録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

地雷覚悟で!Intel Arc A310のエンコード機能の実力を見る

2023-12-03 21:59:22 | 意味なしレビュー
先日チラっと書きましたが、Intel製GPU、ArcA310を搭載したグラボを買ったんです。わたしは基本GPUはほとんどCPUの内蔵しか使わないので外部を買うことは滅多にありません。買う時は特別な理由がある場合に限られます。出始めのCUDAを試したくてGeForce9800GTを買ったなんてのがその例です。最近はFluid Motion Video環境確保のためにRADEON RX 550あたりばかり買っていたのですが、気が向いてIntel製が使いたくなったので手を出してみたのです。ちなみにIntelのGPU搭載グラボを買ったのは初めてですね。昔i740が出た時はイメージが悪くて買わなかったので。購入したのはASRockの Intel Arc A310 Low Profile 4GB。A380の時も買おうか迷ったのですが、補助電源不要でかつセミファンレス動作が可能なASROCKのこれにしました。ちなみに現在Amazonではわたしが買った時よりかなり高額で売っているのでPCパーツ専門で検討するのがおすすめ。

年末なせいか、ちょっと金遣い荒くなってきたなぁ。しばらく自粛しよう。

このGPUを買った理由は一つ、動画のエンコード機能を試したかったからです。今後主力となる可能性のあるフォーマットのAV1機能はもちろん、内蔵GPUと比べてどの程度速くなるか、またIntelCPUと組み合わせれば内蔵のエンコーダーとリンクさせることで速度を上げることも可能と聞いていたので、それも試したい。なので、手元の

CPU:Core i7 12700
MOTHER:GIGABYTE B660M D3H DDR4
MEMORY:DDR4-2666 16GB(8GBx2)
CPUクーラー:IS-40X-V2
OS:Windows11

なPCで試してみます。ソフトは最近AV1への対応を高めているHandBrake。エンコード元はいつもの約49分の1440x1080のMPEG2-TSを、いつもの設定ビットレート4000Kbps。いい加減こんなにビットレートを高くする設定はやめようかと思うのですが、今回は過去の例と合わせるのを優先します。
まずはH.265/HEVCを、速度はbalanceedとQualityでやってみましょう。今回はQSVのみエンコードを行います。

balanced 4分56秒
quality 5分32秒

続いてAV1
balanced 5分01秒
quality 5分26秒

速度はほぼ似たようなものですね。ちなみに内蔵GPUでやるとどうの程度の速度になるか、も書いておきましょう。こちらはAV1は使えないのでH.265/HEVCのみ、かつqualityのみ計測してみました。これ以降は全部Qualityのみです。

5分15秒

・・・・・・・・・えー、なんか内蔵の方が若干ですが速いんですが。これはちょっと意外でした。ただ、内蔵の方が当然CPUやメモリと位置が近いのでデータ転送のロスが少なく、エンコーダーの性能が同程度ならこういうことがあっても不思議ではないですね。もっと上級のGPUを使ったものやV-RAMの容量が大きければまた違うでしょうが。
さて、次は期待の内蔵・外部連携エンコード。HandBrakeではQuickSync Deep Hyper Encodeという項目をチェックすればできるらしいです。

H.265/HEVC 5分9秒
AV1 5分15秒

おお、上がりました! しかも内蔵より速い!! 内蔵と比較すると若干の上昇にすぎませんが、A310単独と比べるとH.265/HEVCの方が5分32秒→5分9秒となっており、これは結構バカにならない速度アップです。肝心のAV1があまり変わっていませんが、内蔵がAV1に対応してないから仕方ないですね。

で、このAV1ですがね、間違いなく低ビットレートでは非常に圧縮率が高く、ハードウェアエンコードの常識を覆しかねないほどの画質を見せます。ビットレートを1000Kbpsまで落とし、H.265/HEVCではボロボロのブロックノイズだらけになる意地悪な映像を使ってみたのですが、多少崩れる程度で勝負にならないほど画質を保って見せてくれました。あくまでわたしの判断では、の話ですが、数十倍の時間をかけてx265でじっくりとソフトエンコードしたH.265/HEVCにも引けを取らないでものに見えました。正直ソフトエンコードなんてやめて今後はAV1を使ってQSVでみんなやってしまおうか、とちょっと思ったくらいです。しかし、Intel Arc A310には大きな欠点があります。それはresizable barを無効化すると性能がGeForce/RADEONと比べても大幅に下がるという点です。それだけならまだいいのですが、そのせいか、わたしの環境ではいくらやってもresizable barを無効化することができませんでした。もちろんAbove 4GB関連も二つありましたので無効化設定にしたのですが、再起動すると全部有効に戻ってしまいます。ひょっとしたらIntel Arcがささっているときにはresizable barが無効化できないようなBIOSになっているのかも知れません。ご存じの通り、resizable barが有効になっているとチューナーボード、PT3が使えなくなってしまうため、マザーボードによってはA310はPT3と
併用が出来なくなってしまいます。つまり、せっかくの高速高画質エンコード機能も使い道がないのです。resizable bar無効化でエンコードを試したかったのですが、それもできませんでした。
わたしの場合、この12700PCで使っているチューナーがPT2なので併用はできます。なので買った甲斐はそれなりにあります。が、PT3を使っていう人はやめておいた方が無難です。正直今回購入したグラボは性能よりもあるべき姿に触れたくて買ったものです。内蔵GPUと外部GPUが連携して処理を行う、これは在りし日にAMDがAPUの未来像として語った姿です。結局大した姿は見せずにAMDはAPU路線を縮小し、代わりにIntelがやってくれました。劣勢になるとこういうことがやりたくなるのか・・・という藻掻きが感じられなくもないですが、わたしは支持したいですね、大いに。

追記:
手持ちのもう一つのIntelシステム、Core i7 11700環境でresizable barを切った状態でA31を動作させることが出来ましたので、HandBrakeでエンコードテストをしてみました。ただ、このシステム、なぜかHandBrakeとの相性がイマイチで少し遅く、特にH.265/HEVCをQSVでエンコードするのがうまくいかないことがしばしばあるため、AV1のみテストしました。あくまでresizable bar有効無効の差だけ参照してください。ちなみにresizable barを無効にした状態で起動すると、Intelのコントロールソフトから注意勧告が出ます。

resizable bar有効
7分36秒
resizable bar有効+Deep Link
7分25秒
resizable bar無効
33分43秒
resizable bar無効+Deep Link
24分43秒

resizable bar無効にした時の性能の落ち込みのえげつなさ・・・。代わりにDeep Linkの効果が劇的に出ていますが、それを入れても差がありすぎます。環境によっては全く違う結果が出ることもあるでしょうが、それでもPT3を使っている人はIntel製外部GPUの導入はエンコード専用としてもお勧めできません。

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なぜ悪いタイミングというのは重なるのか

2023-06-10 11:16:02 | 意味なしレビュー
不思議なもので一度悪い、と言っても都合が悪い程度の「悪い」の意味ですが、こういうことが起こるというのは連鎖するのでしょうか。ただいまわたしのメインPCであるRyzen 7 7700x搭載のPCでその連鎖が起こって安定動作に四苦八苦しています。

ことの発端は先月の東京行き。東京へ行くと必ずやらなければ、という義務があるわけでもないのですが、ついやってしまうのがHDDの購入。どうせ大量に必要なのに、なぜか地元では買う気が起きないのがわたしにとってのHDDなんです。なのでここ数年東京に行くのが憚れた時期はあまり買っていなかったのですが、逆に短時間でも秋葉原によったらHDDは吸い寄せられるように購入したくなっちゃうんです。せっかく来たんだしおみやげ代わりになにか買い物をしたい、でも今確実に欲しいものとなると・・・と言うことでHDDなんですね。東京みやげに買う、という習慣が身に染みてしまったからこそ地元じゃ買う気がもう一つ起きないんでしょうけど・・・。で、もういい加減限界を感じていた7700xPCの3TBのHDDを買ってきた8TBに交換したんです。するとWindowsが起動しない・・・。どうもこの3TBHDD、長年使っている間にOS起動に必要なファイルの保存場所になっていたみたいです。なので一度前のHDDに戻してOSを起動させてファイルの全部コピーを先にやり、新HDDを旧3TBHDDのドライブ番号に変更して再起動したら、自動修復が入ったのち無事OS起動。いや面倒な再インストールせずに済んでよかった。
と、この時は思っていたんです。数日もしないうちに起動ないしスタンバイからの復帰の際にマウスとキーボードが認識されない、という現象が起き始めました。何度か抜き差しすれば再認識するのでそこまで深刻に考えていなかったのですが、すぐにもっと深刻な問題が。それはスタンバイからの復帰時に高確率でデバイスエラーを引き起こし、再起動もしくはシャットダウンを勝手にやってしまうという現象です。体感上その確率は1/2くらい。このPCは124/128度CSの録画担当でもあるので安定してくれないと困るのです。ただ、エラーはあくまでスタンバイからの復帰時のみなのでスタンバイに入らず起動しっぱなしなら余計なエラーが発生することはありませんでした。なのでそうやって運用していたのですが、それだと低負荷時の消費電力がmyPCズの中で一番高いRyzen 7 7700xを常時起動の録画サーバーにするのは不都合。うーん、面倒だけど他のPCにCSチューナーを付け替えるか? 
と、考えていたのですが、この原因はすぐに判明しました。アップデートのKB5026446だったのです。これはあちこちで不具合報告がなされている大型アップデートファイルですが、その不具合報告の内容とわたしのPCでの不具合が異なっていたのですぐに気が付かなかったのです。KB5026446をアンインストール、これでスタンバイ復帰からのデバイスエラーは起きなくなった・・・のですが、相変わらずマウスキーボードの認識は悪く、かつ電源オフからの起動や再起動直後くらいに、体感上1/10くらいの確率ですがディスプレイの描画が止まってしまってしばらく待つとOS丸ごと再起動、ということが起きるようになってしまいました。一度完全起動すればそのあとは安定しますが、これはKB5026446をアンインストールしても完全には消えておらず、なにかしら不安定の要素が残っているから、と勝手に推測して以前の状態に回復させようとしたのですが・・・。なんとKB5026446インストール以前の回復ポイントは先のHDD交換以前のものしかなく、回復させると再びOSが起動失敗するように(泣)。これは他の手段で安定を・・・といろいろやっていると、マザーボードの新BIOSが出ているじゃありませんか、それも正規版の。ここ最近ベータ版のBIOSばかりアップされていたのでそれは敬遠していたんですが正規版なら今より安定するかも・・・と、よせばいいのにその時のわたしの心境は「藁をもつかむ」だったのでBIOSのアップデート。もちろんアップデート自体は成功しましたよ。しかし、電源オンから先へ進まなくなりました(泣)。起動はするのですが、UEFIのセットアップ画面に移行しようとDELキーを押すと「Entering SETUP」の文字は出るもののそこから先へ進みません。もちろんUEFIの設定を変更しないとOSがまともに起動しないので二進も三進も行きません。いっそBIOSをもとに戻そうか、とも思ったのですがBIOS更新モードにもうまく入れません。もうどうしようかと半泣き状態でした。
これ、原因はBIOSでもPCでもなく、切り替え機でした。わたしは複数のPCを使うためにディスプレイとキーボード・マウスを切り替え機で共有しているのですが、7700xをつなげているUSBの接続箇所のみ、劣化が始まっているのかマウスとキーボードに十分な電力が供給されていないみたいで、最初のDELキーによるSETUPの時は認識されてもそのあと認識が外れ、マウスとキーボードをPCが探しているのでUEFIに入れない、そういう話だったみたいです。他のトラブルとたまたま同時期に起きたというだけで無関係なトラブルだったんですね。とりあえず、一番電力供給能力の高いUSB3.2のコネクタに差し替えることで(3.0ではダメでした)なんとかUEFIに入ることも起動もOSの成功、起動直後の勝手な再起動も今のところ起こっておらず、なんとか安定しました。USB3.2は余ってるし、とりあえず放っておいても・・・と思ったのですが、劣化が始まっているのが明らかな切り替え機を継続して使うのも後が怖い、ということで別のものを注文しました。最近金使いが荒いな4日に一回くらい何かしら通販でものが届いている状況です。

