録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

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このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



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・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

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外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

メカゴジラの沖縄戦

2019-03-24 17:19:34 | 特撮・モンスター映画
すでに書きました通り、先週は東京の「ゴジラ対メカゴジラ」上映会に行ってきました。何回も見た作品ではありますが、それでも劇場で見るのは全く違います。不思議なもので、家のDVDで数十回見るより劇場で一回見る方が新たな発見ができるのが映画というものなのです。わたしは映画とは感覚を作品と空間に支配される一種のバーチャル体験の娯楽と考えていますが、暗闇、視界いっぱいに広がる映像と大音響によってもたらされる集中力が、雑音の多い部屋では見えなかったものを見せてくれるのでしょう。ただ、発見と言っても他のファンの方には常識で、今まで見つけなかったわたしが抜けているだけだった、という可能性もありますのでご了承ください。
恥ずかしながら今回の「ゴジラ対メカゴジラ」の鑑賞で初めて劇中の沖縄で自動車が右側通行していることに気が付きました。ただ、対面通行などしているわけではなくあくまで道の右側を走っているだけなので気づきにくかったことを言い訳の理由としておきます。これに気付いたとき、「ああ、そういえばこの作品は日本復帰後すぐの沖縄を舞台にしているんだったな」と言うことを思い出しました。沖縄では日本復帰後も直後はアメリカ占領時代の習慣が残り、自動車は右側通行だったのです。他の都道府県と同じ左側通行になったのは1978年のことなので、公開の1974年当時(劇中の本土シーンでは雪が残っていますので、73~74年の冬季頃撮影が行われたと思われます)は右側通行だったのです。
本作は沖縄とのタイアップで行われました。こうした観光地とのタイアップで作品を作ることは東宝の怪獣映画としては珍しく、わたしの知る限りこれ一本くらい(ボツになったケースはあります)しかありません。ただ、テレビの特撮ヒーローものではよくあることでしたし、映画でも大映の怪獣映画ガメラでは「ガメラ対深海怪獣ジグラ」で観光地タイアップが行われています。また、制作会社大映倒産のため実現はしませんでしたが、次回作の企画も観光地タイアップ前提でした。これは予算節約のためなんでしょうが、話には飛びつきやすかったと思います。妄想ではありますが、大映倒産がなければ沖縄にはゴジラではなくガメラが行っていたかも知れません。そしてその場合、本作のメカゴジラはなかったでしょう。

話を「ゴジラ対メカゴジラ」に戻します。わたしが本作最大の不可解な行動と思っているのが、メカゴジラによる無駄撃ちです。クライマックスのバトルでゴジラともう一匹の怪獣であるキングシーサーに挟み撃ちにされたメカゴジラは手足をゴジラに・首を真後ろに回してキングシーサーに向け、前後への同時攻撃でこれを粉砕します。が、この後、ゴジラもキングシーサーも登場人物もいない、しいて言うなら少しだけ民家のある箇所にミサイルを撃ち込むのです。勢い余ったとはいえ、どう考えてもこれは無駄撃ちでしょう。今回の上映会後に行われたトークショーでガイガン山崎氏がこの件に触れ、「悪の余裕によるもの、悪役は余裕の行動があってこそ引き立つ」と語りました。ですが、個人的にはちと違うと思ったのです。
まず考えたのが、当初の予定では主人公ら登場人物はセットの民家のような建物にいる予定で、メカゴジラは無意味に建物を狙ったのではなく返す刀で主人公たちを狙った、が、時間やの都合等で沖縄のシーンはすべて沖縄で撮影することとなり、当然ながら大規模セットや火薬の使用などはできず、特撮の攻撃シーンだけが残って無意味なものになった・・・というもの。はい、つまらないですね。面白みのない説はおいといて、別の発想をしてみましょう。それはメカゴジラが破壊者だから、というものです。
前から「ゴジラ対メカゴジラ」におけるメカゴジラ演出は前半のコンビナートと後半の沖縄決戦で異なる、と感じていました。本編は担当した福田純監督の得意とするスパイアクションがベースで、戦いは小規模かつ静かに行われます。その空気に近いのはコンビナート編のクールさを見せる殺し屋風メカゴジラです。一方、沖縄、特にゴジラが登場してからのメカゴジラはその殺し屋風をかなぐり捨て、デタラメな能力を次々と発揮する破壊者へと姿を変えます。そのすさまじい火力と爆発の嵐の前にゴジラは逃げ惑い、大量出血し、ハリネズミのようなボロボロの姿になります。この映画が"沖縄"が舞台と意識しながら見たとき、そのゴジラの姿は第二次大戦中の沖縄戦における犠牲者の姿が被って見えました。言うまでもなく第二次世界大戦では沖縄で上陸戦が行われ、日本は破れてアメリカに沖縄は占領されました。直接見たわけでも話を聞いたわけでもなく、本などで読んだだけですが、軍人だけでなく無力な民間人にも相当の被害があったと聞いています。艦砲射撃であちこちが吹き飛び、その中を逃げ惑い、よけきれずに傷だらけに・・・。そうした無力な人も少なからずいたイメージがあります。ゴジラシリーズは第一作からしてその攻撃力のイメージはアメリカ軍の空爆でした。ならば第二(第三かも知れませんが)のゴジラたるメカゴジラの上陸先が沖縄なら、沖縄戦のアメリカ軍の攻撃をイメージして演出するのは当然のことです。だからこそ、わずかな民家であっても容赦せずに破壊する、無関係な民間人でも平気で巻き込む描写が必要だったのです。作中ではそれでもゴジラが勝ちます。対メカゴジラ用に用意した新技、マグネット・パワーによってメカゴジラを吸い寄せて背後から羽交い絞めにし、その首を叩き折って倒すのです。強力な磁力を発生させるのには電力が必要、このシーンでゴジラは間違いなく発電しています。そしてゴジラは核エネルギーを持った怪獣ですから、ゴジラの発電は一種の原子力発電です。メカゴジラが第二次大戦当時のアメリカ軍のメタファーなら、ゴジラは原発のメタファーです。
当時、原子力は未来のエネルギーとして宣伝されていました。破壊の・戦争の力であった原子力を、人間の生産活動には欠かせない電気を作る発電手段として用いることで正義と平和の象徴してイメージする空気が作られていたと思われます。こうした流れはゴジラのヒーロー化とも無縁ではないと考えていますが、それがアメリカ軍の占領から沖縄を守った、あるいは解放したとすることが、少なくとも特撮側の意図であったように思えてなりません。本来沖縄を守るはずだったキングシーサーは威勢こそ良かったもののメカゴジラの前に全くの無力でした。占領や侵略から解放してくれるのは古い伝統的な戦力ではなく、未来の平和の力・・・そんな考えも頭を過ります。今でこそ原発はむしろ危険な存在とみなされることも多く、単純なイメージで語ることはできませんが、45年も前の作品ですからそこは大目に見ましょう。

ただし、本編からはそのような意図は全く感じません。本作は沖縄とのタイアップであり、沖縄側の意図は観光に来てもらいたくなるような美くて楽しい沖縄を見せることだったでしょう。怪獣ものですから殺伐としてはいますが本編の戦いは小規模に抑えられ、あくまでヒーローもの的な演出で格好良くはあってもリアリティは必要以上に出ないように配慮されています。そしてそれと同じくらい沖縄の海や玉泉洞を映すことに配慮されており、少々しつこく感じるほどです。そこには戦争の爪痕、という観光にとっては負になろう要素は全くありません。むしろ避けられています。だから、本作では怪獣の攻撃から逃げる人々も、怪獣迎撃のために出動する自衛隊も出ないのです。だけど特撮ではこっそりやって毒を残そう・・・。そんな演出プランがあったかも知れません。

以上のことは、「そういう考え方も出来る」というだけで、自説として強く主張することはしません。そんな細かいことなし、単にガンガン爆発させただけ、と考えてもそれはそれでいいと思います。が、一度「日本復帰直後の沖縄」ということも頭の中に入れてみれば、ただの子供向け作品ではない「ゴジラ対メカゴジラ」が感じ取れるかも知れません、できれば劇場で。
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神に準ずるお方とメカゴジラのサウンド

2019-03-18 00:18:42 | 特撮・モンスター映画
はい、やっとのことでとった休みも、早くも残すところあと一日となりました。正直全然遊び足りませんが、これ以上東京で遊んでいると今度は店が心配ですからこのくらいが引き際でしょう。その遊びのうちの数時間は例によって秋葉原でひたすら買い物・・・いや~今回は買った買った。というくらいいろいろ買いましたが、それは後! 真っ先に書きたいのは奇跡的に東京行きと時期が重なった「起動45周年!立川決戦 初代メカゴジラ~極上爆音上映~」であります。行ってきましたよ。最高でした。他に言うことないくらいです。

