踊る小児科医のblog

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タバコは予防可能な最大の流行病

2010年03月17日 | 禁煙・防煙
新型インフルエンザのパンデミックという言葉がすっかり定着しましたが、そのパンデミック宣言を出した世界保健機関(WHO)では「タバコは流行病(エピデミック)であり、防ぐことのできる死亡原因のうち最大のもの」という認識で規制に取り組んでいます。

 現在、タバコにより全世界で年間500万人以上が死亡しており、このまま放置すると2030年には800万人にまで増加すると警告しています。現在の喫煙者の半数の5億人がタバコで命を落とすことになるのです。

パンデミックとはエピデミックが地球規模で起こることを意味しますが、年間500万人という数字はエイズ、マラリア、結核の死者数を足したものより多く、タバコ病をパンデミックと表現しても不思議ではありません。

 先進国男性の喫煙率は減少し続けていますが、途上国、女性、未成年、貧困層の喫煙は減少しておらず、今後、タバコ病流行の中心は途上国にシフトしていくことになります。

 しかし、感染症ではない喫煙がどうして流行し、なぜ犠牲者が増え続けるのでしょうか。

 その原因の第一は、親や家族、友人、先輩の喫煙です。身近な人の喫煙を見て育った子どもは、喫煙に対する抵抗感が少ないことに加えて、受動喫煙によってタバコを吸いながら育った状態にあるとも言えるため、高率で自らもタバコを吸い始めることになるのです。



 二番目には、テレビドラマやアニメ、映画などにおける喫煙シーンが子どもの喫煙開始に及ぼす大きな影響が指摘されています。

 その源流には、タバコ産業による広告・プロモーション戦略があります。可愛いピンクのパッケージが誰を標的にしているかは明らかです。タバコ規制枠組み条約のガイドラインで、直接的な広告だけでなく、マナーCMやスポーツ文化活動への助成を含む広告の全面禁止が掲げられていることをご存知ですか。

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