感情を抑えたつもりであったが、「信頼性に欠けるの一言で、そこで伺った次第」と念を押して告げると、「極めて特異なケースなので文書での概要説明をお願いできますか?」と中央官庁の担当官は電話口の向こうから逆に要請してきた。当事者には要らぬ世話だろうが、実に厄介な話だ。詳細は省略するが、菊池市の一連の入札、発注疑惑の噂に基づく法律上から見た自治体の対応についてである。
それはさておき、平成25年10月に開かれた菊池市議会の臨時議会では、冒頭の見解そのものの質疑と答弁が行われている。 議案は『防災行政無線デジタル統合化整備工事の契約締結』に関する承認で、先ずは回答側の問題。
東英俊議員(前)が「マイクロ系18GHzの機器について、それを仕様書に明記し、同機器を製造している業者に限ると条件を設定した結果、入札には同機器を製造している日本電気と日本無線だけが参加し、これは他社の排除につながったのではないか」(競争入札を損ねた)と質問。
これに対して市民環境部の下田部長は、「沖電気工業、東芝、パナソニックシステムネットワーク、日立国際、富士通ゼネラル、三菱電機もマイクロ18GHzは製造可能であって、そうした中で彼らが入札に参加しなかったからといって、公正な入札が損なわれたとは思われない」と答弁。これについての問題点は後述するとして、次は菊池市議会議員としては、日夜問わず勉強した跡の想定される質疑を紹介。
A議員が九州北部豪雨の例を取り出し、「隣接市町との互換性、マイクロ多重回線を導入した目的」について質問し、同環境部長の答弁に「安心しました」と承認の意向を表明。
さて、先の同部長の答弁だが、総務省の推進しているデジタル統合化整備はVHF、UHFが主であって、菊池市の同整備事業で入札に参加した日本電気、日本無線以外の沖電気工業、東芝、パナソニックシステムネットワーク、日立国際、富士通ゼネラル、三菱電機の6社は現在においても未製造。すなわち、市民環境部長は偽証とまではいわないが、嘘の答弁をしたわけだ。
仮に同部長が『製造しているとはいっていない。製造可能だと答弁』と技術レベルの話をしたとなると、町工場ではあるまいし、七城町の2装置だけのためにメジャーな企業が製造するか否かくらいの判断は、部長なら可能な話。
公共事業において特許製品等の特殊な機器、装置(限定数)の指定があった場合、それを同業者間で売り買いするのはよくある例。ところが同整備事業で、菊池市は「自ら製造している業者に限る」と入札参加条件を設定。明らかに6社の排除である。同6社は、「設計図から日本電気のソフトが使用されていたりと、菊池市には魔物が棲んでいると、コンプライアンス以前の問題で早々と匙を投げました」と語った。
同部長は、彼らの疑問、疑惑を全て承知の上で嘘の答弁を並べて執行を急いだ。
そして、マイクロGHzの導入を称賛したA議員だが、他メーカーのプランについて勉強不足だったことは確か。もちろん地方議員においては、限定メーカーだけの勉強で一杯なのは当然・・・。