秋葉原の買い物を早々に切り上げていったん荷物を置き、身軽な状態になって立川へ。目指すは会場のシネマシティ・ツー。駅から降り立ってみると非常に立体的といいますか、建物とそれをつなぐ通路を通る道が充実していて、ほとんど地面に下りることなくあちこちへ行ける開発された住宅街という印象です。確かシネマ・シティーはモノレール沿いにあるはず。地方じゃまず見かけないモノレールという交通手段に見入りながら歩いていると、ナビが警告! どうやら真逆の方向に歩いていた模様orz これではいかんと今度はナビを見っぱなしの歩きスマホ状態で会場を目指します。とりあえずナビの示す場所にたどり着きますが、"CINEMA TWO"とはあるもののCITYの文字がないので本当にここかと少し入ってみると



テンションの上がるポスターの組み合わせ! ここで間違いないでしょう。ただ、思ったより早くたどり着いたので、あえて外で待ちます。確か会場は17:40だったはず。そういや今日は花粉が多いのか、くしゃみがそこそこ出ます。これはいけません。上映中に大きな音のくしゃみなんか連発したら雰囲気台無しです。かと言ってマスクがないので、薬局か・・・まぁコンビニでもいいか、と買える店を探しますがなかなか見つからず。やっとのことで発見して買ってくると17:40ギリギリ。まぁいいかと会場に入ろうとすると、結構年配の方が数人、入口にいます。こういう人も見に来るのか。はて、なんとなく見たことがあるような・・・。

それどころじゃない! 今わたしの横にいた人は、間違いなく「ゴジラ対メカゴジラ」特技監督、中野昭慶その人です!!!

他の方もいらしたのですが、わたしの目には中野監督しか映っていませんでした。特撮の神様と言えば円谷英二特技監督ですが、わたしが生まれたころにはすでに亡くなられていた人なので、イメージとしてはやはり昔の人です。一方、中野監督はわたしの基礎を作ってくれた数々の特撮をわたしが物心つくころに次々と発表していた、言うならば特撮の神様に準ずる人です。あの人を一瞬ながら間近で見られるなんて・・・。来てよかったです、本当に。
ただ、さすがの中野監督も結構なお年。正直ゲストならともかくメインになるトークショーは厳しいんじゃないか・・・。と思っていたのですが、全くの杞憂。いやしゃべるしゃべる。ハキハキしていて全く衰えを感じさせません。「ゴジラ20周年だから、なんか強い怪獣を出してくれと製作の田中友幸さんに言われてゴジラに勝てるのはゴジラしかないって言って出したのがメカゴジラ」「だからってチャンピオン祭りだから予算が出るわけでもなく、低予算で二週間くらいでとった。スタッフの仕事が早いおかげ」「美術の予算を削って火薬に回した」「日本沈没にノストラダムスの大予言、さらにテレビの流星人間ゾーンもあるのにこの映画とキチ〇イスケジュール、寝る暇もなかった」
面白い話が次から次へと出てきましたが、一番興味深かったのが、わたしが特撮映画最高の名シーンと感じているメカゴジラ正体を現しのシーンとその前後のカットですが、イメージはなんと多羅尾伴内だそうです。「ある時は私立探偵、ある時は片目の運転手、またある時はインドの魔術師、しかしてその実体は・・・正義と真実の使途、藤村大造だ!」この手のセリフはパロディがあちこちで使われ(特にキューティーハニーが有名)すぎて元ネタを知らない人が多そうですが、ある意味日本映像史に輝く最初のベタにカッコいいヒーロー、多羅尾伴内こそ元祖です。なるほど、あの名乗りをイメージした演出でしたか、どうりで決まっているわけだ。



トークショーはシン・ゴジラの美術などもしておられる三池敏夫氏と中野監督がメインだったのですが、スペシャルゲストとしてメカニズムゴジラデザイナーの井口昭彦氏と造形の安丸信行氏も登場、まさに特撮界の生きた伝説総進撃です。


トークショーも終わって上映会。今回はなんとフィルム上映です。最近はやりのデジタルリマスター化されたデータ映像じゃありません。実際にはありませんでしたが、フィルムが切れて上映が中断する可能性も告げられました。それがいいんです。ここまで来てBDに毛が生えた映像をブローアップなんてつまらない、家じゃ見られないフィルム映像だからこそ価値があるんです。もっとも、多少の記事がある程度で結構キレイだったのでアナログ的にレストアしたニュープリント版だったのでしょうか。
今回はなんと言っても極上爆音上映会。音の良さがウリです。本作はモノラル音声のため、いくら極爆と言っても音の左右の広がりはありません。が、良い音響施設にはそれとは違う音の立体性を感じさせてくれます。特撮の効果音はもちろんですが、なんといってもBGM。本作は東宝特撮の常連伊福部昭氏はなく、佐藤勝氏が手掛けています。そこからは体を抜けていく音・一度腹に響いて背中で跳ね返す音、足元から響き渡る重低音の三つが巧みに絡み合うさまが感じ取られました。特に二番目は特徴的で、伊福部氏の音楽からはあまり感じ取られないものです。メリハリよりもリズムを重視するジャズ調の音調ならでは、なんでしょう。こうした体で感じ取る類の音は家庭では難しいですから、これまた見に行った価値のあるものでした。そしてやはり対決シーンの大迫力。いうことなしです。


最後はVSやミレニアムでデザインを手がけた漫画家の西川伸二氏、現役バリバリで東映の特撮を手掛ける佛田洋特撮監督、ライターのガイガン山崎氏とブラックホール第三惑星人のコスプレの大内ライダー氏による止まらないトーク三昧。ただ、すぐ会場を開けて次の上映に場所を開けなければならないため、適当なところで打ち切られてしまいました。



写真などは「SNSで拡散してください、ハッシュタグに特撮秘宝ってつけて!」って言われてたんですが、わたしはブログに書きます(^^)最後に、一応続編上映の可能性が語られたんですが、さすがに今度は奇跡も起らないだろうし、無理だろうなぁ、次の休みも半年後だろうし。夏には三国志でおなじみ曹操の墓からの出土物を見に来る予定。
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マニア泣かせのブックレート付き、「巨大生物の島」

2019-03-05 13:19:20 | 特撮・モンスター映画
監督の名前を見ただけでDVDの購入を決定してしまうMr.BIGことバート・I・ゴードンの作品、「巨大生物の島」のBDが先月発売されていたのを今月に入って知ったので慌てて注文、それが届いたので鑑賞した。なんで気が付かなかったかというと、Amazonの「ニューリリース情報」の中に出てこなかったから。以前はAmazonと言えば「お客様へのおすすめ」から調べるのが便利でそれ経由買っていたのだけど、なぜかAmazonはそれを廃止。一応代わりにマイストアにそのニューリリース情報から見ていたんだけど、格段に不便になっている。すでに発売されている「ニューリリース」とまだ出ていない「まもなく発売」を区別してくれないし、リストにはすでに購入・注文済の品も平気で掲載する。さらにどうやら50個までしか記載してくれないので、本来わたしへ勧める優先度が高い商品が平気で漏れることがある。特に最近は「SSSS.GRIDMAN」のBDをまとめて注文したせいでニューリリース情報がアニメ関連だらけになってしまっていて「巨大生物の島」BDが漏れてしまっていたのだ。だから「お客様へのおすすめ」廃止はイヤだったのに。買い逃したら損じゃないか。

まぁそれでも売り切れ前に注文できたから御の字。ちなみにこの「巨大生物の島」のDVDは16年前に一度登場したことがあるだけ。それもAmazonのような通販サイトやDVDショップには一切仕入れられることはなく、メーカーのサイトから直販されるだけの非常にひっそりとした販売方法だったのでマニアでも所有者は多くないだろう。わたしの場合は「宇宙船」の済にその記事が掲載されていたのを見て急いで注文し、購入することができたのだが、しばらくして売り切れ。近年はそのDVDの中古が当時の数倍の値段で出品されているのみだった。今回はBDに媒体を変更したため、新規購入はもちろん当時購入したマニアも安心して買い増し出来る品になっている。もちろん単なるブローアップではなく新規のHDリマスターだ。なお、発売は16年前のDVDと同じ株式会社スティングレイ。なんで当時は直販のみで今回はAmazonでも扱うのかは謎。

