熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県知事選・勝つのはどっちだ!?第3-2回

2016-01-25 | ブログ

 熊本県の向こう4年、いや、それ以上のプレジデント、パイロットを決める知事選挙まで2ヶ月を切ったが、さすが「くまモン知事」の知名度は想定以上。
 正月を挟んで県内郡市区分11ヶ所で同選挙に向けての支持調査を行ったが(熊本市は継続中)、下記の通り街頭同調査では「くまモン知事支持」(回答通りの表現)がトータル的に約4割を占めた。このままだと熊本市外では、未定の4割を50パーセントで加算しての単純試算において、投票率45パーセント(5名出馬の平成20年49・36%、同24年38・44%)で約238570の得票(熊本市外)が想定され、現知事の三選はかなり可能性が高いと予想される。
 だが一方、街頭調査で「くまモン知事」が第一声として出て来た通り、それは決して「蒲島知事=くまモン知事」ではなく「くまモン知事=現職知事」という危うい認知度で、また本来の政策、施策による支持でもなく、それは表現は悪いが情緒的な意思表示。すなわち情緒的な政治レベルに論理的政治の理解を求めること事態が難儀な話ではあるが、いま地元紙が特集を組んでいるような県政検証等において、それを理解させて浸透、拡大すると結果は大きく異なるという予測もされる。
 各調査の下部に示した棒グラフは、上の街頭調査数の5分の3に当たる地方政治家、経済人での調査結果だが、偏った対象への電話取材による結果とはいえ、上部とは異なった回答が寄せられたことも前記の理由。また、幸山前熊本市長が知名度では互角以上と推定される熊本市の評価だが、最終的には結果の出る次回での想定にしても、全有権者の4割を占めるここは自民党、公明党の支援も外郡市並の影響力は考えられず、この熊本市での投票率が彼の当落を左右するのは確か。
 いずれにしても熊本市での調査を終えて最終予想となるが、失礼な表現ながら情緒選挙なら蒲島氏、また政策論争に持ち込めばというより、その戦術が理解され、浸透、拡大すれば幸山氏の勝利というのが前哨戦での予想。
 予想は客観的にと、蒲島氏の統計学での結果が妥当なのだが、前述の想定に理由を付け加える形で説明すると、電話取材で語られた「実績を探すのも大変だが、ミスもなかった」という支持理由は、これは裏を返せば「8年間で何を成したか」という不支持理由にもなる。
 先般、誘致企業が実績として挙げられたが、逆にこの8年の間にテクノポリスを中心に撤退、消滅した企業も多く、双方に経済動向が理由として出て来ると、一般市民とは異なる知事としてやはり「若者の流出に打つ手はなかったのか」という批判は残る。
 中央サイドでは意外なほど村田副知事の評価が高く、これに県庁舎内での「やる気のなさ」を併せて考えると、むしろ「良い流れを断ち切ってはならない」とは何なのかと、その疑問も残る。
 そもそも「くまモンの生みの親」は、九州新幹線のアドバイザーを務めた天草出身の放送作家。「農協の力を借りて海外留学(米ネブラスカ大学・豚の精子についての研究)した男」という見解と同じく、彼の応用、活用能力については高く評価される。しかし、再びこの裏を返せば「自らのクリエーション、プランニング」には疑問符が打たれるとなるが普通、そうした政策、執行能力に不足を自覚した場合、中央との太いパイプを想定して官庁からキャリアを副知事に迎える。ところが同知事は、使い易い教え子をそこに据えた。藤島元代議士(自由党・民主党)の元秘書という経歴を持つ小野副知事。
 それに県立劇場の理事兼館長に前聖学院大学長のカン・サンジュン氏を迎えたが、その良し悪しはともかく「同氏の専門に封をした条件」(自民党県議談)となると、同学院大学以上の「広告塔が趣旨」とはならないか。前者と同じく人事での不可解な部分である。
 いずれにしても熊本市外の街頭調査では「蒲島氏の優位」と出たが、それが危うい優位であることも確か。選挙は戦略、戦術次第で、どうにでもなる戦である・・・。(3-3へ続く)


顔パックシート特許侵害で敗訴した再春館製薬所

2016-01-24 | ブログ

 鼻の周りに隙間をつくらず顔を覆う技術のスキンケア用の顔パックシートで、特許権を侵害されたと京都市の美容用品設計業の男性が再春館製薬所に4300万円の損害賠償を求めていた訴訟において21日、大阪地方裁判所の高松裁判長は約1480万円の支払いを同社に命じる判決を下した。
 判決によると男性は顔に貼るフェースマスク型のパックシートで、鼻部分の縦方向に「八」の字状の切り込みを複数入れることによって、膨らみによる鼻周辺の密着性を高める技術を発明して2009年、それを特許登録していたというのだ。
「行政には強いが、相手が『民間人』ではミスも仕方なかったか」
 同社を古くから知る経済人は、地元経済界でも本流にはなかなか認知されない同社の特異な失敗について、そう語った。
 しかし、グループ母体である警備保障会社の社員による窃盗事件、1993年頃の大量な返品、また2000年には旧社屋に銃弾も撃ち込まれたこともあった同社だが、いまや年商288億円で、また病院や福祉法人もグループ内に置く地元では超ビッグ企業・・・。

 


