踊る小児科医のblog

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タバコ 二つの依存症、二つの誤解

2010年03月18日 | 禁煙・防煙
 最近の調査で、20代喫煙者の約7割がニコチン依存症であることがわかりました。これは全世代の喫煙者における割合とほぼ同じで、吸い始めて間もない若者でもニコチン依存に陥っている実態が明らかになりました。

 多くの人が禁煙したいと思っていてもやめられないタバコ。その原因はニコチンにあります。ニコチンには二つの特性がありますが、その一つは毒物だということです。ニコチンの毒性は青酸カリを上回り、タバコ1本分のニコチンで赤ちゃんの致死量に達します。

 もう一つの、最大の特性は依存性です。ニコチンの依存性はアルコールよりもはるかに強くヘロインと同等とされています。タバコをお酒と同じ嗜好品だと言い張る人がいますが、よほどの酒好きでも朝起きてすぐに飲み始める人はいません。しかし、多くの喫煙者は朝から晩まで一日中吸い続けているのです。



 禁煙が難しいのは、ニコチン依存に加えて心理的な依存が生じるからです。喫煙者の多くはタバコがストレス解消になると誤解していますが、実際にはニコチン切れのイライラが喫煙によって緩和されることをストレス解消と錯覚しているだけです。タバコはストレスを減らすのではなく、増やしているのです。

 しかし、仕事の合間の一服でニコチン切れ解消という「報酬」を得る体験が長年続くと、パブロフの犬でお馴染みの条件反射により行動と喫煙が結びついてしまい、心理的依存が生まれます。この依存が残っていると、禁煙に成功して何年もたちニコチン依存から解放された人が、何かのきっかけで再喫煙してしまうことに繋がります。この「幻想」から解放されれば後戻りすることもなくなるのです。

 喫煙者の持つもう一つの誤解は、禁煙は苦しくつらい、自分は意志が弱いので禁煙できないというものですが、禁煙補助薬を使う禁煙治療で楽に禁煙できる時代になっています。

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