巨大生物の島 [Blu-ray]
バート・I・ゴードン
メーカー情報なし


ちなみに単に巨大生物の島、とタイトルをふると「SF/巨大生物の島」という作品もあったりするが、それはレイ・ハリーハウゼンが得意のストップモーションアニメで巨大モンスターを手掛けた、若干牧歌的な匂いもする作品(魚屋で買ってきたカニの中身を食べて残った殻を組み立ててコマ撮りで仕立て上げた巨大ガニが微笑ましい)。そのせいでこちらの作品は「新・巨大生物の島」などと言われたこともあるが全くの別作品。だいたい「SF」の方はネモ船長とノーチラス号が出てきたりしてジュール・ヴェルヌを原案としているのに対し、こちらの原題は「H.G.WELL'S THE FOOD OF THE GODS」、つまりH.G.ウェルズ原作になっていて出発点が違う。と、言っても原作の登場人物の名前と「神々の糧を食したネズミが巨大化した」のところだけを使っていて準拠性は薄く、むしろレイ・ケロッグ監督作品の「人喰いネズミの島」の方が内容が近い。
本作の監督は前述したとおり何度も取り上げているバート・I・ゴードン。実在の生物や人間を合成して巨大怪獣にしたてあげる作品を得意とした監督である。ただ、変に世間の流れに乗って作った「巨人の村(これもH.G.ウェルズの"神々の糧"原作)」がうまくいかなかったのかそれ以降は鳴りを潜め、マッドボンバー(BD発売済)のようなサスペンス作品がポツポツ出るだけになっていた。「巨大生物の島」は「ジョーズ」によって訪れたアニマルパニック映画ブームに便乗して作ることができるようになった作品と思わる。
バート・I・ゴードン作品と言えば決して演出は悪くないものの、なぜかクライマックス~巨大生物もの故にアクションシーンになるわけだが~になるとそれまでの丁寧さが失速し、大雑把演出・平坦な画面構成・荒い合成になってしまっていつも通りだと楽しませてくれるガッカリさせられることが多い印象。クライマックスまでに時間と予算を使いきってやっつけ仕事になってしまっていたのだろうか。しかし、本作「巨大生物の島」はその失速感がなく、一本調子ではあるもの最後までそれなりに緊迫感を保って進めてくれる。一時BIGはアクションシーンが苦手なのでは? と考えたこともあったが本作を見る限りその感じはない。
今までの作品の巨大生物はもっぱら10mクラスの見上げるような怪獣サイズであったのに対し、本作の巨大生物は一番大きな鶏でも3~4m、メインとなるネズミは人間大くらいでそれほど大きくない。そのくらいのサイズだとむしろ演出のセンスがより問われることになるのだが、BIGにはこのくらいの方がちょうどよかったようだ。予算もそこそこ出たのか、合成とミニチュアを組み合わせ、その中を本物のネズミや実物大造形物を使って表現した巨大ネズミ軍団は恐怖を誘う不気味さがあるくらいにはよくできており、当時の技術水準からしたら出色の出来栄えと言っても過言ではない。特にネズミの演出がすばらしく、あまりチョロチョロせず、みな同じ方向に歩き、同じように主人公たちが立てこもる家によじ登ったり入ろうとしたりする。勝手な明後日の方向へ走ったりするネズミはほとんど見られない。まるで飼いならしたようで、どうやってネズミにある程度規則的な行動ととらせたのかその技法が全くわからない。同じく本物のネズミを使って撮影しようとした大映の「大群獣ネズラ」では逃げ出したり死んで悪臭やダニが発生し、近所の多大な迷惑をかけたので中止(代わりに作ったのがあの「大怪獣ガメラ」)したのとはえらい違いだ。「巨大生物の島」では医療用の、実験用ラットを使ったとのことで大人しい性質だったことが功を奏したのだろう。なお、BDに掲載されたブックレットによるとBIG本人の談で「ネズミへの銃撃は血糊を含んだパンを特殊な銃で撃ちこむことで表現しており、それによって死んだネズミはいない、撮影後はペットショップに引き渡した」とのこと。映画を見る限りどう見ても銃弾を受けるたびに血を噴き出して肉片をまき散らしているようにしか見えないので、見事な表現方法だと思う。ただ、その銃撃によってネズミは苦しそうな表情で後ろにひっくり返っているし、爆発で吹き飛ばされたり柵に流した電流や水に溺れさせられて明らかに動かなくなったネズミも多々見受けられるから、どうみても少なからぬネズミが死んでいるのでは? と思われるが・・・。ひょっとしたら「死んだネズミはいない」というのは銃撃の直撃限定なのかも知れない。

そう、このブックレットが本BD最大の問題。詳しすぎるのである。前のDVDにもブックレットはついていたが、BD版はそれをベースにのちに入手した情報を加えて大幅に加筆されており、その視点は極めてマニアックで痒いところの奥にまで手が届いてしまっていて、わたしが書きたい疑問に思うことのほとんどが書かれてしまっている。わたしはこうしたブログの記事を書くのは映画や作品を紹介したいというより自分の解析や他作品への影響、類似性などの研究結果を書きたくてやっているのだが、「巨大生物の島」BDのブックレットはそれを先回りして全部潰してくれているので、書くことがほとんどない。「SF/巨大生物の島」はもちろん、名前だけの続編「ゴッドフード」のことさえ記してある(ちなみにDVD化はされておらず、某レンタルビデオ店が閉店する際の在庫処分で出ていたのを確保してある)し、その上映の背景さえ書かれている充実ぶりで本作の資料としてはもうこれで十分、後は何を書いても前述のようなブックレット情報の話への追記程度にしかならない、二重の意味でマニア泣かせの内容になってしまっている。ただし、DVDには付属していた公開当時のパンフレット縮小復刻盤は特典映像にも付属していない。DVDから買い増す人への配慮だろうか。

「巨大生物の島」によって見事復活を遂げた、かに思われたBIGだが続く「巨大蟻の帝国」で失速、というより墜落。それ以降活躍することはなかった。しかし、それでも「巨大生物の島」は氏の集大成。本物の生物の出す迫力は一見の価値あり、と思う。
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三月十七日、メカゴジラを感じに行く

2019-03-02 21:46:50 | 特撮・モンスター映画
先日書きました休日を取って東京にいく話、スケジュールを考えた結果、三月の十六~十八日の三日間になりました。本当は十五~十八、でいれば十九といきたかったのですが、さすがに連続で休めるのは三日が限度です。それ以上はいろいろ疑われます。ちなみに有給休暇義務化は四月以降なので入らないのですが・・・。まぁわたしはそもそも対象外なんで。

で、フラフラとなんとなくTwitterを眺めていたら・・・。特撮ムック「特撮秘宝」の書き込みがふと目に入ります。そこに「本日!『ゴジラ対メカゴジラ』極爆上映+トークショーのチケット発売しました!」の文字が踊っているではありませんか!! 映画「ゴジラ対メカゴジラ」起動45周年&新刊「昭和メカゴジラ鋼鉄図鑑」発売を記念して、東京は立川のシネマシティで特別上映会をやるというではないですか!!! しかもその日時は3月17日の17:40から!!!!

行ける・・・。スケジュールで言えばピッタリです。ただ、ちょっと迷いました。確かに17日の夜ならばベストといっていい日時です。しかし、その日は日曜、予定では一日買い物に充てることになっていました。もちろん買い物の時間はあります。が、必然的に時間を早く切り上げなければなりません。ましてわたしは目的地にたどり着くのが人三倍苦手。最近はナビを使えば迷う時間が少なくて済むようにはなりましたが、それでも正しい場所にたどり着く、という一点に関してわたしはわたしを世界一信用出来ない人間と考えていますし、立川はかつて東京に住んでいた時にも足を踏み入れたことのない土地勘の全く働かない場所、最低でも開場より一時間は早く立川につかないといけません。もちろん大量の買い物荷物を持っていくことはできませんから、一度部屋に戻るとなると・・・。かなり買い物時間が短くなってしまいます。うーん、街をうろつく時間が短くなるのもそれはそれで困るなぁ・・・。でも、17日という上映日はわたしにとってまさに奇跡の日。まるで見えない何かの力がわたしのスケジュールに合わせて決めたかのようです。そうまで用意されたお膳立て、食わないのも恥・・・。ここまで迷うこと約一分、チケットを買うことに決めました。わずかでもイベントを楽しめるチャンスがあるなら、それを捨てることなんてやはりわたしにはできません。

3/17(日)18:00『初代メカゴジラ【極爆】』開催。『ゴジラ対メカゴジラ』+濃厚トークショー

さっそくチケットを買おうとアクセスすると、会員登録とかで手間取っている間にすっかり良い席は埋まってしまっています。前方スクリーンを上に見ると、埋まっている席の形がVの字になっているのです。さすがにこの手の上映イベントの参加者、地元の映画館とは一味も二味も違います。わたしはなんとか余っている中では前方の見やすそうな席、Vの字のライン上くらいの席を確保できました。チケットの発行はコンビニエンスストアチェーンのファミリーマートのみでしたが、幸いにも昨年ちょっと歩きますが十分迷わず行ける場所にファミリーマートができているので、さっそく店を閉めてから取りに行けました。

