山崎亮式「ブックカバーチャレンジ」14冊目
中村朱美「売り上げを、減らそう。」
この本は、ノーベル経済学賞級の
すごい洞察を持った本です。
アダム・スミスか、マルクスか。
従業員も、経営者も、お客も幸せで、
労働時間は短く、いいことづくめ。
仕事が、働く人の「幸せ」につながっています。
世界中の人に必要なこと。
中村さんが経営する飲食店は、
営業時間はランチのみの3時間半。
どんなに売れても一日100食売り切ったら終わり。
従業員の残業はゼロ。
なぜこのような経営にたどり着いたのか?
どのような理念をお持ちなのか?
(楽になったはずが)
機械化が進めば人類の労働時間は大幅に減ると、
かつて経済学者のケインズは予測しました。
科学技術が発達し、パソコンやアイフォン、コピー機など
便利な機械がたくさん増え、流通も発達しました。
けれど、多くの労働者にとって
労働はますます厳しいものとなり、
生活もつらいままです。なぜなのか?
それは、事業がうまくいっていても、
「もっと儲ける」ために
際限なく労働し、際限なく効率を上げていく
無限地獄にはまり込んでいるから。
人間の体や、時間は有限なのに、
より多くの利潤を追っていては
いつになってもゴールにたどり着けず
疲れ果てるだけ。
いったい何のために私たちは働いているのか?
人類に対する重大な問いです。
何はともあれ、
「幸せ」「働き方改革」「資本主義の問題点」などに
感心をお持ちの方は、ぜひお読みください。
ちなみに「働き方改革」は、仕事の「効率化」によって
時間的余裕を作ろうという考え方では失敗します。
「幸せ」や「生活」「仕事」等に対する認識や価値観を
変えずに一層の効率化を進めようとする行為は、
ゴミ屋敷に更に多くのものを突っ込もうとするようなものですから。
(参考ブログ)
・「売り上げを、減らそう。」2019-12-14
「足るを知る」と悟ることが大事なのだと思います。