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踊る小児科医のblog

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最近のワクチン情報まとめ(別表)

2010年04月01日 | 予防接種
 2009年以降、ヒブ(Hib)ワクチン「アクトヒブ」、日本脳炎(新)、子宮頸がん予防HPVワクチン「サーバリックス」、小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー」が新たに接種できるようになり、高齢者用肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」も採用して接種を開始します。日本脳炎以外は任意接種です。

→最近のワクチン情報まとめ(別表PDF)

(院内報より)

子宮頸がん予防のHPVワクチン 1月から接種開始

2010年01月23日 | 予防接種
◇ 接種対象:10歳以上の女性(11~14歳に推奨)
◇ 接種方法:1回0.5mlを3回、筋注(初回、1ヶ月後、初回の6ヶ月後)
◇ 接種料金:任意接種(全額自己負担)、1回 14,000円

 前号でお知らせした子宮頸がん予防のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを1月から接種開始します。非常に高額なワクチンですが、予防効果は高く接種率の向上による子宮頸がんの減少が期待されており、定期接種化(無料化)が望まれます。民主党の総選挙「政策集」の中には掲載されており、政府でも公費負担を検討しているようですが、その時期や金額(一部か全額か)、対象年齢などはまだわかりません。当院ではなるべく多くの方が接種できるように、最低レベルの価格に抑えてありますが、お子さんの将来の健康のために中学生になったらHPVワクチンのプレゼントをお勧めします。
(院内報 2009年12月・2010年1月号より)

HPVワクチンの効果は? 子宮頸がん検診とどちらが大事?

2010年01月23日 | 予防接種
 これは結論から言うと、どちらが大事ということではなく「10代で予防接種、20代から検診」と両方受けていくことが大切です。



 HPVワクチンは16型と18型というがんを起こしやすい2つの型に対するものですが、悪性化しやすい型は100種類のHPVのうち15種類が知られており、この2つの型だけで100%予防できるわけではありません。また、検診ではがん化する前の異形成の段階から発見でき、ごく初期に発見すれば子宮を温存して負担の少ない手術でほぼ全例完治することができます。HPVワクチン+検診のセットを全員が受ければ、子宮頸がんを激減させることができるのです。

 なお、子宮頸がんは喫煙でも2倍以上リスクが高くなり、喫煙+HPVで相乗的に高まることがわかっています。依然として若い女性の喫煙率が高く、20~30代の子宮頸がんが急増していることの大きな要因になっているのです。
(院内報 2009年12月・2010年1月号より)

子宮頸がんをワクチンで予防 HPVワクチン接種開始へ

2009年11月27日 | 予防接種
 若い女性で急増している子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンが欧米から大きく遅れて国内でも承認され、近日中に接種開始となります。詳しくは次号で。ヒブと共に定期接種化が望まれます。

 ◇ 接種対象:10歳以上の女性(11~14歳に強く推奨)
 ◇ 接種方法:1回0.5mlを3回(初回、1ヶ月後、初回の6ヶ月後)
 ◇ 接種料金:任意接種(全額自己負担)、料金は未定

 なお、子宮頸がんは喫煙でも2倍以上リスクが高くなり、喫煙+HPVで相乗的に高まることがわかっています。乳がんも閉経前女性の喫煙者で約4倍、受動喫煙でも2倍以上高くなることが判明しており、子宮頸がん、乳がん、いずれもタバコによって若いお母さんの命が脅かされているのです。

◎ 新しい予防接種情報まとめ …日本脳炎は定期、他は任意接種(自費)
1)ヒブ(Hib)ワクチン 2009年1月より。2ヶ月から。4回~1回。
2)日本脳炎ワクチン 2009年7月再開。3歳から。組織培養型と従来型。
3)新型インフルエンザワクチン 2009年11月より。
4)HPVワクチン 2010年1月頃より(予定)。10歳以上の女性。3回。
5)小児用肺炎球菌ワクチン(PCV7) 2010年春(予定)。 4回~1回。
(院内報より)

インフルエンザ予防接種の予約受付中(季節性・新型)

2009年08月06日 | 予防接種
 今年の秋から冬の流行に向けて、インフルエンザの予防接種の予約を開始します。電話または窓口でご予約下さい。予防接種は日程の確認などが必要になりますのでメール予約がご利用できません。よろしくお願いします。