今回の上映は「極爆」! 極上爆音と題しています。きっと家庭はもちろんシネコン程度の映画館じゃ割れて無理な音量と音質を兼ね備えた「皮膚で感じる」上映が行われるのでしょう。「ゴジラ対メカゴジラ」はモノラル音声なのですが、だからこそ映画館の音響の差がでます。わたしが特撮映画史上屈指の名シ-ンと評価しているメカゴジラが正体を現すシーンの素晴らしいBGMや、中野昭慶特技監督による爆発が大音量で堪能できるなんて今から楽しみで仕方ありません。
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世紀の暴挙 ミュータント・フリークスが日本語字幕付きで放送

2019-02-07 23:37:14 | 特撮・モンスター映画
昨年のことですが、映画情報サイトに「ビルとテッドの大冒険、新作製作決定」などの見出しが踊りました。やりたい、という噂はそれ以前から出ていましたが、作られることは正式に決まったのです。「ビルとテッドの大冒険」は若かりし頃のアレックス・ウィンターとキアヌ・リーブスのコンビで撮った冒険コメディ映画で、好評だったらしく第二作「ビルとテッドの地獄旅行」も作られました。今度の新作も三度アレックス・ウィンターとキアヌ・リーブスのコンビが主役で、「地獄旅行」に出演したウィリアム・サドラーも出演するので完全な続編となりそう。最近はこうした過去の名作の数十年後を描く続編映画が流行っていますから、その波に乗ったのかも知れません。

ただ、特に「ビルとテッド」に思い入れのないわたしのこの話を聞いた時の感想は「キアヌ・リーブスにアレックス・ウィンターにウィリアム・サドラーかぁ。ビルとテッドもいいけどアレを日本語字幕付で見られるようにしてくれないかなぁ」



アレとは、原題を「FREAKeD」、日本のダメ映画ファンの間では「ミュータント・フリークス」の名で知られる半ば封印された映画のことです。先のアレックス・ウィンターが主演だけでなく脚本と監督まで手掛け、キアヌ・リーブスやウィリアム・サドラーの二人はもちろん「青い珊瑚礁」のブルック・シールズ、ドラマ「特攻野郎Aチーム」が有名だそうですが個人的には「ロッキー3」のライバル役の方が印象が強いミスターTら豪華メンバーをそろえて無駄遣いしたバカ映画と言われています。大量に登場するフリークスを手掛けたのは「ポルターガイスト2」などでも特殊メイクを担当したスクリーミング・マッド・ジョージ、二か所しかありませんがストップモーションアニメ(というよりクレイアニメ)を「ロボ・ジョックス」などを担当し当時最高の技術者の一人だったデビッド・アレンが行っています。どちらも技術的には素晴らしいのですが、作品の中身を見るとやっぱり無駄遣いとしか言いようがありません(もっともデビッド・アレンは割としょうもない作品でもストップモーションアニメの仕事なら平気で引き受けていたようですが。「SFレーザーブラスト」とか「フレッシュゴードン」とか)。

衝撃的なのが、先ほどから何度もキアヌ・リーブスの名を出してはいるものの、映画のエンドロールのキャスト一覧のなかにその名を見つけることはできないことです。出演しているのは確かなのですが、その役柄がなんとドッグボーイ。毛むくじゃらの顔をした犬のフリークス役なのです。つまり、顔が全く出ないのです(笑)。おまけになにか事情でもあったのか、作品中盤でリスを追いかけて一行を勝手に離れ、そのままクライマックスにギリギリ戻ってくるまで一切登場しないという扱いなのです。「出なかったことにしてくれ」と頼まれたのか、大きな仕事が別に入って出られなくなったので名前を外してもらったのか解りませんが・・・。クライマックスは無事人間に戻れたフリークスたちがどんどん姿を見せるシーンがあるので、ひょっとしたらここで初めてキアヌ・リーブスを顔出しで出演させ、「おお、ビルとテッドがそろい踏みだ!」ってファンを喜ばせる演出を用意していたのかも知れません。多分そうなんでしょうが、まぁそれが台無しになったのもこの映画が半分封印された一因かと。



この映画、20世紀フォックスの制作であったことや人気スターが出演することもあって一度は日本での配給も決まりかけたらしいのですが、聞いた話によると20世紀フォックスの方から取り下げがあったために上映されなかったとか。アメリカの上映も限られたわずかな上映館で行われただけだったそうで、公開前に失敗作扱いされてしまったようです。そのまま20年以上が経過し、日本では一部の腐ったマニアが知るだけの存在となっていましたが、内容を把握している人はその中でもさらに少数でした。なにせ、日本語字幕も存在していませんでしたから。コメディ映画は原語だけでは難しいのです。わたしも紳士のたしなみとして輸入してこの映画のDVDを所有しているのですが、わたしの英語力などしょせん考えたら追い付かない程度のもので、聞き取れる単語を拾って間を魂でつないで強引に訳しながら感じるしかないのです。他はそこまでしてみたい映画は比較的単純なストーリーのものばかりで台詞を理解できなくてもなんとかなったのですが、コメディはわざと訛らせたり早口でしゃべったりするので聞き取りづらく、聞こえたセリフもストーリーを進めるものなのかただのギャグなのか区別するのも難しく、ましてそのギャグはその名も高きアメリカンジョーク、並以下の英語力では太刀打ちできません。なので飛ばし見しただけで中身を理解していませんでした。なので一日も早い日本語字幕付き映像ソフトが出るのをまって早数年、忘れていたところに先のビルとテッドの話が出てきて再び調べていると・・・。

なんと、2019年の2月にCSのザ・シネマで放送されるというではありませんか。厳密にはそれに先立って昨年のTOKYO COMIC CONで「町山智浩のVIDEO SHOP UFO」というザ・シネマの番組の公開収録と称して先行公開されたようですが、その時点では日本語字幕はなかった、という話です。しかし、今回CSでの放送ということで、ついに日本語字幕付きで2月6日に放送されることになりました(昨年末にも放送されており、今回のは再放送だそうです。気が付かなかった、不覚)。今更この映画を取り上げるなんてまさに暴挙、超常現象にも等しい奇跡です。いや、これが楽しみで楽しみで。その少し前から天気が崩れがちでドロップが多く発生しており、無事録画できるかどうか気になっていたんですよ。なにせわたし、こういう時猛烈に運が悪いのを自覚してますから。しかし、録画は全く問題なく終了、じっくりと堪能することができました。





えー、なんといいますか、まぁ・・・。



日本語でセリフを理解しながら視聴することができてよかったね、わたし! 長年の夢がかなったよ!! ってなもんです。序盤はいいんですよ、日本語字幕さえついていればわかりやすいギャグ、テンポのいい展開、まぁ笑えます。しかし後半は本気でグダグダ、英語だけで見ていた時もそうでしたが、日本語字幕ついても同じでした。これは、本来ストーリーの中核にいるべきだったドッグボーイが抜けてしまってその場の勢いでやらざるを得なくなったせいじゃないかな? などと思ってます。そう考えると、この映画が失敗したのはキアヌ・リーブスが悪いってことですね。ですがそのおかげでカルト化し、中途半端に人気が出て、結果ビルとテッドの新作が作られることになった(町山智浩氏の発言より)んですから、結果いいほうに転んだといえるのかなぁ。



確か今月中にもう一回くらい放送あるはずです。それにせっかく日本語字幕を作ったんですから、ひょっとしたら日本語版DVDが発売されるかも知れません。中身はデビット・アレンのクレイアニメの妙以外はお勧めできませんが、ダメ映画の一つの在り方として手元に置くのも一興と思います。
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GRIDMAN解説本と雑誌の見事な一致

2019-02-04 17:07:05 | 特撮・モンスター映画


筆者所有「電光超人グリッドマン」発表当時の雑誌「宇宙船」(当時の発行は朝日ソノラマ)の表紙と、今回発売になった同じく「宇宙船」(現在の発行はホビージャパン)別冊のSSSS.GRIDMANの表紙。今回の記事はこの新旧表紙の競演が書きたかっただけ(笑) ちなみに微妙に重ねているのは若干紙が劣化していて、少しめくり上がるのを防ぐため。

と、いうわけで先日好評のうちに終了したSSSS.GRIDMANの宇宙船による特集MOOKが発売されたので紳士のたしなみとして買いました。基本的に現在はアニヲタでないわたしはただアニヲタ視点のこの手の本だったら買わないところですが、編集が主に特撮を手掛けた「宇宙船」によるものなら、特撮ヲタ視点の見方や、特撮ヲタではできない知識の補填などに良いのではないか、と購入したものです。結果は、後半の知識補填には満足、ヲタ視点としては買ったの失敗、という感じでした。