と、トラブルがたまたま連続で起こると何が原因が分からなくなってオタオタします。本当は常に万が一を考えた対応をしておくのがいいんでしょうが、そこまで全部やってられないですよねぇ。
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AI搭載型じゃない? Steam版ポートピア連続殺人事件「THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」

2023-04-28 10:40:08 | 意味なしレビュー
登場してから時がたち、内容は知らなくても犯人だけは知られている推理ゲーム、「ポートピア連続殺人事件」が「THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」のタイトルでSteamで配信が始まっています。なんでも相棒のヤスへの命令がAIを使うことでより自然な会話に近い形で行えるようにした実験的ソフトで、キーボードから命令を直接入力する方式を採用、しかもCUDA対応のGPUを持っていると音声入力でもできるとか。CUDA対応GPUというのはようするにGeForceなのでわたしはこの機能は使えませんが、ゲーム自体はSteamのアカウントさえ持っていれば無料で遊べるということなのでわたしも落としてみました。ただ、ざっとニュースサイトを眺めてみたところ、プレイヤーからの評判はあまりよろしくない、というか最悪に近いようにさえ見えます。実際どうなんだろうとプレイ。
シナリオはファミリーコンピュータ版をほぼそのまま使い、現代風のアレンジなど一切やらずに作った内容で、わたしはそちらのプレイの経験があり、ある程度展開は頭に残っていたのでクリアまで持っていくことができましたが、現代の常識からするとあり得ない行動を要求する部分も多々あったり、ヒントとして画面内に「何かある」ところが光る処理がされているんですがわかりづらくヤスが邪魔でよく見えなかったりで、全く知らない状態でプレイしたらクリアは無理だったでしょう。さらにヤスの対応はAIで処理しているとは思えないほど正確なコマンドを要求するもので、確かに事前の情報から感じるものとは異質でした。もともとレトロPCで動いていた「ポートピア連続殺人事件」のウリの一つが多少曖昧な言い回しのコマンド入力を行ってもヤスが対応してくれることだったので、それがAI化でどこまで進化したかが注目の一つだったのですが、少なくとも多くの人が思っていたこととは違います。わたしが聞きたい人物の情報を調べたり尋問したりするのではなく、全く別の人物のことを語りだすのは当たり前。コマンドの内容に逆らって勝手に場所を移動したりもします。このヤスの応答ぶりはAI≒人工知能というより「人工無能」を連想させるものでした。あったんですよ、その手の言葉で呼ばれるAIモドキを搭載した会話ゲームが。確か一部ワープロソフトのオマケ機能にもあったはず。ヤスはAIはAIでも人口無能だ、と悟ったあたりから結局このゲームはコマンド探し、微妙な言い回しの違いで解決コマンドを探し出す類のゲームなんだと開き直ってプレイすることにしたら、結構進み方のコツもわかってきてそれなりに快適になってきました。必要なコマンド、そのヒントは必ずどこかにあります。ヤスのセリフの中だったりマニュアルを参考したらだったり、あるいはニュースサイトの記事の中に、なにかしらヒントはありました。人間からすればコマンドAとBの違いなどどこにあるのかさっぱり分からない類のものを要求されますが、無事新しいセリフを引き出したときはガッツポーズものでした。気が付くとちょっと手首が痛くなり、腱鞘炎になるりそうなほど夢中でコマンドをたたき続けていたものです。
なのでM体質でかつ昔のソフトの経験のある人でないとクリアは難しく、楽しめないかと思いますが、無料なので気軽に手を出してもいいでしょう。難しいと言ってもFCベースなのでレトロPCよりは簡単ですしね。ちなみにわたしと同じでFC版の経験のある友人は「コマンド選択式じゃないと無理」と投げ出したそうです。
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全ユーザーの99.9%に関係ないTMPEGnc MPEG Smart Renderer 6が止まる場合の調整方法

2023-01-18 22:12:56 | 意味なしレビュー
だいぶ前に長年使い続けてきたTMPEGnc MPEG Smart Renderer 4がWindows11の22H2で使えなくなったことをキッカケに6に買い替えたことを書きました。なんだかんだでH.265が扱えるのは便利です。多重化もアスペクト比変更もできるので後で調整もできますし。

しかし、実は困ったことも起きていました。この6を一番使いたかったCore i7 12700機で動作させると、もちろんちゃんと起動するんですがサーチバーをスライドさせると止まってしまうという現象が起こっていたのです。シークバーをスライドさせず、クリックのみで呼び出したり、下部のスライド部分を操作して頭出しすることで代用はできましたが、これでは快適な動作とは言えず、結局それでは使わずにRyzen 7 7700x機で使っていました。こっちは問題がありません。ちなみにCore i7 11700機でも12700と同じでシークバーのサーチ時に止まる現象が起こっていたので、てっきりIntel HD Graphicの不具合だと思い、ディスプレイドライバが新しくなるたびにインストールしなおして試していたのですが解決せず、半ばあきらめていました。

しかし、先日ちょっとした不具合が起きた時にその原因が判明しました。実はIntel HD Graphicは全然悪くなかったようです。先日12700のOSが壊れて一から入れなおした際に試しに6をまった入れてみたところ、なんと無事にシークバーによるスライドができたではありませんか。喜んで残りの環境整備をすませたところ再び止まるように・・・。動いた時の環境と動かなくなった環境の違い、かつこの手のソフトに関係がありそうなもの・・・としてさしてあってもディスプレイとはつなげていないRADEONをデバイスマネージャーから無効にして再度6を実行してみたところ、シークバーをふくめて完璧に動作しました。つまり原因はRADEONだったのです。前に動いたときはRADEONのドライバがまだ当たっていないだけでした。原因がわかったのでいろいろ試してみたのですが

Intel接続+RADEON非接続=動作しない
RADEON接続+Intel非接続=動作する
Intelメイン接続+RADEONサブ接続=動作する
RADEONメイン接続+Intelサブ接続=動作する

とこうなりました。おそらく6がシークバーを使う際にRADEONが刺さっていればそこを優先してディスプレイ出力をしようとする、という動作を行うようになっているのでしょう。なのにつながってないから止まってしまう、ということだと思います。
普通はIntel機でもRADEONをさしてあればRADEONで出力を行いますからこうした不具合は起こりません。が、稀にわたしのように内蔵を使いたがり、かつRADEONをFluid Motion Videoの出力のためだけに挿す、という面倒くさいつなげ方をしているやつだけ余計な事をしている分こうした問題が起こりやすくなるわけです。知っている人は知っていますが、GCN世代のRADEON特有の動画再生機能であるFluid Motion Videoは対応のRADEONが刺さってさえいればそこからディスプレイ出力を行わなくても動作させることができます。なのでもう古くてエンコード作業にも使えなくなったRADEONをFluid Motion Videoレンダリング専用として活用できるわけです。内蔵GPUを使っているにも関わらずいまや貴重な拡張スロットを一つ使ってしまう欠点はありますが・・・。わたしがマザーモードの拡張スロットの数にこだわる大きな理由がこのFluid Motion Videoにあります。

なので解決方法は二つ。一つは出力をRADEONにしてかつIntel HDをエンコード専用チップとして活用する方法。もう一つはRADEON側にもディスプレイを接続する方法です。別にディスプレイをもう一つ用意しなくても、普段使っているディスプレイの余っている入力端子とつなげればいいのです。デフォルトだとマルチディスプレイ化してカーソルやウィンドが映っていないディスプレイ側に飛んでしまうので不便ですが、クローン出力に切り替えてしまえば問題なしです。今までより少し消費電力は増えてしまうでしょうが、実用性の方が大事ですのでそこは目をつぶりましょう。
Intel HD+RADEONではこの現象が起こりましたが、Ryzen 7 7700xの内蔵+RADEONグラボだと止まったりはしません。どっちもRADEONですからね。出力が内蔵ではなくGeForceやIntelArcだったりしてもこの現象が起こる可能性もありますが、持ってないのでわかりません。さしてあるだけグラボがRADEONでもRDNAだとまた違うかも知れませんが、RDNAはFluid Motion Video非対応のGPUなので挿すだけ活用する意味はないかと。

