熊本レポート

文字の裏に事件あり

熊本県知事選挙・勝つのはどっちだ!?第3-3回

2016-02-15 | ブログ

 熊本県知事選挙の告示まで残り1ヶ月を切ったが、約4割の未定を残して『くまモン知事の優勢』は予想以上。だが、それは自民党、公明党の支持候補だからということではなく、また「蒲島現知事」でもなく『くまモン知事』という異様な特徴。今回の知事選挙が、いかに情緒的な選挙だとはいえないか。そこには8年間の検証、評価もなければ、人口流出の阻止、県庁組織の改革も存在しないわけで、ここにも民主政治の難しさが現れた感じだ。
 ただ裏を返せば、未定の4割が『くまモン知事抜き』である点で、終盤戦の政策論争での±がどういう流動を見せるか、その点だけは注目される。
 しかし上っ面を撫でただけの情緒的な選挙だと、『くまモン知事の絶対的な優位』は否定できず、番狂わせという表現までせざるを得ない逆転が仮にあるとすると、それは熊本市外でも双方の活発な政策論議が行われて、そこで4割前後の理解を得られるかである。現状の情緒選挙のままだと、前回の史上最低は論外にしても三候補の出馬ながら投票率にあっても、それは大きくは伸びないと想定される・・・。


熊本県美里町の町議会制廃止で町民大会は本気か? 第2回

2016-02-15 | ブログ

 発注側の予定価格及び最低制限価格が適性(国交省の月例報告書に基づいた積算)とした場合、町民の選択は「町外のガソリンスタンド、飲食店まで潤うなら高落札率も良し」とするか、または「年間2億円を超える無駄(町民負担)は許されない」とに分かれる。
 公正取引委員会は「90%以上の落札には談合の可能性がある」との見解にあるが、最低制限価格が84%前後で設定されていて、競走原理の求められる入札が94%以上の入札額で並んだ場合、それは談合の疑いがあるというのは当然。
 発注自治体に無駄を発生させるだけでなく、建設業界の健全な発展を阻んでいる違反行為の談合は特定の政治家、建設業者、自治行政との「持たれ合い構図」によって成り立っている。
 ところで美里町における入札では、昨年12月1日に実施された分だけでも同現場地における分割発注が多くみられる(例・役場前町道維持工事1号箇所の分割)。これについて同町は「工事内容(発生時期等)の違い」と説明するが、同日入札を考えた時、それまでの発注計画における日数等を考慮すると、やはり「発注金額等を想定しての分割」という作為が見え隠れするのは確か。
 発注監理の美里町、該当業者にとって好都合という点は理解されるが、その分割された入札の全てで「同一の業者が落札」というのは、偶然というよりも必然的として「発注者との持たれ合いによる談合」を否定することは極めて困難。
 また美里町では緊急を要する災害復旧工事の入札だけでなく、1年を通じて特定の業者による4、5件の重複落札(受注)が目立つ。この点についても「2500万円規模以下の工事現場では兼任(技能士の現場責任)が認められる」(公共工事標準請負契約定款第10条)と同町は問題なしとするが、2級土木技能士一人で4ヶ所の現場をどのような時間帯で兼任するのか、といった疑問は明らかに浮上する。それに各種技能士の現場における同町の確認も問題で、「持たれ合い」の裏に色々な疑惑とされる思惑が存在していることは確か・・・。


熊本県美里町の町議会制廃止で町民大会は本気か? 第1回

2016-02-08 | ブログ

 武士道を倫理、道徳の礎とする近代の民族思想も含めて、そうした日本人の文化による職業的な倫理観はもちろん、人間性としての品格が問われる言葉が昨今はネット社会を背景に急に増えた。「私憤」と「義憤」との区別もつかない大人もそうで、それでは「男は黙って前を向く」に軍配は挙がる。
 ところで一方、義務として発言が求められるにも拘わらず、誰一人として質問者の出なかった定例議会が熊本県にはあった。熊本県美里町議会である。これには同県市町村行政課も「前代未聞」と異例のコメントを出した。
 議員からは「たまたま(偶然)」と言い訳が飛び出したが、誰一人として「町民から附託された義務」という認識になかったわけで、それは屁理屈。町議会全議員の報酬は年間約4000万円で、また議会費となると年間8500万円を超えるが、見方によってはドブ川に捨てられる無駄な8500万円。
「全員与党というか、議員提案なんて聞いたことがないし、かといってチェック機能も働かない。たまに疑惑を質す議員があっても結論のないパフォーマンス」
 町民の一人は「町議会不要」だと嘆き、それに替わる「町民大会の設置」を語った。
 こうした「前代未聞の美里町」での発注工事を取り上げること事態、なんか腰に重さを感じるが、先の町民が語った「町民大会」に向けての明日へのテーマとして、同町の入札について、その検証を進めることにした。
 建設業者にとっては落札率が高いほど利益は増えるわけで、100%に近いほど彼らの懐は潤う。
「材料費、人件費は上がるし、赤字工事が2件も続くと地方の零細業者は破綻という局面を直ぐ迎える」
 彼らは口を揃えて経営の厳しさを語る。
 だが発注側の入札価格、最低制限価格は国交省の月例報告書によって資材費、人件費等を積算して決定されるわけで、石油価格の値下げ等もあって現在、仮に経営の厳しさの見られる業者があるとすると、それは受注額外の理由という見解もある。
 平成27年度、美里町の入札では4月~12月まで判を押したように落札率95%(前後)が並んで続くが(上表は同年12月1日の43件中16件の入札結果)、最低制限価格は84%前後で同幅には約10%の開きがある。熊本市のように85%前後は無理としても、これを5%まで下げての落札率89%で試算すると上表で約400万円、同日の入札だけで約1000万円が浮上して、年間では約2億円を軽く超える無駄が除けたと想定される。
 落札率が高ければ業者は潤うし、町外のガソリンスタンド、飲食店までその恩恵を授かる。「建設業者の潤いのためなら2億円の町民負担など当然」と納得の町民だけなら結論は早いが、先述の通り不満の町民も存在。
 建設業界の健全な発展を阻んでいる違反行為の「談合」は、特定の政治家、建設業者、自治行政との「持たれ合い構図」によって成り立っていると語られるが、この「前代未聞の美里町」での発注物件の分割、また重複受注(監理義務)問題等の検証から進めて、熊本市並の健全な自治行政を図るにはどうしたら良いか、それを「要らぬ世話」との囁きが想定される中、求められた町民大会準備会に投げてみる・・・(つづく)。