なんで失敗かといいますと、アニメGRIDMANの随所にちりばめられていた特撮ヲタ向けの細かいネタのほとんどが図入りで解説されているからですよ。後で探してみる楽しみが半減しちゃいました。見なけりゃいいんでしょうが、多分一人でみてもさすがに気が付かない部分だろうところまでピックアップしてあると、ついつい見ちゃう、しかも他の解説ほったらかしにしてそこばかり。そこが一番面白いですから。ああ、やってしまった、とちと後悔。ディスクで見直す時は、なるべくその知識は忘れていどむことにしましょう。
知識の補填は先にも書きました通り満足。最終話、真の姿を取り戻したグリッドマンに対し敵のアレクシスが「ずいぶん懐かしい姿になったじゃないか」と語りかけますのはなんでか、と思っていたのですが、本編始まる前に両者は闘っていてグリッドマンが破れているから、のようです。また、新世紀中学生のうち一番最初に登場したサムライ・キャリバーの声優が特撮ドラマ「超星艦隊セイザーX」の主人公、安藤拓人役の高橋良輔氏だというのは全く気が付きませんでしたし、彼のインタビューが掲載されている点などは買ってよかったと思わせる部分です。

さて、もう一冊久々に引っ張り出してきたグリッドマン当時の宇宙船。本記事のタイトルに書いた「一致」というのはもちろんグリッドマンのポーズのことだけじゃないですよ。これは意図的に同じにした、ということが事前に情報として出されていましたし。わたしがその一致ぶりに驚いたのは、この号の中に2ページを使って「アニメになった特撮ヒーロー」という記事が書かれている点です。この号が出版された段階でのグリッドマンは発表だけで内容について書くことができず、記事も1ページだけ、表紙も急遽差し替えたものと思われます。なのに中にはそんな記事があるわけですから、まるでグリッドマンがアニメ化されることをものすごく遠回しに予言していたみたいじゃないですか。
ちなみに紹介されているアニメ作品は「マグマ大使」「ジャイアントロボ」カッパの三平」「仮面ライダーSD」。なお、4本のうち特撮をある程度反映して作られているのは「マグマ大使」だけ。ジャイアントロボは「地球が静止する日」ですし、しかもこの時点ではまだ第一話しか発売されていなかったので、あとでああなるとはだれも予想していなかった時期。カッパの三平は、そもそも特撮ドラマの「河童の三平 妖怪大作戦」が原作とは別物だし、仮面ライダーSDはもちろんギャグになってます。全部ちょうどビデオの発売が始まったり、劇場公開が間近という時期だったのでたまたま特集が組まれたのでしょう。偶然とは恐ろしいものです。

宇宙船別冊 SSSS.GRIDMAN (ホビージャパンMOOK912)
ホビージャパン
ホビージャパン
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妖怪巨大女とリメイク

2019-01-06 00:18:35 | 特撮・モンスター映画
だいぶ前、映画"進撃の巨人 ATTACK ON TITAN"公開時にそれを見に行って「怪獣映画を見に行ったつもりだったら妖怪映画だった」「巨人の気味の悪さが異様」と評したことがあります。あの映画は前編に過ぎず、後編「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」があったわけなんですが、実は見に行ってません。前編が比較的切りのいいところで終わったこと、"シン・ゴジラ"の前哨としての手ごたえを見るには前編だけで十分だったこと、別に原作漫画のファンとかではなく(というよりほとんど読んでない)最後まで付き合いたいという気にならなかったことがあります。それらはすべて「巨人描写が気味が悪いので、あれ以上積極的に見る気にならない」ことに集約されるわけですが。気味が悪いと思われるのは制作側から見れば想定通り、なんでしょうが、エンターテインメントとして楽しく見る"不気味さ"ではなく"気味が悪い"だったので、その手の映画を好むわたしでも敬遠してしまったのですが。「まぁ"シン・ゴジラ"もヒットしたし、「シン・ゴジラと同じスタッフが作った映画」としてどこかで放送するでしょ」と楽観視してはや数年。結局忘れるほど見る機会がなく、もちろんディスクも買う気になりませんでした。ひょっとしたらCSのどこかで放送していたのかも知れませんが、あったとしても見つけられるほど宣伝されていなかったんでしょう。で、忘れるほどたった昨年末、NECOでようやく進撃の巨人二部作が放送されることになりました。ただ、一回目の放送は衛星放送特融の現象で録画に失敗してしまいましたが、リピートでなんとか確保。まぁまだ見ていませんし、見た中身についてブログで書くつもりもないのですが、さすがに放送波を液晶で見るとかなり映像がCG臭くなるので前編だけでも劇場で見るほど気味が悪くはならないようなので、少し安心して見られそう。それがいいのか悪いのかは分かりませんが。

進撃の巨人に登場する巨人は造形物で表現されていたり、CG加工でデフォルメされていたりでそのままの人間ではありませんでした。が、人間をそのまま巨人として扱う映画は少なからず存在します。以前よく書いていたバート・I・ゴードン監督の作品にはその系統の作品が多く、まだ日本語DVD化されていない作品もあるのでぜひ出してほしいものですが、今回は他の監督作品を取り上げます。巨人は人間をそのまま合成すればとりあえずなんとかなりますので、最低限のメイクで怪獣表現が出来るので予算の削減につながりますから、低予算でとりあえず劇場を埋められるハッタリの利いたB級映画を作るには向いているんですよ。それだけに実はろくなものがなく、バート・I・ゴードン作品など他の巨人映画と比べれば上等な部類に入ります。その中でも「ひどい」「しょうもない」と言われるのが巨大女を描いた作品。男が巨大化するなら上半身裸のムキムキ筋肉でそれなりに破壊や暴力に説得力のある絵を作れますが、女の巨大化となると、もうごく一部の特殊なフェチかサディスティック趣味を満たすものにしかならないわけで、設定だけで最低映画扱いを食らうわけです。もちろん大好物です。その最初の一本と言われるのが先日発売になった"妖怪巨大女"です。

妖怪巨大女 [DVD]
アリソン・ヘイズ,ウィリアム・ハドソン,イヴェット・ヴィッカーズ,ロイ・ゴードン
復刻シネマライブラリー


最低映画の一本にあげられる本作ながら、監督はネイサン・ハーツ名義ではありますがその正体はネイサン・ジュラン。わたしが以前絶賛した「極地からの怪物 大カマキリの脅威」をはじめ、「地球へ2千万マイル」「シンバッド七回目の航海」「H.G.ウェルズのS.F.月世界探険」といった洋物特撮映画ファンにはおなじみの名作を監督した人で、美術部門ではアカデミー賞を受賞したことさえある監督さんです。まぁ大した準備もなく、短期間で作ったのだと思いますが。
展開はそれほど面白いわけではありません。謎のUFOや巨人の目撃の話はありますが、大半はハリーの浮気の話です。ナンシーと結婚したのはあくまで金目当てで愛のないハーリーは愛人のハニーと浮気三昧。金だけ取り上げてナンシーを切り離すため、暗殺さえ企てますが執事に感づかれ・・・。というまぁ大して盛り上がらない話が中盤まで続きます。後半、UFOから現れた巨人にナンシーがとらわれます。それをいいことにハリーはナンシーを見捨てて逃げてしまい、そのまま家の荷物をまとめて出て行ってしまいます(財産は?)。ナンシーはその後いつの間にか街に戻され、病院へ運ばれますが、薬の過剰投与でナンシーを殺そうとやってきたハリーが部屋に入ってくると、なぜか巨大化していたのでした。やがてナンシーは目が覚め、浮気のハリーを懲らしめるべく巨体を駆使して捕まえてしまう・・・。というよくわからないストーリーです。なんでナンシーが巨大化したのか説明がなく、よくわかりません。ただ、巨人(おそらく宇宙人)の載っていたUFOにはどう見ても等身大の人間が通るための通路や出入り口が存在します。おそらくUFO内には巨大・縮小化装置があり、状況に応じて体のサイズを変えていたのでしょう。ナンシーは首から下げていた巨大ダイヤのペンダントを狙ってさらわれました。それを外して自分のものにするために宇宙人は一度縮小化、そのあと元に戻ろうとしたときに、たまたまその巨大化のエネルギーか何かを浴びてしまったのでしょう。後で暴れらることを恐れた宇宙人に巨大化を解除されることなく追い出されたと思われます。宇宙人からすれば地球人に対し面倒な縮小化などやってやる必要を感じなかったでしょうし、地球がどう混乱しようと知ったこともなかったでしょうから。
特撮は、残念ながら手抜きの一言。巨人表現の大半は合成なのですが、フィルム同士を重ね合わせただけの単純なオーバーラップ方式なので画の構成には無頓着、巨人も半透明で向こう側の背景が透けて見えるため、全然巨人感がありません。ここら辺が最低映画といわれる所以でしょう。ただ一か所だけ、ナンシーとは別のUFOに乗っていた巨人が調査に来た保安官に攻撃を受けた腹いせに彼らの乗ってきた自動車を持ち上げたあと投げつけて壊してしまうシーンがあるのですが、自動車をつかもうと覆いかぶさる手の動きがなぜかリアル。空いていた窓枠に親指を差し込んでつかもうとする動きがかなり自然で、コマ送りで繰り返し見入ってしまったほどです。間違いなく大きな造形の手を押し込むだけの単純な特撮なのですが、作られた腕の指の硬さ・柔らかさ・重さのバランスがちょうどよく、多分たまたまいい動きになってしまったのでしょう。この箇所以外はそこまで自然な動きはしていませんでしたし。
本作の映画の原題は"ATTACK OF THE 50FT.WOMAN"。タイトルでは身長は50フィート、約15mとされています。パッケージの姿はどうみても15mくらいじゃすまない30mはありそうですが、ポスターでハッタリかますのはよくあることなので置いておきましょう。先にも書きました通り本作ではナンシー以外にUFOに乗った巨大な宇宙人が登場します。この宇宙人のサイズは日本語字幕では10m、登場人物のセリフでは34フィートと推測されています。1フィート約30cm強ですから34フィートで10m、タイトルのナンシーより小さいのです。ところが、先に自動車を持ち上げるときに使った手は巨大ナンシーの手にも流用されています。さらにナンシーはハリーを捕まえる際にホテルに迫るシーンがあり、それはミニチュアで再現されているのですが2階建てでしかありません。通常の家より一階ごとの高さはかなり高いとしても、それと巨大ナンシーはほとんど同じ高さですからその身長はやはり10m、34フィートを想定したとしか思えないのですが。ちゃんと手と家のサイズが統一されているあたりはさすが美術でアカデミー賞を受賞したことのあるネイサン・ジュラン監督ですが、だからこそタイトルの50フィートが違うとしか思えません。タイトルは後付けなんでしょうかねぇ。