下着泥棒、イクメン代議士と東京地検特捜部

2016-01-19 | ブログ

 週刊誌の報じた「30年前に高木復興相が下着泥棒」について国会では、安倍総理も顔を背けるほど同相は「事実無根」と否定を繰り返しているが13日、とうとう同相の地元紙が『窃盗は事実』と当時の捜査関係者(福井県警)の証言を載せた。女性宅のベランダで、下着を抱えているところを通報で駆け付けた敦賀署員が取り押さえたというが当時、市長の息子と判って女性は被害届けを出さなかった。同元捜査関係者は「立件されなかったので否定しているのだろうが、事実は事実」と語っている。
 また12月、当選同期の自民党代議士と結婚した同党の宮崎謙介代議士は、2月に第1子が生まれる予定ということで、約1ヶ月 の育児(イクメン)休暇を申し入れた。安倍総理も幼児、少年期は故父の元外相が留守がちで一緒に遊んだことはなかった(家庭教師の平沢勝栄代議士が代役を務めた)と語っているが、政治家のほとんどが家庭を顧みる余裕などないと、国民の多くが観ているのも確か。
 同党同僚議員の中から「衆院議長と雇用契約を結んでいるわけではなく、報酬は賃金ではない」と宮崎議員を擁護する声も挙がっているが、その通り「国民の代表として国政を担っている重責」にある。それだけに歳費とボーナスで年間2100万円、その上に月額100万円の滞在文書通信費が用意されている。
 夫人の産休は当然だとしても、二人揃って政治家としての仕事を放棄して、その特権だけは享受するというのはどうだろうか。そのイクメン代議士を称賛する国会のムードにも違和感を覚えるが、政治家の品格を自らも下げていく時代とはいえないか。
 だが前者、後者と似たり寄ったりというか、それ以上の児童買春で逮捕された議員、研修旅行をプライベートで終えて、それを隠し通そうとする議員が揃って存在する熊本県内の議会を思うと、問題なのは無見識、過剰に懐の深い(寛容)市民ということになる。倫理観、志まで軽くしてしまった背景でもある。
 東日本大震災の復旧工事を巡って昨年1月、公正取引委員会が強制調査に入った舗装業者の談合疑惑で、入札に参加した業者から「我が社の受注した工事以外では詳細な積算をしなかった」という証言の得られたことが分かった。
 該当業者はNIPPO、日本道路、前田道路等だが近日、公取とともに東京地検特捜部が「独禁法違反」不当な取引制限)容疑で捜査に入る予定・・・。


熊本県知事選春の陣・勝つのはどっちだ!?第3-1回

2016-01-12 | ブログ

 平成12年に実施された前回の熊本県知事選挙では、あの「くまモン知事」として幼児らからも超人気の蒲島邦夫氏(68)が知事選史上最低の投票率38・4%で再選。知名度の低い対抗馬との戦いで勝ち戦という読みも言い分として出るが、6割以上の有権者が「跨いで渡った知事選」であったのは確か。
 ところで今回の春の陣とは違って正月を挟んで実施された昭和34年の知事選挙では、自民党県連が寺本広作前参議院議員を担いで公認候補にすると当時、同党の最大集票マシーンであった県農業団体は四選を賭けた現職の桜井三郎氏を支持するという激戦となったが1月6日、大洋デパートの融資保証に絡んで県出納帳、相互銀行二行の専務が逮捕されて選挙戦は異様な形で山場を向かえ、結果は手の限りの攻めで戦った新人が当選。
 また同46年の寺本四選に待ったを掛けたのは、ここでも前参議院議員の沢田一精氏。この時、現職の寺本氏を支持した橋本自民党県連幹事長を河津寅雄会長は解任したが、寺本氏の県庁での記者会見(勇退)に同席した河端副知事は「職員に説明がつかない」と怒って席を蹴り辞職。
 沢田氏が四選を目指そうとした同58年には、細川護煕参議院議員が田中派の後押しもあって公認の取り付けを逆転。そこで辞退を渋る沢田氏を前にして、小材学同党県連会長は「知事である前に政治家でなければならない」と名言を吐いた。県酪(農)連会長が日本刀を持参して県農政連に乗り込み、出馬の了解を求めたのもこの時。
 昭和時代の知事選挙がいかに賑やかであったかが理解して頂けたと思うが、これは当時の記者らの活躍が華々しかったというだけでなく、潮谷知事以降の「熱の入らぬ知事選」と違って、それぞれの趣旨がどうあれ当時の選挙陣営は勝利に向けて必至であった。
 さて今回、「県政の良き流れを止めないことが大事」と三選を目指す蒲島知事には、自民党県連が「公認以上に重い位置付けで全面支援」(山本秀久会長談)と約束し、また県農業団体も同じく支援を表明。
 一方、13年前の熊本市長選挙で自民、公明両党が推す現職に挑み、下馬評を覆して初当選を果たした幸山政史前熊本市長(50)は、「人口減少対策、県庁改革」などを掲げて出馬。しかし有権者の6割は熊本市外で、また自民党県連の蒲島支持で同党県議会議員を中心とした地方議員からの協力も取り付けにくい中で、幸山氏はどのような選挙戦略、戦術で挑むか。
 民主党は今回、同党から参議院議員選挙での出馬を幸山氏に打診したこともあって、蒲島支持から「自主投票」に転換。話は逸れるが、この民主党県連に連合熊本県本部と同じく中央本部から「参院選統一候補」に待ったが掛かった。人材不足の同党県連には、県民から見て明らかに過酷な注文。
 ところで知事選挙に関心の高い県民の注目は同予想となるが、昨年末から正月明けにおいて、有権者比率による第一回の支持候補調査を県内で実施。未定約65%を残して、街頭では「くまモン知事」の優位性を改めて見せつけられたが、電話による若手地方議員、経済人へのアンケートでは幸山氏支持がやや多かったことで、イメージ選挙から政策論争へ移る中盤戦においての変化も想定される。もちろん選挙が、その7割は戦術次第であることを考えると勝者は二通りで、その前提となる前哨戦でのアンケート結果と分析だが、それは第二回でと出し惜しみする・・・。