畑を掘り、木を彫り、石を刻り、の自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

篆刻作品の見方

2015-08-12 11:07:39 | 篆刻


Q「最近は何やってるの」
A「篆刻でちょっと遊んでいますよ。円空仏も少し制作していますが・・・」。
Q「篆刻って、どういうこと?」
A「説明するのに半日はかかるよ」

「篆」(てん)っていうのは書体の名前です。紀元前221年。始皇帝のときに文字が統一され、「小篆」といわれています。
(ということは大篆もありですがコムツカシイので省略)

日展とか読売書法展、などで篆刻作品も展示されています。
ときどき鑑賞法について質問を受けますが説明するのはホント シンドイです。
絵とか書は子供の頃、習った記憶があることでしょう。
篆刻なんてことばも分からず、朱の文字で印が押してあり、なんのことやらサッパリ分からない、とよく聞きます。

写真は昭和から平成にかけての篆刻の大御所おふたりの作品です。
左写真は小林斗盦(とあん)先生の作品。「大順」という熟語です。
右は梅舒適(ばいじょてき)先生の作品。「荘厳国土」「大勧進好胤」(高田好胤さんの印でしょうか)
小林先生(1916-2007)は関東の雄。梅先生(1916-2008)は関西の雄。榊獏山の印はほとんど梅先生の作。

おふたりは本当に篆刻界の両巨頭でした。
おふたりが亡くなって篆刻界は今後どうなるのでしょうか、と時々耳にします。

さて、作品の鑑賞方法。
作品に「骨格」「冴え」「響き」「凝縮した生命の躍動」があるのか、どうか。
そして「余白の美」「生きた線」「味わい」。

更に作品によっては「洒脱」「軽快」「優雅」「調和」「粗密」「含蓄」「重厚」「対称」があるや否や。

どうですか。益々分からなくなってきたことでしょう。しかし記載しましたキーワードを作品の前に立ったとき思い出してください。
「なるほど、冴えがあるね。響きもあるし洒脱だねえ。粗密もあっていいね。」なんて思うかもしれません。

同じ印でも銀行印は全体的バランスが必要で、上記のような味わいは求められません。取引上の印ですから。

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