 今シーズンは、既に伝えられているように「季節性」と「新型」の2種類が接種できる予定です。新型ワクチンの流通や優先順位はまだ決まっていませんが、小児は上位に入るはずですので、入手できる範囲で希望者に接種したいと思います。時期的には「季節性」が10月から、「新型」はその後になる見込みです。ご予約の方には決まり次第連絡します。

 接種回数は、「季節性」小児は2回が原則、13歳以上は1回または2回
       「新型」いずれの年齢でも2回
で、今シーズンは合計4回の接種となりますがやむを得ないかと思います。

 料金は昨年と同じの予定ですが、新型については再度連絡します。家族の同時接種での割引も昨年までと同様です。(決まったら別紙で案内します)
 新型ワクチンは季節性と同じ製法ですので同等の安全性が期待できるとは思いますが、新しいものですので不確定要因がゼロとは言えません。

(院内報6・7月号より)

日本脳炎 新しいワクチンで接種できます

2009年08月06日 | 予防接種
 ご案内が遅くなりましたが、6月から新しい「組織培養型」のワクチンが発売開始になっています。他の予防接種と同様に、当院にお申し込み下さい。供給量が多くないようですので、申し込んでから接種できるまで少し時間がかかる可能性があります。対象年齢は

 第1期 3歳~7歳半まで 初回 3歳  2回
              追加 1年後 1回
 第2期 9歳~12歳(小学校4年生)  1回

 なお、この「組織培養型」ワクチンはこれまで従来型ワクチンを接種したことのない人にしか使えません(第1期初回)。従来型ワクチンを接種したことがある方や、第2期の場合は従来型のワクチンでの接種になります。

 なお、これまで日本脳炎が実質的に停止状態にあったため、第1期を接種せずに7歳半を過ぎた方は、大変遺憾ながら今回の接種再開の対象となっていません。国でも事態は重視していて、いずれ定期接種(無料)として接種できるようになるはずですが、もう少しお待ちいただくか、待てない場合は任意接種(全額自費)として接種するしかないようです。日本脳炎は青森県内にいるかぎり感染する可能性はほとんどありませんが、子どもたちが将来どこに行くかはわかりませんので、必要な回数は接種を済ませておきたいワクチンです。

(院内報6・7月号より)

ヒブ(Hib)ワクチン 定期接種化と自治体の補助を

2009年08月06日 | 予防接種
 1月から当院でも接種を開始しているヒブ(Hib)ワクチンですが、世界では途上国も含めて100ヶ国以上で定期接種(無料)となっているのに、日本では全額自費の任意接種のままです。当院では1回の接種に7000円(三種混合と同時接種の場合6000円)で、2~6か月児は4回、7~11か月児は3回、1~4歳児は1回の接種が必要になります。

 現在、各方面から定期接種化への働きかけを行っておりますが、政府は「新たなワクチンは副反応などの実績がなければ定期化できない」という姿勢を崩しておらず、現在任意接種における副反応調査が実施されているところです。

 7月現在、全国19自治体でヒブワクチンの助成が実施されていますが、県内では一つもありません。八戸市議会には請願書を提出し、8月には民生委員との懇談会で要請する予定ですが、市民からの声が行政を動かす一番の力になります。皆様からもお知り合いなどを通じて市政に声を届けていきましょう。

(院内報6・7月号より)

ヒブ(Hib)ワクチンの公費助成を実施している自治体

2009年07月07日 | 予防接種
ヒブ(Hib)ワクチンの公費助成を実施している自治体

北海道:栗山町、幌加内町
茨城県:土浦市
栃木県:大田原市
東京都:中央区、品川区、渋谷区、荒川区、昭島市
長野県:阿智村
岐阜県:大垣市
三重県:熊野市
滋賀県:長浜市
鹿児島県:鹿児島市、伊佐市
宮崎県:宮崎市、清武町、国富町、綾町

合計19市区町村(2009年7月7日現在)

北海道
●夕張郡栗山町 7000円(3回)、4500円(2回)
http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/health/y_yobousessyu.html

●幌加内町 おたふくかぜ、みずぼうそう、ヒブの3種類について全額助成
http://www.know-vpd.jp/news/213.php
http://www.town.horokanai.hokkaido.jp/hosp/gaiyoutop/shinryoutop/shinryou09.html

