熊本レポート

文字の裏に事件あり

2000万円の捻出で56%の荒尾市長選挙と54%が飽きられない選挙かが問われる宇城市長選挙

2017-02-06 | ブログ
 宇城市長選挙54%、荒尾市長選挙56%が、本日(5日)行われた選挙の投票率。
 選挙は「祭」と、その市民感情を昂揚させる時代があった。それは市民に与えられた憂さ晴らしの機会でもあったわけだが近年、投票率が示す通り、それが「ガス抜き」にもならなくなった。それほどの魅力が選挙、政治に消え失せたといえるが、一番の原因は魅力ある候補の不在。それは関心を失せた政治、諦念の漂う政治ということで極めて危険な現象。
 荒尾市長選挙は、同市元総務部長の浅田敏彦氏(56)が前職の山下慶一郎氏を破って初当選を果たしたが、この今回の出直し選挙とは何だったのか。
 元市長の競馬場跡地への市民病院移転計画に前市長が見直しを示したことに始まり、同移転候補地の運動公園開発まで、前市長の公選法違反問題までも挟んで議会との対立が勃発。
 そこで前市長の意思で出直し選挙が実施されたわけだが、選挙費用2000万円(荒尾市)を投下するだけの価値ある選挙が行われたか否かとなると、それは果たしてどうか。
現在の市民病院の運営補填に一般会計から7億円前後が支出される中で、約130億円を要する新市民病院の建設が市民に与える効果、負担とはどうゆうものか、そうした影響、また新たな財政改革等が市民の前に提示されての選挙であったか否かの疑問点である。
 転勤の挨拶に出向いた新聞記者に「会いたくない」と門前払いをした前市長、それにブロック紙ながら日刊紙の記者が「会いたくなったら連絡をください」と公器(?)の紙面で応えたとなると、この双方にいつまでも子供という評価しか出て来ないが、今回の選挙も同見解にあるのは確か。
 また「いまの野党なら負ける気がしない」という与党幹部の背景(衆院解散)と同じく、労組に組織から政策まで頼りきっての地方での野党は、その候補擁立に「参戦第一」の感じにあるが、単にその勝負だけでなく、市民の意思、財政上からもそれは大きな無駄であって、明らかにそれは市民支持者の離反を加速させているといえる。「飽きられない勝負」に向けた候補者選びが、自らの危機感として野党には求められる。
 それでも今年は、地方において統一地方選挙年に次ぐといわれるほど選挙が多く、熊本県でもこれから10市町村で首長選挙が予定され、議員選挙も9市町村で実施される。
 2月19日の阿蘇市長選挙には、上手く新成人も掴む現職の佐藤義興氏(68)に対して、その現職と前回の県議会議員選挙で袂を分けた佐藤雅司前県議(65)が挑戦。同選挙には、あか牛専門店・緑の資産代表の久保田一郎氏(75)も出馬を表明。
 また4月に予定される菊池市長選挙には、同市職員から市議となった荒木祟之氏(43)が鞍替えして現職の江頭実氏(63)に挑む。同氏は選対本部に江頭市長の元同僚(旧富士銀行)を迎えるなど、その意欲には勢いを感じさせるが、ここで市民に求められるのは、真贋を見分ける眼。
 ところで選挙前から「当選は堅い」、「当選濃厚」とかの前予想が囁かれるが、その劣性にある候補予定者が「飽きられない勝負のレベル」にまである場合、それは絶対的な予想ではない。選挙突入後なら困難だが、逆転への可能性は選挙戦術、戦略で充分にある。それは現在の過激、過熱第一の選挙陣営とは異なる政治力学的な「心理戦」・・・。
 ほろ苦き 日々までの味 蕗の薹