と、いうわけでおそらく全ユーザーの99.9%、あるいはそれ以上の確率で起こる環境を持っていないTMPGEnc MPEG Smart Renderer 6での問題点とその解決方法でした。7700xでのカットはAuthorで十分だな。
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Ryzen 7 7700xはなぜ不人気なのか?を性能で探る

2022-11-14 15:13:17 | 意味なしレビュー
Intelの第12世代はもちろん非常に近い間隔しか空かずに登場した第13世代Coreと比較され、どうにもパッとしない印象しか持たれていないAMDのZen4を搭載した新CPU、Ryzen7000番台。ミドルクラスを担うRyzen7 7700xとRyzen5 7600xに至っては早くも減産の噂すらささやかれているのが現状です。しかし、この手の評価は必ずしも絶対ではないのが世の常。なのに世間的な評価・レビューの様は、やっているところはたくさんあっても中身は同じ、というところばかり。欲しい性能チェックをしてくれるところがないのなら自分でやるしかない、ということで買ってしまった不人気CPUのRyzen7 7700x。わたし流の偏ったやり方で評価してみることにしましょう。買う前は価格の高さにさんざん悪態ついてきましたが、いざ目の前にその品物がおかれるとむしろいろいろ試したくてムズムズしてきます。世間的評判が悪いほどやる気が出る、M体質のわたしであります。
わたしの欲しいデータとは、もちろん動画エンコードでの能力かつ、わたしが使う環境に近い条件で、です。他は気にしません。

今回用意した機材は以下の通り

CPU:Ryzen7 7700x
MOTHER:MSI PRO B650-P WIFI
MEMORY:Corsair DDR5-5200MHz VENGEANCE 32GB(16GBx2)
CPUクーラー:虎徹MarkII
GPU:内蔵
OS:Windows11

せっかくなのでメモリもAMDの推奨するAMD EXPO対応にしてみました。以下はこのシステムを「7700x」と呼称します。また、相対的評価を見るため、これまでのわたしの手持ちで最速であるこちらを比較対象として使います。

CPU:Core i7 12700
MOTHER:GIGABYTE B660M D3H DDR4
MEMORY:DDR4-2666 16GB(8GBx2)
CPUクーラー:IS-40X-V2
GPU:内蔵
OS:Windows11

以下は「12700」と呼称。以前は比較対象がZen3のRyzen 7 5700Gと言うこともあってデフォルトだと発熱が大きすぎるという理由で本来のPBPである65Wで動作させてデータを取っていましたが、今回はZen4なので制約を取り払い、PBPもオートで行きます。CPUクーラーには少し差がありますが、「CPUクーラーはリテールより少し上」を想定しています。7700xにはリテールはありませんのが過去のRyzenにはそこそこの性能のリテールクーラーがありましたので虎徹あたりがちょうどいいかと。IS-40X-V2も12700付属のリテールクーラーを上回る冷却性能を持っているのは確認済みです。
もっと大きいのはメモリでしょう。DDR4とDDR5の違いがあるとは言え、単純速度差が約二倍です。ただ、Coreは未だにDDR4環境で使う人が多いと思いますので参考にならないと言うことはないと思います。まぁ一番使っている人が多いのは3200とかだと思いますが、うちのシステムはなぜか2666までしか安定しないのですよ。なので多少性能が下回ることはあります。
容量の差も大きいですが、編集ソフトの頭出しとかは容量が大きい方が快適ですがエンコード作業そのものは元動画の容量がそれほど大きくないこともあって、差は生じないかと思います。ボチボチ32GB環境に移行したかったですし、比較になることを優先して自分の環境を抑えるようなことはしたくなかったので。そこらへんはご了承ください。

元動画はワンパターンのMPEG2-TS、1440x1080で約49分の、わたしがベンチマーク替わりに使っているものを使用します。エンコードソフトは、とりあえず無料のエンコーダーとは言えば、のHandbrake1.5.1と、有料ソフトの代表格TMPGEnc. Video Mastering Works 7(以下TMPG)。AVX2を無効に出来るので検証には欠かせません。Xmedia Recordでも出来ますが、なんか挙動が他と違うんですよねぇ、あれ。エンコード先はx264を使ったH.264/AVCとx265を使ったH.265/HEVC。これをVBR4Mbpsに1Passで変換します。なお、H.264/AVCは「Very slow」ないし「とても遅い」を使っていますが、H.265は時短と手抜きで「Slow」「やや遅い」に落としています。あらかじめご了承ください。Handbrakeのフレームレートは「Same as source」および固定にしています。あとは原則デフォルトのまま、変換元とエンコード先は同じHDDにしています。

7700xはTDPは105W。だいぶリミッターを外しているとのことだったのでいざ動画エンコードとなるとどのくらいのワット数で動くか、とちょっと心配していたら、初期ブースト時で130W強、大半の動作では115W前後でした。あまりTDPとの差はない感じです。ただ、それでもCore temp読みでCPU温度がほぼ95度!だったので、虎徹の冷却能力がそのくらいのワット数しか耐えられない、ということなんでしょう。11700は初期ブースト165WくらいでPL1に落ちた時は125W前後、温度は90度強です。両者とも近いワット数で、かつCPUやマザーボードメーカーの想定内で動作していると言えます。電源プランはどちらもバランス。AMDにはRyzen Balancedという専用プランが用意されているはずですが、選ぶことが出来ませんでした。チップセットドライバに付属してくるそれっぽい実行ファイルも使ってみたのですが出なかったので標準バランスにしてあります。
さて結果は。

7700x
Handbrake
H.265 54分43秒
H.264 28分27秒
TMPG
H.265 54分16秒
H.264 21分14秒

12700
Handbrake
H.265 1時間4分42秒
H.264 30分14秒
TMPG
H.265 1時間5分40秒
H.264 28分09秒

・・・速くね?

圧倒的、とまではいいません。特になぜかHandbrakeのH.264の時はなぜか7700xはスコアが伸びない不思議があります。が、他は12700をかなり引き離しています。概ね12700が64分かかる作業を54分で終えているので20%ほども速いことになります。


続いて拡張命令をテスト。Zen4の改良点としてAVX512に対応したことがあります。一方、Intelは第11世代では対応していたAVX512を第12世代では途中から使えなくなるようBIOSを書き換えてしまいました。それがどうでるか、TMPGでAVX512と、ついでにAVX2も切ったテストもやってみます。なお、数値には最初に載せたフル状態のデータを並べて載せ、比較しやすいようにします。

7700x 
AVX512切
H.265 (54分16秒)→54分52秒
H.265 (21分14秒)→22分10秒
AVX2切
H.265 (54分16秒)→1時間8分43秒
H.264 (21分14秒)→22分40秒

12700
AVX2切
H.265 (1時間5分40秒)→1時間15分51秒
H.264 (28分09秒)→28分09秒

AVX512の方は、影響がないとは言いませんがH.265の方は微々たるものですねぇ。またしばらくIntel系CPUではやはり不人気の第11世代Coreしか当面AVX512は使えないという状況が続くため、今後もAVX512をフル活用したエンコードエンジンの開発には期待できません。一般ユーザーへの影響力は少ないでしょうね。AVX2への依存度はいつの間にかすっかり高くなっており、あきらかにIntel系と比べても無効化した時の性能落ち込みは大きくなっています。Zen4改良点のポイントの一つに、おそらくAVX2の改良があるのでしょう。AVX2を切った方が速いくらいだった初代Ryzenと比べると隔世を感じます。


7700xの性能が高いことは分かりました。しかし、エンコード中のCPU温度は95度。これは自分としては安心して使えない高温です。一応解決策の一つとして、AMDで用意している純正OCツールであるRyzen Master。この中に「Eco mode」と言うのがあり、このモードを使うことがあります。試しにやってみましょう。エコモードにすると初動時のブーストはなくなり、常時90Wくらいの電力で動作するようになります。Ryzen Masterのメーターによると最大は88Wとされていますので、高負荷時には若干誤差が生じているのでしょう。特筆すべきはCPU温度で、ほぼ75度に張り付きになります。これは十分安心して使える温度です。これで速度差が少なければ最高です。12700もPL1のワットを90Wにしたものも試してみました。こちらはCPU温度が70度強でむしろ7700xよりも少し低めです。

7700x(Eco)
Handbrake
H.265 (54分43秒)→56分10秒
H.264 (28分27秒)→29分36秒
TMPG
H.265 (54分16秒)→55分29秒
H.264 (21分14秒)→22分55秒

12700(90W)
Handbrake
H.265 (1時間4分42秒)→1時間10分27秒
H.264 (30分14秒)→32分13秒
TMPG
H.265 (1時間5分40秒)→1時間11分32秒
H.264 (28分09秒)→29分27秒

最高です!! 落ちてはいますが、精神的に安定して使えるCPU温度という点を加味すれば誤差の範囲に毛が生えた程度と割り切れる性能の低下でしかありません。ただ、エコモードはあくまでソフトで実行するモードでしかなく、再起動時はもちろん休止状態からの復帰でも解除されてしまうことがある弱点があります。これを常時標準状態で使いたい・・・と少しUEFIから弄ってみることにしましょう。
Ryzenは、少なくとも7700xはTDPを弄ってもほとんど無視されてしまいます。ので、候補は二つ。TjMAXをAutoから変更してエコモード相当の75度にするか、MAXのワットであるPPTを弄って88Wにするか、です。エコモードとの差も併記します。

TjMAX75
Handbrake
H.265 (54分43秒)→(56分10秒)→56分13秒
H.264 (28分27秒)→(29分36秒)→29分22秒
TMPG
H.265 (54分16秒)→(55分29秒)→55分19秒
H.264 (21分14秒)→(22分55秒)→22分36秒