なお、”妖怪巨大女"はのちにリメイクされました。ただし、劇場公開用ではなく、テレビ映画として、です。原題はほぼ同じ"ATTACK of the 50foot Woman"ですが、日本では「愛しのジャイアントウーマン」のタイトルでDVDがリリースされました。そのお値段なんと500円! しかも本屋ルートです。本屋で売っている500円DVDと言えば著作権切れの古い作品が定番ですが、"ATTACK~"は1958年、リメイクの方は1993年の公開ですから映像著作権期間、70年にはまだ達していません。そんな作品を500円で出そうと思っただけで素晴らしい企画だと思います。原作ではナンシーは元に戻れず、死亡しますが、リメイクでは冒頭ナンシーの語りから始まるようにナンシーはUFOからの光線で元に戻ります。特撮は、さすがに時代がたっていて流用できる素材もたくさんあったでしょうからテレビ用の低予算でもそこそこ見られるものになっています。それがかえって平凡な作品に落としてしまったのは仕方ない話ですね。ちなみに巨大化するナンシーを演じるのはダリル・ハンナ。SF映画の名作といわれる"ブレードランナー"でレプリカントの一人を演じた人です。”愛しのジャイアントウーマン"では共同制作としてもクレジットされており、自分で企画して自分で汚れ役をやってるわけです、有名な女優なのに・・・。

リメイクが作られたように"妖怪巨大女"はいろんな意味で業界に衝撃を与え、派生映画も作られました。比較的有名なのが妖怪巨大女のリメイクを企画してうまくいかず、代わりに作った"Attack of the 60feet Centerfolds"。センターフォールドとは中綴じ方式の雑誌、あるいはその中央部分のこと。見開きで一枚の紙が使えるため、大きなグラビア写真やポスターを織り込むことがよくあります。この作品の巨大女はそのグラビア写真のモデルの座を争う二人で、両者とも巨大化して戦うようです。残念ながら見たことないですが、多分"妖怪巨大女"よりはるかに見るところはないでしょう。さらにB級映画の帝王、ロジャー・コーマンに目を付けられ、そのまたリメイクが作られるわけですが、さすがにそこまで来るとわたしでもついていきたくなくなります。

これらと比べると、日本の巨大女の代表格、ウルトラマン「禁じられた言葉」の巨大フジ隊員とか、ウルトラマンタロウ「ウルトラ父子餅つき大作戦!」の巨大南夕子辺りは格段にまともな演出がなされたというべきでしょう。たとえ怪獣図鑑の中で素顔で他の怪獣と並んで掲載されることが何十年と続いているとしても。
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特撮とアニメの融合作品

2018-12-18 23:10:29 | 特撮・モンスター映画
SSSS.GRIDMANのBDが届きました。もちろん放送分は保存してあるので特典目当てならDVDでもいいかと思ったのですが、価格が変わらないのでBDにしておきました。

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ポニーキャニオン


現時点ではまだ全話放送されていないのですが、放送前から謎めいていた部分のヒントや回答はあらかた示され、後は最後まで見るだけ、となっていますので、まずは放送分を全部見てからディスクを視聴したいと思っています。主なターゲットは昔の特撮のファンと踏んでいたのですが、どうやら特撮を見ていないアニメファンの評判も悪くないようですので、謎部分もすんなり受け入れられているのでしょうか。むしろ昔の特撮ドラマのストーリーを引きずっているオールドファンの方がGRIDMANを理解していないのかも知れません。


さて、これだけで終わるのもなんなので、特撮で作られた作品のアニメ化ものでも書こうか・・・とも思ったのですが、わざわざ取り上げるような作品がありません。全く別物になるか、先に作られた特撮作品の方が半ば無かった作品扱いになるかのどちらかばかりです。一応例外もありますが、その作品の場合アニメ特撮両方を対等に見て語れるほどわたしはよく見ていません。ので、アニメと特撮の両方を使った作品についてちょっと書きましょう。

実のところ、特撮もアニメも現実にはあり得ない状況、あるいは現実をそのまま使うのが難しい映像を代用する、という点では同じものです。特撮の効果の代わりにアニメが使われていても別に不思議ではないわけです。現在のCGを大量に使った映像なんてデジタル製作のアニメと何が違うのか、ですし、人形を一コマずつ動かして撮影する特撮技術もストップモーションアニメと呼ばれるアニメ表現の一種です。ただ、絵で描いたセルアニメを映像の効果として使った作品となると、日本ではそれほど数がないのです。海外作品ならキャラクターと人物を同一画面で共演させる作品があるんですけどね。まぁウルトラマンのスペシウム光線とかも厳密にいえば描画したアニメ表現ですが、本稿ではもうちょっと範囲を絞ってセル画を使ったものだけにしておきましょう。
特撮の代わりに実写ドラマへかぶせる特殊効果をアニメにした作品と言えば、なんと言っても手塚治虫原作で若き日の水谷豊が主演したことでも有名な「バンパイヤ」でしょう。"ヴァンパイア"ではなく"バンパイヤ"なので、吸血鬼ではなく動物に変身する能力を持った人間~作中で活躍するのは主に狼ですが~を差します。その変身後の狼をアニメで表現しています。アニメ部分だけ見てもかなり出来が良く、ほとんど類似作品がない原点でありながら決定版という感じもあります。


化け猫の声がモスラ(笑)

手塚治虫原作の映像化作品はそれこそ数多く存在しますが、本人の意向を反映してか、実写作品でもアニメを使うことを忘れないものが多い印象です。代表作「鉄腕アトム」の実写ドラマでも、冒頭にはアニメを使ってアトムの周辺の説明が行われていましたから。もちろん主題歌が有名なアニメ版よりも早く作られました。手塚治虫本人は実写版アトムの出来に満足していなかったようですが、冒頭部分を作った経験はのちのアニメに生かされたのでしょう。
原作は手塚治虫本人でも直接映像つくりに関与していない作品は多々ありますが、それらにもアニメ表現が使われたものがあります。日本初のテレビ向けカラー連続特撮ドラマでピー・プロダクションの「マグマ大使」では一部の宇宙船やミサイル発射などの表現に、いわゆるセル画ではありませんが絵による表現が使われています。これは予算の削減の意味もあったでしょう。まともな特撮としては同時期に13日遅れて放送が開始された「ウルトラマン」がありましたのでそりゃ普通に比較すれば「マグマ大使」は見劣りします。が、異なる表現方法も使ったことで今見る分にはこちらも味があっていい感じです。
東宝によって作られた実写映画の「火の鳥」。出番は少なめですが、登場する狼がセル画で書かれています。なぜか当時の流行歌「UFO」の前奏に合わせて同じ踊りを踊ったりして若干悪ふざけの印象もありますが、狼にセルを使ったのはおそらく「バンパイヤ」を意識したのでしょう。また、火の鳥は映画でははっきりと姿を見せない映し方ですが、セルで描かれています。
その逆、メインドラマはアニメで、それを活かす効果として実写との合成が行われた作品もあります。世界初の大人向けアニメ、「アニメラマ」と称して劇場公開された「千夜一夜物語」です。