茨城県
●土浦市 1回につき2000円
http://www.city.tsuchiura.lg.jp/index.php?code=1878

栃木県
●大田原市 市助成金5,000円 自己負担金2,000円
http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/7,4382,28.html

東京都
http://www.komei.or.jp/news/2009/0604/14724.html
都は4月から各区市町村がヒブワクチン接種に対する公費助成を実施する場合、助成額の2分の1を都が補助する

●中央区 1回あたり4000円、1人最大4回まで
http://www.city.chuo.lg.jp/kurasi/hokenzyo/hokenzyo1/hibjyosei/index.html

●品川区 1回につき、3,000円、最大4回まで(水痘、おたふくかぜも)
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/page000002300/hpg000002214.htm

●渋谷区 1回につき3500円
http://www.city.shibuya.tokyo.jp/katei/children/health/hibu.html

●荒川区 1回につき3,500円
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/kosodate/docs/service/000/000785.html

●昭島市 自己負担額1回4000円、定員60人(多数抽選)
http://www.city.akishima.lg.jp/JPortal/kenko/yobou/00300HibWakuchin.htm

長野県
●下伊那郡阿智村 「個人の負担を1000~2000円に抑えられる程度」
http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_107161

岐阜県
●大垣市 1回の接種に対し、3,000円補助
http://www.city.ogaki.lg.jp/0000000794.html

三重県
●熊野市 金額記載なし
http://www.city.kumano.mie.jp/kurasi/kenkoutyouzyu/sinseisyo/sinseisyo.htm

滋賀県
●長浜市 1回2000円
http://www.myclinic.ne.jp/okunokodomo/pc/info.html
http://ameblo.jp/my-you/entry-10237669314.html

鹿児島県
●鹿児島市 1回あたり、3,000円
http://www.city.kagoshima.lg.jp/_1010/shimin/2kenko_hukushi/2-3kenkou/2-3-4yobosessyu/_32192.html

●伊佐市 総額約3万円の費用を全額負担
http://373news.com/modules/pickup/topic.php?topicid=53&storyid=17128

宮崎県
●宮崎市 1回3,000円
http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/www/contents/1171863470312/index.html

●清武町 金額記載なし
http://www.town.kiyotake.miyazaki.jp/i-fukushi/kensin/nyu_yobo.html

●国富町 記載なし

●綾町 記載なし


<参考>

●【費用助成・定期接種化を求めよう!!全国に広がる声】(細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会)
★すでに費用助成を獲得した自治体★
http://zuimakuen.net/a1-4.html

●ヒブワクチンに対する公費助成および定期接種化(東京ペディア)
作成: 鈴木けんぽう(渋谷区議会議員)
http://wiki.tokyolife.jp/wiki/%E3%83%92%E3%83%96%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%85%AC%E8%B2%BB%E5%8A%A9%E6%88%90%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E5%AE%9A%E6%9C%9F%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E5%8C%96

MRワクチン第2・3・4期接種が始まっています

2009年04月16日 | 予防接種
4月1日から、今年度の麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種が始まっています。
接種対象者
 第1期:1歳児(1歳の誕生日~2歳の誕生日の前日まで)
 第2期:小学校就学前の児(幼稚園・保育園年長クラス)
 第3期:中学校1年生
 第4期:高校3年生(または同学年に相当する人)

第2・3・4期は4月1日~3月31日までの1年間限定ですが、麻疹は毎年春から初夏にかけて流行するので、出来るだけ早く接種するようにして下さい。

なお、現在事実上休止状態にあった日本脳炎の予防接種が、6月頃から接種再開になる見込みです。
情報が入りましたらこちらでもお知らせしますが、市町村からの案内などにもご注意下さい。

今後の予防接種のあり方:麻疹、ヒブ、HPV

2009年03月06日 | 予防接種
平成20年度母子保健講習会報告 (3)

シンポジウム「今後の予防接種のあり方」

1. 麻しん排除に向けて
1) 沖縄県からの発信 
    安次嶺馨(沖縄県小児保健協会理事)

 沖縄県において平成10~11年および13年に麻疹が流行し死亡例を出した経験から、「はしかゼロプロジェクト」が発足し、接種率95%以上と麻疹発生ゼロを目標に、キャンペーン週間など様々な活動が実施されている。

 同時に発生時対応ガイドラインが作成され、全数把握事業が展開された。平成17年に麻疹発生ゼロを記録したが、修学旅行生の持ち込みなどによりその後も小流行はみられている。