PPT88W
Handbrake
H.265 (54分43秒)→(56分10秒)→55分31秒
H.264 (28分27秒)→(29分36秒)→29分36秒
TMPG
H.265 (54分16秒)→(55分29秒)→55分02秒
H.264 (21分14秒)→(22分55秒)→22分15秒

事前の予想としてはPPTを固定した方が性能は近くなるんじゃないかな? と思っていたのですが、実際計ってみるとTjMAX75制限の方が近い性能になりました。エコモードは単純にワット数を制限しただけのモードではなく、もうちょっと動的に調整しているのかも知れません。TMPGでの性能はPPT88Wの方が高いですが、これは時折80度程度までCPU温度が上がるためです。と言ってもほとんどは75度前後で推移しているので、十分精神的に安心して使える温度です。わたしはPPT88W制限状態を通常状態として使おうと思っています。Handbrakeは挙動がことなりますが、H.264動作が遅いなどちょっと怪しい部分があるので、TMPG優先の方が良いと判断しました。
AMDとしてはちょっと電力を盛る方が標準で、抑えるのは特別モードとしているようですが、わたしは普段抑えて、テストで必要な時など使うときだけ電力を盛るという使い方をしたいのです。Ryzen Masterでそれっぽい機能があるようなので、うまく調整して使いたいものです。なのでAMDさん、Ryzen MasterのOC項目のデフォルト値をMAXにしておくのではなく、CPUのデフォルト値にしておいてください。


Zen4の特徴の一つがメモリのDDR5対応です。今回ちょっとお金を出してAMD EXPO対応を買ってみたのですが、果たしてそれだけの効果はあったのでしょうか? メモリの速度、ましてAMD製プロファイルくらいじゃ差は微々たるものなんじゃないか・・・とちょっと怖い面があったので、これも調査しましょう。なお、今までの調査は全部EXPO有効です。

EXPO無効
Handbrake
H.265 (54分43秒)→59分05秒
H.264 (28分27秒)→28分59秒
TMPG
H.265 (54分16秒)→56分58秒
H.264 (21分14秒)→21分45秒

H.264は大したことはないですが、H.265に関してはかなり顕著に影響します。少なくともEXPO対応メモリを買って、有効にした方が後悔はしないと思います。逆を言えば、7700xの性能は高速で素性の良いDDR5メモリあってこそ、と見ることもできます。


ちなみにここまで7700xと12700だけを見てきたのでちょっと感覚がマヒしていると思います。他の旧世代CPUと比べてどうなのか、Zen3のRyzen7 5700Gの条件を同じにしたデータも比べて掲載します。

5700G
Handbrake
H.265 1時間23分42秒
H.264 42分12秒
TMPG
H.265 1時間23分45秒
H.264 32分46秒

最初は5700Gのデータも併記しようと思っていたのですが、差がありすぎるのでやめました。比べると12700でも消費電力や発熱を考えなければ非常に高速で動画エンコードが出来ることが分かります。抑えてもそれを数段凌駕する7700xが優秀過ぎるだけなのです


と、性能と扱いやすさを見てきましたが、どう見ても7700xは大変優れたCPUとしか思えません。ならば世間の不評はどうして起こっているのか。原因はおそらく冷却にあります。
YouTubeでのレビューを見てみると、ほとんど例外なく環境はオープンフレームに基板をむき出しにした状態で装着し、ファンを3つも搭載した排気クーラーで排熱する水冷クーラーを、ケースの裏にぶら下げるかそこらへんに立てかけたような状態で使っています。みんなそうだということは、おそらく世間的にも多くのPCユーザーがそうした状態か、あるいはわたしが忌み嫌っているドライブ類の搭載スペースをとっぱらったケースで、容赦なく冷却しながら使っているんでしょう。そういう使い方だと伸びがCoreの方がよく、Ryzenの方はあまり伸びないということではないでしょうか。一方わたしはドライブ類がたくさん入るケースに入れ、ほどほどの冷却性能だが安くて音もうるさくならない、昔ながらのシステムを使っています。もはやこうした少数派に属するような使い方だと一切考慮されず、それを想定した製品だと世間的な評判は悪いということなんでしょう、多分。
以前はZen4に対抗するために第13世代Coreのi7、Core i7 13700か相当品が出たら買おうか、と考えていたのですが、今はその考えは薄れています。わたしの環境で試した場合、おそらく7700xを超えることは無理だと思われるからです。第13世代は第12世代のマイナーチェンジで、キャッシュメモリを増やす・クロックを上げる・Eコアを増やすで強化したCPUです。が、製造プロセスは全く変わっていません。それでは、わたしの使うような限られた冷却性能しか用意しない環境で性能を発揮できるとは思えないのです。一応、CPUクーラーは12700で使っているものよりは大きくて冷却できそうなものを余らせているので仮に13700を使う時は大型のケースでそれを使う予定ではいるのですが。
ちょっと試してみた12700のテスト結果です。ワットはAutoでですが、Eコアを無効にし、12コア20スレッドから8コア16スレッドに落としてあります。

Handbrake
H.265 (1時間4分42秒)→1時間11分02秒
H.264 (30分14秒)→36分16秒
TMPG
H.265 (1時間5分40秒)→1時間10分52秒
H.264 28分09秒→31分52秒

コアが4つも減ったわりに、特に重い作業であるH.265での落ち込みが少ないとは思いませんか? 理由はいくつかあると思いますが、目に見えてわかる理由が一つあります。Pコアのクロックが上がったことです。125Wで動くPL1状態で、Eコア有効時はCPU温度は90度強でクロックは4GHzいくかいかないか、くらいの推移でしたがEコアを無効化するとCPU温度は90度台後半で、100度になることもしばしばあり、常時4GHzを超え、4.4GHz程度まで上がっています。それがEコア無効を補った理由の一つとみて間違いないでしょう。125WではEコアに電力をとられ、Pコアのクロックをさばき切れないのです。空冷CPUクーラーを使うとマザーボード側でPL1を125Wに設定するものもあると聞いています。無理やり設定を変えることももちろん可能ですが、安定動作には不安が残ります。第13世代Coreは製造プロセスを変えずにクロックを上げるだけでなく、Eコアも増やしてきました。Eコアは電力効率の良さを優先したコアではありますが、消費電力をマイナスにする効果はありません。なのでEコアが増えるということは、Pコアに割り当てる電力がそれだけ減るということです。製造プロセスを微細化して強化しているならともかく、多少の改良程度では4コアでも足を引っ張る部分のあるEコアを8コアも処理してなおクロックを上げる、という芸当が出来るとはとても思えません。まして7700xは今のCoreよりも低い電力と熱のモードにしても5GHzという高いクロックで動き、少なくとも12700を凌駕する性能を出しているのですから・・・。これはTSMCの5nmという先代以上に微細化された製造プロセスが使えたゆえの効果でしょうね。もし13700と言えどもそれ以上の性能が出せる場面があるとしたら、レビューワー並みの冷却性能が必要になるでしょう。
Intelは「ケースを捨てろ、ドライブ搭載もあきらめろ、そのスペースを巨大クーラーに充ててストレージはM.2.だけ使え。そういう方向に来ることが出来る、選ばれたユーザーだけがi9はもちろんi7も使う資格がある」という方針なのでしょうか? まぁそれが今の主流だから仕方のない話なのかも知れません。一方AMDは、少なくともRyzen7においてはもはや少数派となった従来型のPCの使い方を想定したCPUになっています。もともと電力を大幅に消費してクロックを上げようという作りにはなっていないでしょう。一見プラットフォームを変えて従来ユーザーを切り捨てにかかったかに見えるAM5を採用したAMDですが、実際には従来型も配慮した製品になっているのです。ゆえに新環境に移行してしまったレビューワーにはウケが悪いのでしょう。


ただし、だからと言ってAM5が手放しでほめられるかというとそんなことはありません。欠点はいくつもあります
1.起動が遅い
初回起動時は遅い、と聞いてはいました。が、二回目以降もやっぱり遅いです。電源ボタンを入れてからVGAの電気が通るまででもかなり時間がかかるのに、入ってからもこれまたOSの起動が始まるまでが遅い。M.2.SSDはマザーによってはPCI-E5.0に対応していますが、いくらOSの起動が速くてもBIOSの起動がこんなに遅くては意味なしです。数年前、Kaveriのころは起動が速すぎて(しかもこのころはSATAのSSDが主流でした)UEFIの設定画面に入るのが困難なので、マザーボードには再起動時に自動的にUEFIに入る専用ツールがついていましたが、あの時代はどこへ行ったのでしょうか
2.やっぱり価格が高い
極端な円安もあります。DDR5メモリもまだ量産による価格の下げの効果が薄くて高価です。少なくとも海外市場でのCPU価格は頑張っていると思います。それでも日本ではシステムをそろえるのに掛かる価格が高すぎます。わたしだって今回割引キャンペーンがなかったら絶対買っていません。
3.碌なマザーボードがない
今回買ったPRO B650-P WIFIはまさに救世主でした。あまりにひどい、拡張スロットもSATAも全然ついていないのに高い、そんなマザーばかりのラインナップにウンザリさせられたのも一度は買う気をなくした理由の一つです。もっとも、これはAMDがチップセットが直接サポートするSATAの数を減らしてしまったことも原因なので、マザーボードメーカーばかりを責められませんが。一方、Intelもそうしたラインナップが目立つものの、各社拡張スロットが4つや5つあり、かつSATAが6つどころか8つあるマザーボードもちゃんと新チップセットで発売しています。ちょっと前まではマザーの選択肢でもAMDとIntelの差はなくなったと感じていましたが、今はマザーボードの良さを優先するなら断然Intelです。
4.アイドル時の消費電力が高い
7700xは何もしていなくても高クロックで、だいたい20W超え・低くなっても16Wくらいは絶えずキープしていたようです。12700は負荷がなくなるとすぐにワットが一桁、それも瞬間的に前半まで落としてくれます。これがEコアを付けた良さなんでしょう。5700Gもそこまでではないけれど放っておけば一桁くらいまでは落ちます。高負荷時のワットパフォーマンスは優れる7700xですが、録画時のように何もしない時間が多い使い方まで考慮すると必ずしもいいとは言えません。
5.GPUがなんとなく不安定
これは個体差もあるかも知れません。Zen4から単体CPUにもGPUが内蔵されるようになりました。APUとは全く存在のされ方が違うので性能は大したことがなく、FluidMotionVideoもついていません(使おうとしたら動画画面が真っ暗)。それでも普通にWindowsやソフトを使う分には全く支障がなく、動画エンコードも高速(TMPGのAMD SDKを用いたH.265の「やや遅い」のエンコードでテスト用の動画を試したところ、3分51秒で終了。これはRX560のほぼ二倍の速さ)なため、このまま使おうと思っていました。が、使い始めてそこまで月日がたっていないにも関わらず、今までに2回、スタンバイからの復帰に失敗しています。いずれの場合も再起動するとRADEONドライバからエラー報告があるため、RADEON側の問題で復帰に失敗したと思われます。しょうがないのでFluidMotionVideo用にとっておいたRX560を使って映像を出力しています。今のところ復帰失敗はありませんが、もし原因が内蔵GPUではなくチップセットドライバの未成熟にあるとしたら今後また失敗することがあるかも知れません。
追記:この記事のあと、ドライバがバージョンアップされたので試していますが、今のところスタンバイ・休止とも内蔵GPUで復帰に失敗していません。少なくとも安定性は上がっている印象ですので、このまま内蔵GPUで使おうと思います。


