(県民債の利回り)
本日10月10日の上毛新聞経済面、
「お金のココロ」から。
高崎経済大学講師の上西さんが
ぐんま県民債について書いています。
上西さんとは、高崎経済大学大学院の博士前期課程で
社会人院生として一緒に学びました。
上西さんは経済専攻で、私は地域政策専攻でした。
住民参加型公募債である
「ぐんま県民債」が今月発行されます。
発行額は20億円、期間5年。
利率は5年国債の流通利回りを参考に決定されます。(0.2%前後)
ぐんま県民債は、満期までの利息と元本は保証されます。
しかし、途中換金する場合は、流通利回りが上昇した場合は損が出ます。
(利率固定型債権は、他も同様です)
上西さんによれば、1年後に金利が1%に上昇すると、
100円当たり4円の損が出るそうです。
(金利と流通価格の関係を確認)
10月9日のブログ「日本国債に関するJMM続報」で学んだ
利回りの計算式を使って、取引価格を確かめてみましょう。
流通利回り={表面利率+(額面‐取引価格)÷残存年数}÷取引価格×100 です。
まず、発行時点の条件を確認します。
表面利率=0.2%(2/1000)
額面価格=100万円とします。
取引価格=100万円で買ったとします。
残存年数は、買ったばかりなので5年です。
上西さんの仮定に従い、1年後に流通利回りが1%に上がった
(県債の価格は下がる)とします。
流通利回り={表面利率+(額面‐取引価格)÷残存年数}÷取引価格×100
(1%) 0.2% 100万円 αとする 4年 αとする
この式を変形して「取引価格」αを求めます。
取引価格=(表面利率+額面価格/残存年数)×(100×残存年数)/(利回り×残存年数+100)
α
=96.9万円
100万円で購入した仮定ですから、取引価格が96.9万円まで下がれば
3.1万円のマイナスです。
100円当たり(3.1)円のマイナスなので、1円で切り上げると
上西さんの指摘どおり4円のマイナスとなります。
ぐんま県民債は、途中で換金しなければ、
元本と固定の利息は支払われます。
利回りが0.2%の場合、
100万円を5年預けて2千円の利息となります。
ただし、途中で換金する場合は、
長期国債の金利が上昇した場合、
元本割れする可能性もあります。
先ほど確認しましたように、
県民債を買ってから1年後に、1%の利率となった場合は、
県民債の取引価格は100万円あたり3万円下がる計算です。
100万円を5年間預けても2千円しかもらえないのに、
もし1年後に金利が1%になった時換金したら、3万円も損するとは、
リスクのバランスとしていかがなものでしょうか。
(私は金融の専門家でないので、もし誤り等ございましたら
御指摘頂けると幸甚です)