 現状のままでは2012年までにわが国から麻疹を排除する目標達成は困難であり、国は接種率を上げるための断固たる意志を示し、韓国など麻疹排除に成功した国の施策も取り入れ、マスコミや国民も接種率95%以上を達成するためにそれぞれの責任を果たすことが必要である。

2) 福井県のMR接種率はなぜ高い?
   橋本剛太郎(はしもと小児科クリニック院長)

 福井県のMR接種率は2・3・4期いずれも全国トップで、1期の接種率も95%以上である。

 個別接種で高い接種率を達成している要因として、広報などの不特定多数への呼びかけよりも、就学時健診やダイレクト・メールによる未接種者への直接勧奨の方が有効であった。

 そのためには未接種者をいつでも容易に把握できる体制が必要であり、県内全自治体で予防接種台帳を整備・管理し、正確な予防接種(済)率が算定できる体制を整えてきた。これを日本全国で実施すべきである。

 3・4期への集団接種導入は短期的要請への対応としては有効であるが、予防接種教育により自ら判断して接種する体験を通じて、予防接種の意義・大切さを親から子へ伝える文化を造り上げていくという長期的な視点が求められる。

2.ヒブ(Hib)ワクチンをすべての子どもたちに
 -Hib髄膜炎の早期発見は出来ません-
     武内 一(耳原総合病院副病院長)

 occult bacteremiaの8割は肺炎球菌でHibは1割程度だが、髄膜炎に移行しやすく、髄膜炎全体の約2/3はHibが起因菌である。Hib髄膜炎は早期診断がきわめて困難で、発症年齢が低下して6ヶ月未満の乳児例が増加しており、抗菌薬の耐性が2000年以降急激に進んでいる。全国で5歳未満のHib髄膜炎は約700人あるいはそれ以上発生しているものと推計される。

 Hibワクチンは1998年のWHOの推奨声明以来世界100ヶ国以上で接種されており、髄膜炎の劇的な減少と安全性はすでに実証されている。わが国では2008年12月の発売までに治験開始以来8年もの期間を要し、定期接種に組み込まれていないため自己負担や供給不足の問題が表面化している。今後約2年で年間400万本まで増産する計画との情報が追加された。

3. HPVワクチン
   井上正樹(金沢大学産科婦人科学教授)

 子宮頸がんの原因ウイルスがHPVであることが明確になり、2008年のノーベル医学生理学賞がzur Hausenに与えられた。HPV陽性率は全体では約1割だが若い世代ほど高く、性交渉開始年齢の低下と性行動の多様化の中で、若年者にHPV感染が蔓延し、子宮がんの若年化が進み、30~40歳代の子宮がん死亡率は増加傾向にある。一方で子宮がん検診受診率は低迷し、一般事業化により危機的状況にある。

 子宮がんゼロ戦略の中で、検診や性教育と共に重要な感染予防のHPVワクチンが開発され、高い予防効果と安全性が確認された。現在、世界100カ国以上で接種が始まっている。導入への社会的コンセンサスの形成が必要である。

4. 予防接種制度の現状と課題
   梅田珠実(厚生労働省健康局結核感染症課長)

 わが国の予防接種制度は法に基づいていることが利点と言えるが、変更には法改正が必要で小回りが利かないことが欠点であった。

 厚労省に設置されている予防接種に関する検討会では、麻疹排除に向けてMR2回接種、3期4期の追加などが検討され実施に移されてきたが、今後は対象疾患の位置づけ、米国ACIP (Advisory Committee on Immunization Practices) を参考にしたアドバイザリー機能の強化や意志決定プロセスのルール化、組織培養日本脳炎など新しいワクチンへの対応、麻疹対策の推進、ポリオ+DTPなどの混合ワクチン導入が課題として検討されている。国内では予防接種に関するデータや調査研究が不足しており、臨床医の協力を引き続きお願いしたい。

(この文章は報告者のメモであり、演者の許可を得たものではなく、表現やニュアンスなどが演者の意図しないものである可能性があります。転載や二次利用はお断りします。)