以上、Ryzen7 7700xについてわたしの欲しい情報、という視点から見てみました。特に比較対象のCPUのフルパワーを出していない環境に公平さを欠くと思う人もいるかも知れませんが、フルパワーも環境の一つなら限られた条件も環境の一つなんです。その一例として見ていただけるとありがたいです。今はZen3のシステムが異次元の安さなのでお買い得感で言えばそちらを買うのがいいんですが、この性能差を見てしまうとそれでもZen3は薦めづらいなぁ。「少数派の人にとってRyzen7 7700xは買わない理由が必要なCPU」。これが結論です。

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Windows11 22H2の罠

2022-09-22 21:56:27 | 意味なしレビュー
Windows11のかなり大幅なバージョンアップである22H2のアップデートができるようになっていますが、Windows Updateでダウンロードできるのはどういう理屈からはよく分からないのですが一部の機種だけになっているみたいです。ウチも複数のPCが同じネットワークに繋がっているはずなんですが、なぜか22H2にアップデートできるのはRyzen 7 PRO 4750Gを使ったPCのみ。他はまだできません。まぁせっかくなので4750GPCだけアップデートしておきましょうか。

大きな変更点は専門サイトとかに任せるとして、わたしが見たちょっとヘンな変更点を書いておきましょう。わたしは動画ファイルの保存先のショートを作って管理しているのですが、そのショートカットに中身がチラっと見えるようになってます。動画ファイルばかりはいっているフォルダなら動画のアイコンの一つがフォルダアイコンからはみ出るようにチラっと見える感じですね。大した変更点ではないですが、なんとなく新しい環境に移行したようで少し楽しくなります。

が、やはり大幅なバージョンアップは罠でした。そのPCで愛用のソフト、PEGASYS製のTMPGEnc MPEG Smart Render 4が起動しなくなってしまったのです(泣)。ちなみにこのソフト、とっくの昔に6が出ているので4は2世代も落ちるものです。いまだに使っているのは、カットするファイルがMPEG2とH.264/AVCのtsファイル、それも1080iまでのものばかり(具体的にはお察しで)なので、これで十分だからなんです。現状H.265/HEVCのカットも4Kや8Kの対応も不要でして。なので古いまま使っていたのですが、いったんアンインストールして起動しなおしても動きません。まぁまだ21H2な他のPCで使う手もありますが、もし全部の条件の22H2で動かないとなるとピンチ! 修正パッチが出ない限り、近い将来確実に使えなくなる日が来ます。
しょうがないのでとりあえず、Smart Render 4が出る前にH.264/AVCのフレーム単位のカット編集が可能そうだ、という理由で買ったTMPGEnc Authoring Works 5(こいつもすでに6が出ているので世代落ち)をインストールしてみたところ、これはちゃんと動いて、なんとかSmart Render 4と同じフレーム単位のカット編集や入れ替えができたのでとりあえずこれでしのぐことにします。ただ、本来DVDやBDに書き込むためのソフトなので、使い方や出力が少し大げさになる分サクサク使えないのが欠点なんですよねぇ。

これがわたしんとこだけの現象なら仕方ないんですが、22H2全部で起こるのなら大変です。PEGASYSさん、ちゃんと動くように修正してくれるかなぁ。さすがに2世代前のソフトのサポートに期待しちゃいけないでしょうからおとなしく最新版を買うのが筋でしょうけど、機能的な不満が全くないソフトだけにまだ使い続けたいんですが。

追記:別機でも22H2が来たので4を移してみたところ、やっぱり起動しなかったのと、Authorでは一つのファイルから複数の動画を切り出すのがどうしても不便ということもあり、あきらめて6を買いました。4→6だとアップグレード版買えなくて全額払うことに(泣)。解析やファイルの出力が4と比べて格段に速くなったことやサーチ中に音声が出るようになって便利にはなりました。が、使い道としては全く同じなんだよなぁ。
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新王座かドーピングか? Core i7 12700を動画エンコードで評価!

2022-02-06 14:59:23 | 意味なしレビュー
若干納得していない点も残っていますが、先日購入したIntelの第12世代CoreのCPU、Core i7 12700の性能調査をほぼ終えましたので、報告します。

まずはいつも通り組み立て時のトラブル報告から(笑)。まぁ今回はハード的なトラブルは無かったんですが。
マザーは前回書きました通りB660M D3H DDR4。BIOSは公式サイトからダウンロードしたF5を使いました。Windowsをインストールすると起動してLANが有効になってインターネットにつながると同時にGIGABYTEのユーティリティであるAPP Center が自動的にインストール(UEFIからの設定で無効も可)仕様になっており、その中に@BIOSというBIOSアップデートツールが入っております。最初はこちら任せでサーバーから自動ダウンロードでBIOSもドライバも任せようとしたのですが、@BIOSでダウンロードできるBIOSはF4どまり。しかも無茶苦茶不安定で何度テスト中に勝手に再起動がかかったことか・・・泣くくらい。最悪だったのはLANのドライバを壊しやがったこと。おかげでネットに接続できなくなり、ハードウェア的に壊れたんじゃ・・・と大慌て。別PCからドライバを落としてきてインストールしたらあっさりと直ったので一安心。結局ツールのサーバー経由でなく公式サイトからダウンロードしてきたBIOSとドライバで安定させることができました。気を付けましょう。

メインとなるCore i7 12700および比較対象として用意したPCの仕様は以下の通り。PBP/PL1/TDPで表記される消費電力や発熱量の目安となる値を65Wで、GPUを内蔵でそろえた割と平等な条件になっているものと思います。

Core i7 12700
リテールクーラー
B660M D3H DDR4
DDR4-3200メモリ8GBx2
内蔵GPU Intel® UHD Graphics 770 
Windows 11

Core i7 11700
虎徹MarkII
H570 Phantom Gaming 4 
DDR4-3200メモリ8GBx2
内蔵GPU Intel® UHD Graphics 750
Windows 11

Ryzen 7 5700G
リテールクーラー
ROG STRIX B550-F GAMING 
DDR4-3200メモリ8GBx2
内蔵GPU Radeon™ Graphics 8
Windows11

以下この3システムはCPUの型番を取り、12700/11700/5700Gと呼称します。SSDはいずれもNVMe接続のM.2.SSD、PCI-E3.0動作のものです。また、11700のみCPUクーラーが変更され、なおかつPL1を本来の65Wではなく95Wで動作させています。こうでもしないと第11世代はパフォーマンスが出ず、比較対象にならないものなので、ご了承ください。

使うソフトは動画エンコードのHandBrake。1月末~2月当初現在時点で最新版の1.5.2を使いました。元動画は毎度ワンパターンの1440x1080・49分・MPEG2-TSの動画。これをエンコードします。最初はx264を使ってH.264/AVCへの変換。条件は
・平均4000Kbps
・フレームレートはSameで固定
速度をVerySlowにし、あとはデフォルトのままで行っています。

12700 29分49秒
11700 48分12秒
5700G 42分25秒

速ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 異次元じゃん。これ一つだけ未来からやってきたCPUみたい。もう細かい検証の必要なし・・・と最初は思いました。でも、Core Tempというソフトで温度を計測してみると、12700はエンコード開始するとあっという間にCPUクーラーが爆音をたて・・・まぁ音はいいんですが最高速回転で回りだし、かつ温度は100度~99度に張り付き。噂に聞く省電力のEコアすら88度張り付きです。Core Comp換算の消費電力はほぼ常時120W強!130Wになると一瞬数値が落ちますが、それでもエンコード中は110Wを切ることはありません。おそらくリテールクーラーを使った現環境では130W消費で100度に達してしまい、少し落としている、ということなのでしょう。一瞬噂に聞いた「第12世代CoreはLGAの形状ややり方が変更になったため、強い圧力がかかってヒートスプレッダ を少し曲げてしまい、中央部分がへこんでしまうのでまともに冷却が出来ない」という話が頭をよぎりました。ですが、それが原因で100度に達してしまうならそもそもパフォーマンスが出ないはず。それにエンコードのような高負荷がかかっていない状態なら暖房のかかっていない寒い部屋なら20度を切るくらいまで下がりますし、それもおかしな話。歪みの話はマザーボードによって程度は違うとも聞きますし、ウチのはそれとは違うように思います。だいたい最低でも130W~110Wの消費電力ってなんなんですか。12700のPBPは65Wなんですから65Wを基準に動作すべきです。と、いうわけで本来の仕様に近い動作をさせるべくUEFIをいじりました。その結果

