引での脱税は、原告側だけで実行出来るものではなく、そこで双方による背景。
 さてT開発は、3300万円の損害賠償金の用立てをどこに求めたか。
それは「Face to Face」をキャッチフレーズとする天草信用金庫(田中豊浩理事長・天草市太田町9番)。



 「Face to Face」を危険に直面して瀕死するなどと訳す、先の読み過ぎる人は、さすが居ないないだろうが、「面と向かって信頼され、愛される」と職員は理解。
 「共存・共栄」を理念とする彼らの地域では、この被告に対する融資について『高齢漁業者がコロナ下で苦しんでいる時、反社への融資話とは我慢ならん』と怒りの見解も出たが、そう断定も出来ない。


 
 しかし金融庁が、「脱税等の経済犯罪者を直ちに反社会的勢力と断定は出来ないが、コンプライアンス・リスク評価では大中小のランク別で中」と位置付けているのも確か。 
 住民の一般的な見解は、「詐欺、脱税容疑の被告」への融資。
 まさか天草信用金庫が、「フリーローンで使い道はご自由」と言い訳などはしないだろうが、実は、この奥を紐解く話が在る。
 先の埋立工事が開始された平成26年、「この埋立工事でトラブルが発生した場合、その解決を図る(20年)」と同意書を提出し、指定の金融機関に458万5200円を振り込むように請求書を発行した組織が在った。
 通常の社会では想定されない、一種の恐喝、その実行で在る。その組織とは、その人物とは誰だったのか。
 その人物、組織は天草信用金庫幹部職員なら誰でも周知だが、それを明らかにするのは最終幕と勿体ぶって、次回は「人と海のふれあう楽園」の紹介で、そこで夏らしく、花火の大玉でも打ち上げましょうか。その物産館には昔、異人、いや異物が並んでいた…?(つづく)