ヒブ(Hib)ワクチンの予約と入荷状況

2009年02月21日 | 予防接種
● ヒブ(Hib)ワクチンの予約と入荷状況

 前号までにお知らせしてきたヒブワクチン(別紙案内参照)は、当院でも1月より予約および接種を開始しております。現在ヒブワクチンは輸入のみで、全国で予約が集中しているため、一医療機関で毎月3名程度まで優先して入荷するものの、それ以上の場合は翌月以降に待たされる状況にあります。この状態は1年以内には改善するとのことですが、しばらくの間は希望通りのスケジュールで進まない可能性もありますのでご希望の方は早めにご予約下さい。

● 入学・入園前に…必要な予防接種はお済みですか

<入園までに>BCG1回、ポリオ2回、三種混合3+1=4回、MR1回、できれば水痘、おたふくかぜ、ヒブワクチン
<入学までに>上記に加えてMR2回目、日本脳炎2+1=3回(現在中断状態にありますが、新ワクチンで今年再開の見込みとの情報が入っています)

(院内報2月号より)

ヒブ(Hib)ワクチンの接種が始まっています

2009年01月06日 | 予防接種
種類:インフルエンザ菌b型ワクチン(不活性化ワクチン・任意接種)

接種方法:1回0.5mlを皮下注射

回数:2ヶ月~6ヶ月…4回(4~8週間隔※で3回、1年後に1回)
   7ヶ月~11ヶ月…3回(4~8週間隔※で2回、1年後に1回)
   1歳~4歳 …1回
   5歳以上  …接種の適応はありません
   ※三種混合との同時接種などで必要と認められた場合は3週間隔も可

料金:7000円(三種混合と同時接種の場合は6000円)

副反応:主なものは注射部位の発赤、腫脹、硬結などの局所反応ですが、ごくまれにショックなどの副反応の可能性があるのは他のワクチンと同様です。(正確な頻度は不明ですが世界各国で特別の問題はなく接種されています)

同時接種とは:ヒブワクチンは回数が多いため、同じ時期に接種する三種混合(DPT)との同時接種をお勧めします。ワクチンは混ぜて注射することができないので、DPTとヒブをそれぞれ反対の腕に接種することになります。2回の注射が必要ですが、別の日にするよりも一度に済ませてしまった方が本人も家族も負担が減ります。ヒブは2ヶ月から接種できますので、先にヒブ単独で1回接種して、残り2回をDPTと同時接種にすることも可能です。

ヒブワクチンの必要性:毎年国内で約600人がインフルエンザ菌b型(Hib;ヒブ)による髄膜炎にかかり、5%が死亡、25%に重い後遺症を残しています。ヒブワクチンは10年も前から世界100カ国以上で定期接種として実施され、ヒブの髄膜炎は激減していますが、日本の子どもたちは取り残されていました。今回やっと日本でも接種が可能となりましたが、全額自費の任意接種で、自治体による補助もありません。全国の一部の自治体で補助を開始していますが、青森県内ではゼロです。(市民の強い要望を集結させないと実現は難しい情勢)

予約:現在、ワクチンの生産・在庫が限られているため、医療機関ごとに予約をしてから入荷するまで半月程度(人数が増えればそれ以上)の期間が必要になります。DPTと同時接種の場合にスケジュールが合わせにくくなる可能性もありますので、ご希望の方は早めにお申し込み下さい。

(一部、前号までにお知らせした内容と異なっているところがあります)

                            院内報12・1月号より

ヒブ(Hib)ワクチンとは?

2008年07月03日 | 予防接種
ヒブ(Hib)ワクチンが秋から接種できるようになります。詳しいことは未定ですが、今回はワクチンの基本的な情報についてお伝えします。

◎ ヒブ(Hib)とは?
 ヘモフィルス属インフルエンザ桿菌b型(Haemophils Influenzae Type b)という細菌の略称です。インフルエンザのウイルスとは関係ありません。エイズのHIV(エィチ・アイ・ヴィー)ウイルスとも関係ありません。
 強い病原菌の一つで、肺炎や喉頭蓋炎、髄膜炎などを引き起こします。小児の細菌性髄膜炎の半分以上がヒブ(Hib)によるもので、国内で毎年600人の子どもがヒブ(Hib)による髄膜炎にかかり、そのうち5%が死亡し、約20%に後遺症を残しているのが現実です。

◎ ヒブ(Hib)ワクチンとは?
 世界100カ国以上で10年も前から導入され、ヒブによる深刻な病気は100分の1程度に激減しました。WHOでも乳児への定期接種を推奨しています。