Tweaker→CPU詳細設定→TURBO POWER制御→POR

と設定することで消費電力は65W前後まで落ちました。PBPと消費電力は必ずしもイコールではないかも知れませんが、11700がPL1 95W動作でCore temp計測で95W前後で動作しているので、まぁこれが本来の姿だと思います。高負荷状態でも最初はブーストもちゃんとかかっていますしね。デフォルトの設定ではとても常用したくないですが、これなら安心です。以下の計測は原則12700はPOR状態で動作しています。
そういう状態になったことで、今度はエンジンをx265に切り替えてH.265/HEVCへの出力をやってみましょう。あとは先のH.264/AVCと全く同じ、すなわちH.265/HEVCのVerySlowエンコードです。

12700 9時間15分29秒
11700 11時間14分58秒
5700G 10時間8分19秒

長時間かかりましたがそれだけに12700の速度がよくわかります。なんだ12700、余計なことしなくても速いじゃないですか。ただ、時間がかかりすぎるため、これ以降は
・H.264/AVCはx264のVerySlow
・H.265/HEVCはx265のMedium
とさせていただきます。

H.264/AVC
12700 36分46秒
11700 48分12秒
5700G 42分25秒

H.265/HEVC
12700 33分07秒
11700 40分27秒
5700G 38分26秒

・検証/Eコアの影響
第12世代Coreの大きな特徴の一つがEコアという省電力動作向けのコアを搭載したことです。これによって「従来よりも多コアになった」と評価する向きもありますが、当然ながらメインであるPコアと比べるとパフォーマンスは落ちるため、ヘタに連動させると足を引っ張ってスコアが落ちるのではないか? という気もします。そこでUEFIでEコアを無効にして計測してみます。

H.264/AVC
12700(全コア) 36分46秒
12700(-Eコア) 41分18秒

H.265/HEVC
12700(全コア) 33分07秒
12700(-Eコア) 34分01秒

Eコアを無効にしたことでH.264/AVCが大きく速度を落とし、5700Gより若干速い程度になったのに対し、H.265/HEVCは影響は大したことはないように見えます。ここで検証ソフトをTMPEGnc Video Mastering Works 7に変更してAVX2の有効無効も交えてやってみます。
ちなみに第12世代Coreでは第11世代では使えた拡張命令であるAVX512が使えなくなっています。Pコアの中に機能では搭載されているという話ですが、BIOSによって無効化されているとのこと。残念とも言えますが、むしろ足を引っ張るケースもあったくらいなのでIntelとしてはAVX512は失敗と思っているのかも。

H.264/AVC
12700(全コア/AVX2有効)
 32分26秒
12700(-Eコア/AVX2有効)
 35分43秒
12700(全コア/AVX2無効)
 31分43秒
12700(-Eコア/AVX2無効)
 36分03秒
11700(AVX2有効)
 41分03秒
11700(AVX2無効)
 42分11秒
5700G
 36分34秒
5700G(AVX2無効)
 37分51秒

H.265/HEVC
12700(全コア/AVX2有効)
 34分03秒
12700(全コア/AVX2無効)
 40分15秒
12700(-Eコア/AVX2有効)
 34分29秒
12700(-Eコア/AVX2無効)
 43分33秒
11700(AVX2有効)
 39分24秒
11700(AVX2無効)
 49分38秒
5700G(AVX2有効)
 36分07秒
5700G(AVX2無効)
 44分13秒

AVX2の効果が薄いとは言え、x264においてAVX2を無効にしたほうがAVX2有効にした際よりわずかですが速かったするあたり、今までのCoreと比べるとAVX2の扱いが変更になっている感が強めです。一方肝心かなめのEコアですが、x264では差が大きかったのに対しAVX2の効果が強いx265では差が大してつきません。ただ、EコアとAVX2の両方を無効にした場合は再び差が~x264ほどではないにしろ~大きくなっています。あくまで素人考えですが、動画エンコードの場合AVX2が働く場合はEコアよりもAVX2優先で仕事が回され、働かない場合はEコアに振られるという感じでしょうか。Eコアは最適化次第ではそれなりに速度アップに貢献することはありそうですが、現状ではプログラム側から見れば決して優先してサブの仕事を分けられる存在ではない、という扱いを受けていそうです。現状のエンコードエンジンの場合、x264はEコアが働き、x265はあまり働いていないという認識で良さそうです。ただ、少なくともプログラムがPコアと同列に扱って仕事を割り振り、足を引っ張るという傾向は見られませんでした。ここら辺がWindows11は第12世代に最適化されているということなのでしょう。

最後にQSVによるエンコード。A's VideoConverterでやりたかったのですが、なぜかいくらやっても11700のH.265/HEVCが速くならずにCPUエンコード並みの速度になってしまったので、TMPEGncを使います。H.264/AVCはもうCPUエンコードで速度も十分なのでH.265/HEVCのみを同条件で。

12700 11分10秒
11700 11分19秒
5700G 04分39秒

第11世代と全く変わってないですね。

以上、Core i7 12700を見てきました。BIOSのデフォルトで動かさない評価には「意味がない」と考える人も多いかと思います。ただ、わたしから見ればデフォルト状態はメチャクチャ活を入れたオーバークロック状態にしか見えないんです。実はIntel、どうもこの12700をばらまいているらしいんです。Youtubeとか見ると、登録者多めの自作PC系でいくつものチャンネルが第12世代向けマザーボードのプロモーション動画を公開していますが、評価用としてほぼ必ず12700、無印を使ってるんですわ。普段ならi7かi9はK付き以外眼中になし、な人でもK無CPUな12700を使っているあたり、評価用としてIntel側が指名して提供していると思われます。その大半が「発熱量が多い」と軽く触れるだけで高消費電力状態でRyzenと比べ、異次元の性能を出していることを公開している・・・。OC状態のCPUと定格を比べているようなもんで、正直アレはいろいろマズイだろ、とこう思ってしまうのですよ(あ、当然ですけどわたしの12700は自腹自前ですよ)。おまけにある程度の時間かけて行う動画エンコードであの状態で使うのは問題があります。事実上電力を目いっぱいかけてぶん回させるのが今のIntelの方針なのでしょうが、CPUクーラーの付属していない12700KならともかくK無CPUの12700はそれなりに負荷のかかる作業をリテールクーラーで、と考えて選ぶ人が少なくないCPUだろ、それが高発熱状態でしか評価されないのはおかしい、と考えて本来のPBPに近いだろう消費電力65W状態で動かしてみました。わたしの試した状態だとリテールクーラーでもエンコード中にCore temp計測で70度いくかいかないか、ですし暖房を入れていない寒い部屋だと60度いかないほどで十分冷却できています。

そして、余計な活入れによる誤魔化しなどしなくても第12世代Coreは優秀なCPUです。今回のテストでもZen3の5700Gを全項目で上回っています。ただ、それなりに差がつくのはEコアが効率的に使えている場合だけであり、Eコアを無効などすると僅差になるあたり、AlderLakeとZen3の差は世間でいうほどはない、と言えます。ただ、Zen3の方がクロックは常時上だったのでクロックあたりの処理能力ではあきらかにAlderLakeの方が上です。
ただ、やっぱりQSVがほったらかしなんですよねぇ。噂に聞くIntel製GPUを搭載したArcは第11世代および12世代Coreと連動してエンコード処理を行える(動画エンコードかどうかははっきりしませんが、多分動画エンコード機能はあるでしょう)とされており、速度も速いとか。ぜひ試してみたいですが、価格がなぁ・・・。ロークラスで価格が安く、エンコード能力だけ上位並みというグラボが出てくれれば飛びつきますが、難しいでしょう。

第12世代Coreには前述した「圧力でヒートスプレッダが歪む」疑惑があります。マザーボードにもよるので必ず大きくゆがむとは言い切れません。わたしは調べてはいないですけど、少なくとも冷却がが出来ない、という事態には今のところなっていません。長く使っていればわかりませんが・・・。問題なく使えるかどうかギャンブルに近いものがあり、それを恐れるようならメーカーから正式なコメントや対策が発表されるまで買うのは待ち、手持ちのシステムを使うのがいいでしょうね。

 
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今年はIntelの方が面白そう! CES発表のの両陣営CPUを考える

2022-01-05 18:53:04 | 意味なしレビュー
毎年恒例CES、の「CES2022」にて今年以降展開予定のPC用CPUがIntel・AMD両陣営より発表になりました。昨年末に書いた噂話とほぼ似たようなものではありますが、正式発表ですからより発売が楽しみになってきます。まずはIntelから見ていきましょう。


Asciiの記事です。モバイル向けは放っておいてデスクトップ向けを見ていきましょう。第11世代はロークラスは用意されず、第12世代も現状ではインフルエンサー向けのハイクラスしか登場していないIntel製CPUですが、予想通りK無しクーラー付の扱いやすいモデルが投入されます。PentiumやCeleronと言った下位モデルも発表できるのはさすがに自社工場を持つIntelの強み。また、i5無印以下はすべてEコア無しのPコアのみとなりました。そのため、Pコアの数も違う分i5とi7の差がちょっと大きいように思います(i7 P8+E4/i5 P6+E0)。扱いやすさとお買い得さを兼ね備えるのはi7K無しかi5K付きということになりそうです。わたしはi7K無しとMicroATXのミドル級チップセットモデルを買う予定。発売時期にもよりますが、コスパ向けとなるとDDR4メモリを使う方が良さそうです。DDR5でも供給は価格に問題なくなるのは早くて今年後半でしょうから。
Intelでももう一つ面白そうなのがGPU展開。Asciiの記事は触れる程度しか書いていないので、impressの方を見てみましょう。


