環境法の基本理念に基づき、その責任を負わされた自治体と住民のごみ焼却施設の建設に「循環型社会形成推進交付金」が支出されるようになって、環境省はその発電効率と熱利用率からなるエネルギー回収率の基準を設けて、その推進を図ろうと施策を進めている。
ところが、ごみ焼却施設の改築を計画している宇城広域連合では、その基準に沿って計画を進めていたが4ヶ月後の5月、逆に基準値を守らないとする回収率のダウンへ修正。チコちゃんが「ボ~ッと生きてんじゃね~よ!」と、宇城広域住民に怒ったような理由はこの点にあった。
しかし、発電しても誰がそれを買ってくれるかのか。日立造船なのか、または同社を後押しする熊本県が再生エネルギーを購入し、それを宇城広域住民に安い電気を供給してくれるのかであるが、電力の売買が九州電力(送電)の関与にある以上、それは九州電力次第ということになる。
環境問題に加えて地震、原発事故等から再生エネルギー化が強く叫ばれ、太陽光発電などが全国的に推進されたが、原発等が次々と稼働し始めると、再生可能エネルギー発電促進賦課金(税金保障)も支出されなくなり、「何で不要な高い価格の電力を購入する必要があるか」(電力各社)ということになる。すなわち、買い手のない太陽光発電施設を作るようなもので同様、宇城広域の結論は大方ここにあった。言い替えれば、「向こう25年間は原発の時代」という見解。
さて一方、八代市のごみ焼却施設の建設に続いて菊池環境保全組合の同施設建設を落札、受注した日立造船は、さらに計画段階にある該当の宇城広域、そして天草市の同計画と同社は制覇すると見られる。
日本にはごみ処理施設メーカーは日立造船だけか、と思われるような熊本県での独占的な同社の実績だが新日鉄、JFE、住友、荏原とメーカーは存在し、「日立造船が技術、性能的に抜きん出て優れている」との評に未だ該当計画を諦め切れない荏原は、それを強く否定する。
そこで彼らに挙がって来ている脅威が、「熊本県環境局長を経験し、三役クラスまで務めた Y氏の日立造船への天下り」である。
宇城広域連合は、宇土市にある汚泥再処理センターの改修工事も進めているが、ここも受注、施工業者は日立造船。ちなみに土木工事のコンビ役は、該当の宇土市庁舎建設に関して落札、受注候補の筆頭と目されている西松建設。
この汚泥再処理センターの入札では、極めて安い入札が他にあったにも拘わらず、総合評価方式の入札により日立造船が37億5516万円(落札率95%)で落札、受注。
同地における汚泥処理センター、庁舎建設予定の西松建設もそうだが、ごみ処理施設の八代市、菊池郡市の連続受注に続き、宇城広域、天草市の連続予定となると「独占禁止法」に抵触しないかという素人感に対し、公正取引委員会は「その経過において違反行為の実証がなされれば問題となるが、偶然な結果もある」と笑っての見解。
薄れつつある業界談合も官製の関与が根底には存在するが、建設業界から声の挙がる「官製談合の増加」は「偶然の結果」で通され易い利点がある。繰り返すが、これがチコちゃんの「ボ~ッと生きているんじゃね~よ!」という住民への怒りである。
なぜ、大阪維新の会が与野党、それに職員組合まで対立しながら府民の共感、支持を得て政局の改革を続けているかというと、その1つが「既得権益の排除」・・・。