◎ 接種の対象となる年齢は?
 5歳以下の乳幼児です。

◎ 接種方法と回数は?
 三種混合と同じ、初年度3回、1年後に追加接種の計4回です。接種回数が多いので、三種混合と同時に接種するのが現実的です。同時接種は特に副反応を増加させるわけではなく、世界中で実施されている方法です。接種開始時の月齢・年齢によって、回数を減らしたり間隔を調整することになりますが、日本でのやり方はまだ決まってません。

◎ 定期接種ですか任意接種ですか?
 残念ながら任意接種(自費)になります。諸外国と同様に、無料で接種できる定期接種に組み込むよう運動しているところですが、日本はワクチンに関する行政が極端に遅れているので、いつ実現するか見通しは立っていません。

◎ 接種料金は?
 ワクチンの納入価が未定のため、まだお伝えできません。

インフルエンザの予防接種のご案内 2007-2008年版

2007年10月01日 | 予防接種
 今年も冬の流行に備えて10月中旬からインフルエンザの予防接種を実施します。例年通り、小児には2回の接種が勧められています。

 インフルエンザは感染力が非常に強く合併症も多い感染症で、毎年のように小児の脳炎・脳症などによる死亡例が報告されています。
 最近の海外におけるSARSや鳥インフルエンザの流行と人への感染、昨年の不規則なインフルエンザの流行などもふまえて、インフルエンザの予防接種を皆さんにお勧めしております。
 SARSや鳥インフルエンザ・新型インフルエンザと普通のインフルエンザを症状だけで区別することはできず、インフルエンザの診断キットも100%の精度ではありません。また、SARSや鳥インフルエンザ・新型インフルエンザのワクチンは直ちに実施できる段階ではありません。
 私たちにできる対策は、個人防衛としてのインフルエンザの予防接種を進めることであり、WHOや厚生労働省でもハイリスク者を中心に多くの人への接種を呼びかけています。
 インフルエンザの予防接種は感染したときに発症を防ぐ効果は高くありませんが、入院や死亡などの重篤な合併症を減らすことが知られています。
 当院では今シーズンも昨年と同程度の本数を確保してありますが、念のため早めの予約をお願いします。

 接種する場合は、なるべく年内に2回目が終わるようにスケジュールを組みましょう。流行が始まってから接種しても効果はあまり期待できません。

☆ なお、高齢者は公費(一部負担あり)で接種できますが、残念ながら子どもには補助はありません ☆


【1】任意接種 = 全額自費 … 0歳~64歳

● どんな人が接種した方がいいのか?

○ 生後6か月未満:積極的に接種を勧めているわけではなく、接種すれば抗体は上昇することがわかってきましたが、効果が十分確かめられているわけではありません。本人ではなく家族が予防接種を受ける方が防御効果は高いものと思われます。

○ 生後6か月以降:保育園に行っている子やハイリスク児を中心に、特別な問題がない限りどなたでも接種できます。
特に接種が勧められる方は、
・心臓病、腎臓病、呼吸器の病気(喘息を含む)などの慢性の病気がある方
・乳幼児および高齢者、家族に乳幼児や高齢者がいる方
・教師・保育士、医療・福祉関係者、警察・消防・自衛隊関係者など、流行時に社会的影響の大きい立場にある方

● 方法
・1歳未満:0.1ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・1~5歳:0.2ml 皮下注射 × 2回 (3,000円/回)☆
・6~12歳 :0.3ml 皮下注射 × 2回 (3,500円/回)☆
・13~64歳:0.5ml 皮下注射 × 1回または2回 (4,000円/回)☆

※2回接種する場合の接種間隔は1~4週間ですが、可能なら4週間あけて下さい。

☆ 同時接種割引について
 なるべく多くの方が受けやすくするために、2人以上の方が同時に接種する場合、それぞれの料金から500円ずつ割り引いております。一緒に予約して同じ日に接種していただければ、ご家族だけでなく、親戚やお友達同士でも構いません。

 なお、任意接種の料金は病院によって異なります(地域で価格を統一すると独禁法違反になります)。また「料金=ワクチンの価格」ではありません。コンビニでお菓子を売っているのとは違いますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

【2】予防接種法による高齢者への接種 … 10月~12月(予定)

● 対象
・65歳以上の方(希望者)
・60~64歳で、心臓、腎臓、呼吸器、HIVにより免疫機能に障害を有する方

● 方法
・0.5ml 皮下注射 × 1回(ウイルスの型に大きな変異がある場合は2回)

● 料金
・自己負担は1,000円(予定:残りは自治体が負担)

※慢性の病気で通院したり薬をのんでいる方は、かかりつけの内科医でご相談下さい。

くば小児科クリニック TEL 0178-32-1198

2012年までに麻疹「排除」へ  すべての学年で追加接種!