初めて製造したグラフィック用チップ、i740こそ単体で発売しましたがそれ以降はチップセットやCPUに内蔵させるばかりであまり評判もよろしくなかったIntelのGPUですが、それが過去の話になっていきそうです。ついに登場する単体GPU、ArcはGeForceやRADEONのようにゲーム性能を全面に押し出すのではなくコンピューティング処理能力をウリとするようで、内蔵GPUと連動させることもでき、それによってそれぞれを単体で利用した時よりも高速でエンコードができる、というデモが行われています。もちろんエンコード=動画エンコードとは限りませんが。ここ最近IntelのCPU内蔵動画機能、QSVは特にエンコード時のスピード面で他社製GPUの持つ機能に見劣りするようになってきていました。それは自社製GPU・Xe方面から強化する予定だったために特に強化の必要性を感じずに放置してあった、と考えれば納得のいく話です。こうした外部GPUを搭載してなお内蔵GPUを生かし、処理能力を強化するようなやり方はかつてAMDがAPUで提案し、今や半ば投げ出してしまった理想に非常に似ています。かつて間近で未来を語る様を見てきたわたしとしては、Intelの取り組みに期待を持ってしまいます。ここしばらくはIntelの方が面白そうですね。


一方のAMDはやはり新キャッシュCPU・モバイル向けZen3+・Zen4という新CPUの他、GPUも下位モデルを出してラインナップを充実させるとのことです。


わたしはZen3+はモバイルハイパフォーマンスモデルに限られるのでは?と勝ってに予想していたのですが、その予想は覆されて、TDP15-28WのUモデルも、発売されるかどうかは別にして、用意されるようです。


Intelのモバイル向けCPUでもそうですが、ノートPCで5GHzが出るようになる時代がこようとは・・・。初めて5GHzを謡ったFX9590はTDP220Wだったというのに、今やその数分の一、それでいて当然基本性能はそのモバイル用のほうが数段上でしょうし、技術の進歩は怖いものです。

なお、Zen4に関してはPPGAからLGAに変更になることくらいで詳細は無し。そういうところもありますが、なんかこう、今のAMDの展開には期待感といいますか、ワクワクする感覚が湧いてきません。未知の誘惑がないのです。それはZen3がただの通常進化でしかなく、Zen4やそれを利用するだろうAPUもなんとなく予想の範囲だろうなぁという気がしてなりません。
初代Zenは工場をGFからTSMCに変更し、当時としては新しい製造プロセスを使うことでそれまでと比べ省電力と多コア化に成功しました。が、その一方でコアそのものは旧世代の特徴を残していました。動画エンコードにおいて縮小リサイズの際の速度の短縮がIntelのSkylakeに比べても劣ることを確認しています。この欠点が解消されたのがZen2で、あらゆる面において当時のIntel製CPUと互角以上となったZen2の能力には非常に楽しませてもらったことを覚えています。が、Zen3はたんに細かい部分で改良が進んで処理能力が高くなった以外に変更点はなく、速くなってすごいもののそれ以上ではありませんでした。Zen4も製造プロセスのさらなる微細化によって当然強化はされるのでしょうが、新機能となると・・・。うーん。ましてZen4のAPUはGPUをRDNA系に変更されるので、それによって動画再生能力が低下するのはほぼ確実です。それに計算処理などをRDNAは得意としておらず、基本的にゲームに振ったアーキテクチャですから本来のAPU向けではありません。RDNA2になって多分改善されたんだろうなぁとは思いますが、確実に劣る部分がある以上、期待感が湧いてきません。
GPUの方はかなり一所懸命に開発している様子は見えます。が、ゲームのことばかりしか言ってきません。キツイことを言うようですが、競合で出来ることが出来るだけのRADEONなら別に要らないんです。出来ないことが出来るからRADEONは良かったんですけどねぇ、わたしには。


と、言うわけで、それでも6対4くらいでAMD贔屓にはしていくつもりですが、今年はIntelCPUを買うつもりです。こっちの分野でも第12世代が向いているようなら第11世代が載っているPCの方も第12世代のミドルクラスに買い替えてもいいかな? 程度には期待しています。Ryzenの成功でだんだん保守的になってきてしまったAMDにも未知の魅力を出してくることを、まだ期待したいですね。


追記:
すでにi9こそないもののi7以下のK無し第12世代が一斉に発売されましたね! さっそくチェック・・・といいたいところなんですが、今回は「MicroATXで組みたい」というのが願望なんですが・・・いいのがない(泣) わたしが欲しいのは優先順位も付けると
1.拡張スロット多め
2・SATA垂直挿し多め
3.できれば幅短め。メモリスロット2つでもいい
4.今回はDDR4の方がいいかなぁ
なんですが、見事にないんです。しいて選ぶならASUSのPRIME Z690M-PLUS D4くらいでしょうか。  
今のマザーはM.2.スロットとPCI-Expressx16が一つあればあとは要らないという使い方をしろ、というものばかりで選択肢が非常に狭い。ならケースを変えるか? と思ってもケースもひどくてHDD用ベイが全然ないものにいつの間にか世代交代しちゃってます。いつから組み立てPCってこうなっちゃった? 一月後半になったらもう少しマザーが出ると思うので今月いっぱい待ちます。どうせ出遅れてるしねぇ。12700もそう簡単に売り切れないでしょ。
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Windows10最適化あったか? Core i7 11700が速くなった!

2021-06-03 16:12:47 | 意味なしレビュー
先日購入してその性能検証結果を当ブログで報告したCore i7 11700、当然テストして終わりではなくその後も普通に使い続けているのですが、実は動作がかなりもっさりしていました。特にスタンバイから復帰したときは、とても通常PCとして使いたくないほど遅くなることが常でした。もちろん性能検証の時は一つのテストごとに必ず再起動を行ってからテストを行うようにしてますのでテスト結果にはその遅さは反映されていません。が、普段使うときはスタンバイから復帰させてそのまま使う・・・が常なので、非常に不便だったのです。この旨を今まで書かなかったのは、何故これほど遅いのか、たとえ再起動させても通常の動作がなんとなくもっさりしているのは何かしら原因があるのではないか、あるとしたらそれは何か、をはっきりさせてから書きたかったからなんですが、うまくいかなかったのです。ひょっとしら、やはりド外れを引いたんじゃないか、わたしのセットだけ特別遅いだけなんじゃないか、という疑惑がぬぐい切れなかったからなんです。それがはっきりしないうちに公表するのは、フェアじゃないな、と。自分の環境だけたまたま悪かったのに酷評して貶す、というのは違うと思っておりますので。動画エンコードを使ったテストはその影響とはまた違う手ごたえを感じていたので書いたのです。
ところが、先日からそのCore i7 11700PCがいつの間にかそのもっさりがなくなり、キビキビと動くようになっていました。スタンバイから復帰時も遅くなる現象がなくなっており、まともに使えるようになってます。何があったんでしょうか。BIOSは前回の検証時にアップデートしてから更新はしていません。中身もいじっては元に戻しているので大きな設定変更はないはずです。やったアップデートといえばWindwos10そのもののアップデート、特に21H1へのアップデートがちょっとあやしいくらいです。これ、普通にアップデート→再起動ではなぜかうまくいかず、アップデート→電源オフ→起動を繰り返してようやくアップデートに成功したくらい苦労させられたので、アップデートが遅れたんですよね(前回検証はそれでも21H1正式公開より前ですので、問題はないはずです)。Windows10そのものがRocket Lake-Sに最適化されたのか、それとも新しいドライバが同梱されていたのかわかりませんが、快適になったのはいいことです。

これだけ別物のように動くようになったんだから、動画エンコードの速度も上がっているんじゃね? と思うのは当然のこと。試してみましょう。と、言っても過去検証ほど大規模詳細にはやりません。今回も手抜きです。

Handbrake 1.3.3
H.264/AVC(x264)
フレームレート Same・Constant
ビットレート 1Pass 4000Kbps
Profile VerySlow
後はデフォルトのまま
元データ MPEG2-TS 1440x1080 約49分

といういつもの条件のみで、速度測定を行います。Core i7 11700のパフォーマンスにおいて重要な要素となるTDPにおいては「設定変更なし(65W)」と「Dual Tau Boost +85W」をそれぞれと、前に最高速度だった
MSR PL1 95W
MSR PL2 224W
MSR TAU 448s
MMIO PL1 125W
MMIO PL2 224W
MMIO TAU 448s
をそれぞれ実行します(最高設定を以下は95Wと表記します)。前回の調査と比べてみました。

65W
前回57分36秒→今回51分01秒

80W
前回51分39秒→今回50分48秒

95W
前回49分11秒→今回47分23秒

あきらかに誤差の範囲を超えた、別物の動作が行われています! 80Wはちょっと伸びが少な目に見えますが、これは細部もいじった95Wと違ってデフォルトのTDPしか変更していないからでしょう。OSそのものかドライバかわかりませんが、Rocket Lake-Sの最適化がなにかしら行われたのは確かだと思われます。ちなみにRyzen 7 PRO 4750GでもWindows10を21H1にアップデートしたうえで同じ条件で実行してみました。

前回45分37秒→46分35秒

こっちはなぜか落ちてます。これも誤差の範囲とは言い難いレベルですが、何かあったのでしょうか。最近暑くなってきたからかも知れませんが・・・。Coreが最適化によって高速化し、Ryzenは逆に低下したことで、Coreを目一杯チューンし、かつクロックを考慮に入れれば、Zen2と互角、あるいはそれ以上といってもいいレベルまでは来ました。しかし、こうなるまで時間がかかった、ということはかつてWintelなどと呼ばれるほど強かったIntelとMicrosoftの連携の力が弱くなっている、ということなんでしょうね。今後新CPUは発売直後だけでなく、OSの大型アップデート後も併せて二回検証しないと正確な情報を出せない時代になっていきそうです。まぁIntelはともかくAMDは発売直後にはわたしには買えない時代が続いているんでそっちを慌てる必要はないんですが。


今回、Intel公式のツールであるIntel Extreme Tuning Utilityというのを使ってみたんです。これを使えばいちいちBIOSにいかなくてもCPUの設定ができるようなので。もちろんCore i7 11700ではTDPとかくらいしか設定できないわけですが、だからこそこれで十分では? とやってみたのですが・・・。

デフォ→ツールで80W化
51分30秒

ツールでTDP上げたら遅くなりました。と、いうよりアップデート前の古い動作に戻った感じです。Intel Extreme Tuning Utilityというツールは、単に設定を指定通りにするだけでなく、アルゴリズムもソフト側がのっとって動作するタイプのツールみたいですね。最新の動作設定が反映されてないのでこうなったと思われます。いずれアップデートによって最新アルゴリズムの動作を反映したバージョンになると思いますが、今のところは使わないほうがいいでしょう。
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Core i7 11700の能力を改めて考える