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手塚治虫の原作ではありませんが、製作を手掛けています。特撮というほどではないですが、バグダットの全景がミニチュアで表現され、クライマックスでは登場人物が忍び込むシーンはそのミニチュアとの合成となっています。他に実写合成としては船のアニメと海の実写というやり方が行われており、こちらはかなり良い効果をあげていますが、なぜわざわざ手間のかかるミニチュアで街並み表現をしたのかは謎。
作品について一言語りますと、所謂「千夜一夜物語」ではなくあくまでそれをベースにした独自の作品となっています。当時の世相を反映してか、主人公アルディン(アラジンをもじったものか?)の平気で物や人、立場を投げだす無責任ぶりはとても物語の主人公とは思えません。が、だからこそ人はそんなに単純じゃない、安易なキャラクターにさせていない細心の注意が伺えます。個人的に最後のセリフは全てをすっきりさせる名台詞だと思う。ちなみに美術としてキャラクターデザインなどを手掛けたのは「アンパンマン」のやなせたかし。


一方、円谷プロはウルトラシリーズの行き詰まりを感じてか、1970年代後半にアニメを使った作品を手掛けています。最終的には完全アニメ作品「ザ★ウルトラマン」を経て原点回帰の特撮「ウルトラマン80」に至るわけですが、そこまでは試行錯誤が見られます。
一番最初に円谷プロがアニメに手を出した作品が「プロレスの星アステカイザー」です。原作永井豪・石川賢、スーツを使った戦闘員が多数登場するアクションなど雰囲気は東映の作品に近いですが、円谷プロ作品です。ストーリーのほとんどは実写アクションなのですが、クライマックスの敵レスラーとの対決シーンになると「カイザーイン」の掛け声とともにBGMが主題歌に変わって光学合成効果が入り、アステカイザーともどもアニメの姿に変わってしまうのです。実写では不可能な動きも出来るアニメでありえない技を、というアイディアはよかったのですが、実際にはあまり動いておらず、違和感だけが残る印象です。ちなみに本作で悪役や若手レスラー役で、のちに新日本プロレスで活躍するタイガーマスク・佐山聡の名が頻繁にクレジットされています。ひょっとしたらこの作品への出演がキッカケでタイガーマスクに抜擢されたのかも知れません。
「アステカイザー」は効果としてアニメが使われましたが、アニメパートが独立していて合成などは行われませんでした。その後作られた「恐竜探険隊ボーンフリー」は人物をアニメ、恐竜を人形アニメ、メカやそれと直接絡む恐竜のシーンはミニチュア特撮で、という別の視点で作られたハイブリッドな作品となっており、アニメキャラとメカや恐竜の合成が行われます。ただ、人形アニメの採用であまりに作るのに時間がかかったせいか、全25話と比較的短い話数しか作られませんでした。主人公チームは熱血・クール・三枚目・ヒロイン・子供というまるで東映の巨大ロボットもののような組み合わせになっています。なんとなくこの時期の円谷プロは東映の作風に影響されていたように思えてなりません。ただ、クールに相当するゴンさんが三枚目風の外見のためか、勘違いされる傾向にある感じです。本作の恐竜は保護される存在として描かれましたが、力及ばず恐竜が死んでしまう話もいくつもありました。特筆すべきは現在では魚竜であることがはっきりしているエゾミカサリュウが肉食恐竜として登場していること。発見された頭部の化石の印象がティラノサウルスをイメージさせるものであったため、当初は肉食恐竜と思われて人気だったようです。ただ専門家の間ではすでに魚竜の可能性が高いと思われていたようですが、人気に水を差さないために肉食恐竜説が採用されたのでしょう。
恐竜シリーズの第二弾として作られた「恐竜大戦争アイゼンボーグ」は前作の反省もあったのか、人形アニメは地下の恐竜帝国の全景シーン用につくられたものがつかいまわされるだけで人物はアニメ・特殊効果はミニチュア特撮となりました。また、バトルのカタルシスがなかったことを踏まえて本作の恐竜は(無理矢理改造されて)破壊活動を行う怪獣と化し、やられ役となってしまっています。後半は完全な怪獣となってしまいました。本作では恐竜軍団が街に攻めてくることから日常シーンが多く取り入れられています。作品当初はかなり細かく作られたミニチュアの街の中でアニメの人物が生活する様が描かれ、その完成度は「千夜一夜物語」よりも格段に上で、空気で言えば唯一無二の作品となっています。残念ながら途中で失速したのか、後半はミニチュアの代わりに実景の写真を背景に使うのが主になってしまいました。「火の鳥」と同じように、やっぱり「UFO」に合わせて踊るシーンあり。
アイゼンボーグは中東で人気が高く、「またアイゼンボーグを見たい」という思いからプロジェクトが立ち上がり、その要請で昨年ドキュメンタリーと当時のデザインを再現した特撮パートを組み合わせた「帰ってきたアイゼンボーグ」が作られ、YouTubeで日本語版が公開されました。



残念ながらこのドキュメンタリーで語られた新作シリーズは今なお実現に至っていませんが、「SSSS.GRIDMAN」は円谷プロから見た場合、このプロジェクトからの派生なのではないか、という気がしてなりません。中東の人はガッカリしたかも知れませんが。
恐竜シリーズはこの後「恐竜戦隊コセイドン」が作られましたが、こちらはアニメを使わない実写特撮ドラマになっています。

ああ、最近裏でいろいろやっていたので書きすぎた(笑)。それにしても手塚治虫の映像に掛ける情熱のすごいこと。本当は円谷プロ作品を重点的に書いて手塚作品は触れるだけ、にするつもりだったんですが、調べれば調べるほどあの人が常識で測れない超人であったことが伺えます。マンガの神様、なんて呼ばれることもありますが、漫画家という視点だけで手塚治虫を語るのはもったいない気さえしますね。手塚治虫の息子が父のアニメよりも円谷プロ作品「ウルトラQ」の方をみたがった、なんて話も聞いたことありますし、一時実写の取り込みに積極的になったのは少しは「打倒円谷プロ」の思いがあったから・・・なんて考えるのは穿った見方でしょうか。

追記:肝心・・・というほどでもないですが、ある意味この分野最新の作品を忘れてました。ボーンフリーの項目で「ゴンさんは外見のせいで勘違いされる」って書いた時点で念頭にあったのになぁ。

その作品は「地球特捜隊ダイバスター」。深夜の悪ノリ系の番組ですが、一応人物はアニメ(というかフラッシュ)で、出撃するときに使うメカは実写特撮っぽい映像で描かれています。博士を除けば隊員は原則四人しかいないものの、その構成やアニメ人物+ミニチュアという組み合わせが「恐竜探険隊ボーンフリー」を連想させ、同作のパロディと呼んでもいいかも知れません。ミニチュアの発進シーンは露骨にチープに作ってあり、"特撮"とはとても呼びたくないシロモノですが、途中追加されたダイバスターロボはあえてストップモーションアニメを使ってあり、まぁ技術的には誉められたものではないにしろ、意気込みには感心したものです。
内容はアニメもミニチュアもどうでもよく、かつて人気を博した「トリビアの泉」の一コーナー、「トリビアの種」をセコくした実験をいくつもやるようなもので、しょうもないのですが発想がユニークで、一時はゲストに槇原敬之がアニメキャラとして登場したり、一回だけの特別仕様とはいえ主題歌を小林幸子が歌ったり、顔出しADが半分タレント化したりとカルト人気を得ていたのですが、そのADを使った実験がひどいパワハラだと苦情が寄せられてから自粛が始まってトーンダウンし、代わりにディレクターや本物のタレントを使ったりしましたがかつての勢いは取り戻せず、しばらくして終了。グッズが売れ残っていたことを最終回ではネタにしてましたが、アレどうなったんでしょうか。
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まさかのラドン押し! Godzilla:King of the Monsters公式トレーラー第二弾

2018-12-11 09:52:12 | 特撮・モンスター映画
未だ上映中のアニメ「GODZILLA 星を喰う者」の興奮がまだ冷めない中、もう一つのゴジラシリーズとして展開中のハリウッド版Godzilla、「Godzilla:King of the Monsters」の公式トレーラー第二弾が、ついに公開されました!



