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日本脳炎ワクチンの「積極的ではない勧奨」のススメ (1)(院内報より)

2006年10月10日 | こども・小児科
 現在、日本脳炎の予防接種は休止状態にありますが、「接種中止」ではなく「積極的な勧奨を中止する」という状況で、流行の危険性の高い地域や希望者には同意を得た上で接種することができます。昨年6月に急に接種“中止”というニュースが流れた際に、より安全性の高いワクチンが開発されて今年には再開される予定だと説明されました。しかし、最近入手した情報によると、再開までに2~3年はかかりそうだということなのです。理由は、高い安全性を期待されている新型ワクチンの治験成績で、現在のワクチンよりも副反応の頻度が高く出てしまったからで、今後改良される見込みだとのことです。

 ここで大きな問題が生じてきます。いま、5~7歳で日本脳炎の接種が途中になっていたり、まだ1回もやっていない子(I期3回の接種に1年1か月かかる)は、新しいワクチンで接種が再開されるのを待っていると、法定の7歳半(90か月)を過ぎてしまい、公費で受けられなくなったり、接種せずに日本脳炎の免疫を持たない世代の子たちが日本中に大量に生まれてしまうのです。 結論としては、納得の上での現行ワクチンの接種をお勧めします。リスクはそれまでと比べて高くなったわけではありません。その理由などは次号に。

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