2007年09月12日 | 予防接種
 今年春から高校・大学を中心に麻疹の流行がみられ、八戸にも飛び火しましたが、夏休みをはさんでほぼ鎮火したようです。(全国では散発的流行あり)

 世界保健機関(WHO)では2012年までに日本を含む西太平洋地域で麻疹を排除する目標を定めていましたが、今回の流行によって世界から大きく立ち後れた日本の麻疹対策の実態があらわになり、二度とこのような流行を繰り返さないために、政府もやっとのことで重い腰を上げて、次のような対策を来年度から実施することになりました。いずれも小児科医が何年も前から主張してきたことではありますが、これで世界標準に一歩近づく見込みとなりました。

 しかし、まだ5年もかかります。問題点を書きましたのでご覧下さい。

◎ 中1、高3を対象に5年間「補足的接種」を実施

<目的> WHOの麻疹制圧目標に沿い、2012年までに麻疹排除を目標とする計画を策定する。

<麻疹の排除とは> 1)免疫保有率95%以上、2)感受性者の蓄積がなく、患者が入国しても流行を起こさない状態。

<キャッチアップキャンペーン> 麻疹予防に必要な「2回接種」を行っているのは、小学1年生と就学前の現在接種中の子たちだけで、2年生以上の子は1回しか接種していません。そこで、5年間の時限措置として、中学1年生および高校3年生に麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)を定期接種(無料)として追加することになりました。接種の対象者は5年間で計1200万人で、順番に書くと次のようになります。

       中学1年生 高校3年生
 2008年度 現在の小6 現在の高2
 2009年度 現在の小5 現在の高1
 2010年度 現在の小4 現在の中3
 2011年度 現在の小3 現在の中2
 2012年度 現在の小2 現在の中1

<注意> この表をみればすぐにおわかりいただけると思いますが、1)現在の高3以上(大学生・社会人を含む)はこの「補足的接種」の対象とはなりません。2)また、2回目の接種までに最大で4年半(小2・中1)も待たなくてはいけません。その間に流行がおきないという保証はどこにもありません。

 当院では、春の流行開始時から「小2以上のすべての学年の子に、抗体検査など行わずにすぐにでも任意接種(自費)で2回目の接種を行うべき」と院内報にも書いてお勧めしてきました。結果的には、同じことが5年もの年月をかけて実施されることになったわけです。

 問題は、最大で4年半待ってから無料で接種するか、待たずに有料で接種するかの選択です。確かにMRワクチンは二種類の混合ワクチンであり安いとは言えないので、全ての学年を一律に論ずることはできませんが、できるだけ早い時期に2回目の接種を行うことを第一に考えれば、待たずに接種することをお勧めします。

 現在高3以上の子はこの接種の対象とはなりませんので、すぐにでも2回目の接種を任意接種で行うべきです。目安として20代~30代までで、過去に麻疹に罹ったことが確実な方と家族が麻疹に罹ったのにうつらなかった方以外は接種が勧められます。

<その他の対策> 接種しやすい環境づくり(接種時の保護者同伴の要件を緩和する、学校での集団接種の可能性を検討するなど)、麻疹と風疹の患者発生時の迅速な対応、患者の全数報告、未接種者への市町村からの接種勧奨、大学生以上への接種の勧奨などの取り組みを行うことが決まっています。

<もう一つの変更点> これまで、混合ワクチンはそのうちの一つでも罹ったことがあると接種できなかったのですが、これも2008年度より接種可能となりました。具体的には、百日咳や破傷風に罹った子でもDPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンが、麻疹や風疹に罹った子でもMR(麻疹・風疹)ワクチンが接種できるようになります。ジフテリア(国内で感染する可能性はまずない)に罹った子は、7歳未満に限りDPTが接種できますが、7歳以上は副反応を起こす可能性が高いため接種できないとのことです。