一部で怪獣の造型が出てはいましたが、動く姿が出るとやはり興奮が違います。見ていただけばわかると思いますが、明らかにラドンが登場している回数が一番多い!のです。監督の話とかいろいろ出ていましたが、正直腹の中では「結局ラドンの扱いは"ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃"のバラゴンみたいにやられ役なんだろうなぁ」と思っていました。しかし、このトレーラーの使い方を見る限り、ラドンが出番が一番多く、登場怪獣の一押しにしているとしか思えません。逆に出番が少ないからこそ、今の段階では一番見せられるという扱いなだけ、という可能性も無きにしも非ずですが、期待してもよさそうです。日本におけるラドンとの扱いは高速飛行による衝撃波や翼で起こす突風が主なイメージでどちらかと言えば怪獣の中では打たれ弱い印象でした。出現当時こそ高速な飛行能力も、その後出て来た他の怪獣の飛行速度と比べればむしろ遅い扱いのため、速度が発揮されることはほとんどない扱い。まぁただの怪獣図鑑に掛かれるカタログスペックと言われればそれまでですが、もう一つ高速というイメージで演出されることが少ないのも確か。今回のラドンはむしろ高速よりもよりパワフルな怪獣として描くことでモスラとの差別化を測る、そんな意図が見えるくらいなんか翼の描かれ方が太く、力強い印象です。一方のモスラはどうしてもハチっぽい顔とカマキラスかメガギラスのような前足に目を奪われますが、日本の作品や今回のラドンと比べてもより薄く表現される翼に個人的には注目したいです。"ゴジラファイナルウォーズ"でも同一画面では共演しなかったラドンと成虫モスラの空の二怪獣。今度こその同時登場の期待とともに、両者をどう表現を差別化してくるのかが見どころの一つになるかと。

すでに出ている四怪獣とあまり似ていない姿に見える怪獣らしきものがあと二匹見えるところから、隠し玉も多そうですが、そうした謎めいた部分よりもなんと言ってもトレーラーを締めくくるゴジラとキングギドラ、二大怪獣の真正面からの激突! もうこの後が見たくて仕方ありません。レジェンダリー版がこのように真っ向から怪獣バトルで来るからアニメゴジラは被る表現を避けたのかも知れません。ですが、やはり怪獣映画はこうでないと。まずは出来得る特殊撮影でガンガン魅せて迫力で面白くすしてナンボ。もったいぶった解釈や裏読みなんてその後見終わってからじっくりやらせてくれればそれでいいんです。予想すればするほど怪獣映画の王道のど真ん中を突き進んでいるとしか思えないレジェンダリーゴジラ。褒めて自らの期待を煽ることしかできない自分がもどかしいほどですが、ここまで期待のハードルを上げてしまって大丈夫なのか、と心配にさえなってきます。なにせ、まだ次もあるのですから。
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GODZILLA - 神対神

2018-11-10 15:02:32 | 特撮・モンスター映画
※個人ブログゆえに内容に触れています

第二部の「GODZILLA 決戦機動増殖都市」を見てテンションが上がり、楽しみにしていた完結編「GODZILLA 星を喰う者」が9日からついに公開。やはりいてもたってもいられず、ギリギリ間に合うと判断して初日の最終上映に行ってきました。

いや~、夜の回が信じられないほど映画館のロビーは混んでいます。もちろん全員がゴジラを見に来たわけではありませんが、相当数いますね。もうちょっと日数が経過してから見に来ればもっと空いていたのかも知れませんが、それにしても予想を超える混雑ぶりです。もちろんわたしは事前に席とチケットの予約を済ませていますから混んでいようと関係なし。それに、やはりといいますか、皆さん後ろにばかり行きたがりますので、わたしの座る前方(とうとう三部作全部同じ席で鑑賞するという快挙を成し遂げました(笑))に来る人は少なく、今までと大して変わらない環境でじっくりと鑑賞することができました。

三部作の三作目と言えば、当たり前ですが完結編になります。典型的三部作の一つと言えるのが「スター・ウォーズ」。これをテンプレと考えると
第一作目~局地的だが一応の勝利 第二作目~敗北と再出発 第三作~予定調和、あるいは大勝利でのハッピーエンド
となります。なのでわたしが当初「星を喰う者」のストーリーとして予想していたのは

"人類を一度外宇宙へ出し、ウラシマ効果によって地球に長い時間を経過させたのは、ギドラを探し出して地球まで誘導するためと、人類を疲弊させることで異星人エクシスを信頼させ、判断力を奪って生贄とするため。時間をかけてゴジラを最強の状態まで育て上げ、地球人を踏み台にすることでエクシスはかつて先祖を壊滅させたギドラの打倒をゴジラに行わせる計画だった。ついに地球までやってきたギドラはエクシス接触以前にも増した力を持ち、その猛威にさしものゴジラも劣勢。地球人一行は最後の望みをフツアの神の復活に託す。フツアの神の力でゴジラは力を増強、ギドラを倒すが、同時にすべての力を使い果たし、地球に根を張る休眠状態に入る。果たして次の復活は数年後か、それとも数万年後が・・・。人類はその限られた時間の間、地球上に再び居住することを望んだ。"

こんな感じでございました。第一作がファイナルウォーズ、第二作が東京SOSベースだとしたら第三作は怪獣大戦争かVSキングギドラベースという予想だったわけです。結果は・・・それなりに掠ってはいましたが、よく言って当たらずとも遠からず、くらいなものでした。今までは制作側の考えたSF設定にゴジラという存在を放り込んだ、な内容でしたが、今回は終始ファンタジー、精神的な独自の宗教概念のセリフが飛び交う話で、ある意味ハルオやゴジラの活躍は少なめという印象でした。一応科学的解釈で神の存在を肯定するという考え方(主に逆説を利用するようですが)はありますし、怪獣を生物ではなく土地神として解釈する話も過去に少なからずあります。ましてゴジラはその名を示す英単語は発音が狂うことを覚悟のうえで頭に"GOD"の三文字を入れたものですから、宗教的概念がSFや怪獣の描き方と矛盾するということはないです。ですが、その概念に基づく説明セリフが非常に多く、その反面ストーリーはあまり展開しませんし、ゴジラとギドラの戦いも動きの少ないもので、いわゆる怪獣バトルの醍醐味はあまりありませんでした。何よりギドラという存在を別宇宙からの干渉、というこの宇宙の物理法則も時間の概念もすべて捻じ曲げてしまう(あるいはそれすら喰らいつくす)存在として描いたためにゴジラはギドラに触っても触れることができず、ギドラはゴジラに一方的にかみついて攻撃できるという、ちょっと面白みに欠ける描き方(その割に、ゴジラの熱線だけはあえて捻じ曲げてまで接触を嫌がっていたような。当たれば通用したのかも)。セリフだけとはいえ、せっかく決戦地が聖地・富士山麓だというのにそれを活かすことはなかったのです。期待していたフツアの神も声とシルエットが特に意味なく、ファンへのサービス的に出てくるのみでちょっとガッカリ。決着も、一応ギドラは倒したものの、おそらくは現宇宙の物理法則に縛られた本体の一部とそのゲートをつぶしたのみで、完全に滅ぼしたとは言えないものでした。ただ、わたしがあの作中のギドラを推測する限り、現宇宙の"存続"と"成長"を善とする概念とは異なる別宇宙の"一つに戻ろうとする"概念そのもの、宇宙の一部が次元を超えて干渉してきた存在と言え、いくらゴジラでもそれを完全に滅ぼすことは出来ない存在だったように思うのです。何と断言できる知識はありませんが、本作は過去二作とは違い、モチーフを過去のゴジラ作品以外のところから持ってきたような気がします。

最後、ギドラという絶対的神の布教にあらがった人類は、土地神を信じるフツアの民につながる道を選びました。見方によってはこれは宗教戦争でした。そんな中、ただ一人そのどちらでもない神、ゴジラにその身をゆだねたのが主人公のハルオの描き方だったように思います。憎悪という名の敬愛を持って。最後の特攻は旧文明の痕跡をすべて消すため、ともとれる描き方ではありましたが、ハルオの信仰相手は結局ゴジラであったということだったように思えてしまいます。何回か見直せばまた別の考えも出てくるのかも知れませんが、現状ではこんなところです。
それにしても、ギドラも結局は首だけの登場で、終始ゴジラ以外の怪獣を極力名前を出すだけで姿を出さないことに徹したシリーズでした。ゴジラとその亜種以外にはっきりと全身が映った怪獣は、それこそ第一作冒頭のドゴラくらい。「怪獣映画ではなく、ゴジラ映画である」ということを狙ったのでしょうか。


これでしばらくわたし向きの映画はないなぁ。次は半年後くらいかな? フフフ。
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