2021-04-28 11:51:09 | 意味なしレビュー
前回、購入前の予想以上に性能が振るわなかったCore i7 11700。このままだと買った甲斐がないので(一応それまで使っていたCore i7 8700と同等以上程度はあるのでゼロ価値ではないですが)、なんとか性能を引き出せないか、もうちょっとテストをしてみます。性能が出るかどうかなのでデータが正確かどうかは二の次の手抜き調査になりますが、ご了承願います。

1.BIOSをアップデートしてみる
まずはマザーボード、H570 Phantom Gaming 4 のBIOSのアップデート。前回調査したときは購入時の1.3でやっていたんですが、すでに1.7が出ていますので、そちらを充てて使ってみます。テストは前回と同じ、約49分の1440x1080MPEG2-TSとHandBrake。フレームレートのみ同じに合わせ、x264でVerySlow。

(1.3)57分36秒 →(1.7)57分00秒

一応上がっている、と言えば上がっているんですが、この環境は性能のブレが大きいのでこのくらいだと誤差の範囲と言えちゃうんです。それでも、上がったとしておきます。もちろん満足のいく性能になった、とは言えませんが。

2.BIOSでAVX512を切る
TMPGEncでAVX512を使わないようにすると、H.265だけの調査しかしていませんがエンコード速度が向上していました。バージョンアップしたBIOSによってAVX2とAVX512がセットではなくなり、AVX512だけBIOSで無効にできるようになりましたのでそれでやってみましょう。この項目だけx265のSlowもやってみます。ただ、そちらは1.3での動作したものとの比較になります。

x264
57分00秒→1時間37分35秒

x265
1時間51分45秒→1時間52分56秒

むしろ遅くなりました。特にx264利用時の遅さはかなりひどく、念のため二回やってみたのですがほとんど同じでした。まぁIntel側としてみればAVX系の無効はあくまでオーバークロックのためにやる作業であり、性能アップのためではないらしいので仕方ありませんが。機能的には生きているソフト側の対応と違ってBIOSレベルだと性能の低下が著しくなるんでしょうね。だからこそx265時ではわずかな性能低下に収まっているのは何かおかしいですが、今回は性能アップを狙った手抜き調査ですので性能アップにつながらない検証はやめておきます。

3.コアを減らしてみる
TDPは総合的発熱量ですから、8コア入っているというのはそれだけで電力を多めに消費し、TDPを守ってパフォーマンスを上げるのは難しくなります。それなら、コアを減らせば1コアあたりに振り分けられる電力は増え、むしろ使わないコアが熱を吸ってくれるのでクロックが上がり、性能の逆転現象が起きるのでは? と思いついたので6コア12スレッドに落としてみました。

(8コア)57分→(6コア)1時間7分15秒

逆転はおきませんでした。まぁこの予想が当たっていたらCore i5の方がi7より性能が上がってしまう場面が出てきてIntelも商売に困ることになるわけですが。ただ、1コアあたりのクロックは同じTDPでも上昇していましたのでその点だけの予想は当たっていました。ただ、TDPを80W以上に上げた時と同程度のクロックに収まってしまっていて性能は上がらなかったのですが。

4.TDPをもっと上げてみる
前回は性能上昇が空回りしているとみてTDPのアップを95Wでやめておきましたが、思い切って125Wまで上げてみました。UEFIに掲載されているデータシートによるとTDP65WのCPUはPL2動作の際最大129W、約2倍までTDPが上がります。ならばそれに近い値まで上げてみれば、常時PL2に並の電力が使われ、クロックが上がるのではないか、という予想です。かなり危険な域にも見えますが、11700のCPUダイ自体はTDP125Wの11700Kと同じもののはず。選別は行われているでしょうが、ギリギリなんとかいけるかも。参照用の80Wおよび95Wは旧BIOSで調査したものです。

(65W)57分00秒→(80W)51分39秒→(95W)50分29分→(125W)51分05秒

誤差の範囲と言えますがむしろ落ち、完全に速度が空回りしていることがうかがえます。CPUの熱量が増えただけでクロックは95Wと比べても全く上がりませんでした。

5.PL2のTDPを上げてみる
最後の手段です。PL1は125Wに、そしてPL2のTDPを調整して、これまでの"自動"からデータシート上最大表記の224Wに設定してみました。結果は

51分49秒

落ちました(笑)。まぁ、この結果になりそうなのはエンコード開始直後に分かりました。今まで以上に早く、わずか数秒で4.4GHz状態から3.5GHz前後に落ちてしまったからです。多分一瞬で安全装置が働くレベルの高熱に達してしまったんでしょう。エンコード中のクロックはほぼ同等だったのでその分遅くなったというわけです。


と、いうわけでいろいろあがいてみましたが、11700で前回以上のパフォーマンスを出すのは無理でした。ここまでやってみて分かったのは、11700はTDPによるクロック縛りの他、負荷時によるターボ機能の縛り、クロックの限界を持たされている、ということです。何度も書いているように11700はエンコード開始直後には4.4GHzにクロックが上がり、この時点では猛烈なfpsを稼ぐのでRocket LakeのIPC上昇の高さを感じます。ただ、それが終わってしまうとTDP65W時で3GHz、95W以上時で3.5GHz前後に収まってしまい、エンコード作業が終わるまで4GHz以上に上昇することはありませんでした。TDPを上げてもクロックはそれ以上上がらないので意味はなく、ただCPU温度が上昇するのみです。ここから一つ断言できるのは、わたしの環境では4.4GHzまでクロックが上昇するのは、アイドル時やそれに近いほど負荷が少なく、クロックが低い時からのみ、ということです。実際、エンコード途中にポーズを入れて一時停止し、クロックが下がったことを確認してから再開すると再び4.4GHzに上昇します。ひょっとしたら1分ごとに5秒くらいの割合でエンコードを一時停止するようにしたらエンコード速度は速くなるかも知れません。面倒くさすぎるのでやりませんが。一部商業サイトで、たかが2~3分で終了する動画エンコード結果を掲載し、「第11世代は動画エンコードも速くなっている」と評していますが、あの短さでは開始時のブート効果の影響が大きすぎ、我々のような数十分以上の長さの動画エンコードのデータの参考にはなりません。

そこそこ負荷のかかっている3.5GHz時でもまだ発熱量には余裕があるように思えます。ならば適度にターボを解放してくれれば少なくともエンコード速度は上がるのでは・・・と思うのですが、実際にはやってくれません。その理由はどこにあるのか。
一番に考えられるのがCPUの思想、初めからそういうものとしてコア設計が行われたという点。ベンチマークのスコアやゲームのfpsを稼ぐことを第一とした場合、このやり方は決して悪くありません。それらGPU処理の多いソフトの場合、CPU処理の負荷が少なくなる瞬間が必ずあるので、その間にクロックを落とし、負荷がかかったと同時にクロックをマックスにする、これで総合消費電力は少し抑えながらCPU能力を1ランクアップさせることができるのですから。いまだ古い14nmを引きずり、7nmのRyzenに比べて発熱量・消費電力において不利なのが現行のCoreですから、そうするのもやむを得ないかと。だとすると、ブランド面でも価格面でも上ながら同じ8コア16スレッドのi9、特にTDP65Wの11900の挙動が気になりますが。

そこで第二の理由として考えられるのが、CPUの差別化という点。i7は低負荷からでないとクロックがマックスになりませんが、i9は発熱状況などを見て適度にクロックをマックスまで上げるよう調整されているかも知れません。この予想が正しいとしたらi9 11900のエンコード速度は大きく上昇し、4750Gを上回るかも知れません。そうでもないとi7のi9の価格差が納得いかないものですし。もっとも、この妄想が正しいとするとi9がi7に比べて特別な機能を持たせて優秀というよりi7が性能を抑えることで相対的にi9の上位をはっきりさせて価格を上乗せする理由にした、という消費者にとってうれしくない差別化ということになってしまいますが。ベンチマークでは出づらい結論なのですが、一度確かめてみたいです。

第三の理由として考えてみたのがチップセットの差別化。わたしは今回ミドルクラス向けのH570を使用しましたが、第11世代向けにはよりハイクラス向けのZ590が存在します。チップセットの差別化のためにH570はCPU性能が出にくいように調整、とまではいかなくてもGPU性能維持のためにCPU性能は抑えられた状態でしか使えないようになっているかも知れません。前回も書いたA10-7800とロークラスのチップセットを組み合わせたときの挙動がまさにそれでして、ハイクラス向けのチップセットではcTDPを使ってTDPを低下させるとCPU・内蔵GPUとも適度に性能が低下したのに対し、ロークラス向けではゲームを重視したのかGPU性能やゲームのベンチの性能はほとんど低下せず、CPUの負担ばかりが高いソフト(もちろん動画エンコード)では大幅に性能が低下する、という動きになっていました。IntelのCPUでCPU性能より内蔵GPU性能を重視する仕様のチップセットにして誰が喜ぶんだ? という疑問もあるでしょうが、チップセットを作っているのもIntelですし、ディープラーニング向けとしてXeグラフィックを今後重視するのが同社の戦略ですから、あり得ない話ではありません。

第四の可能性としてわたしがド外れを引いて性能が出ないだけ、ってのも無きにしも非ず。なにせ中央のねじ止めをすると起動しなくなる謎のマザーだからなぁ。ただ、その場合はそもそも安定して動かないはずだし、限りなくゼロに近いけど100%の否定はできない、ということにしておきましょう。

いずれが正しいのか、これは試してみるしかありません。が、テストのためだけに高いCPUやチップセット搭載マザーボードを買うつもりはありませんし、経済的余裕もありません。当店の経営者が無能ということもありますが、このご時世のあおりを受けて店の経営は芳しくなく、会計事務所から「給料減らして経費削減も考慮に入れてみますか?」と言われているくらいです。最近投資に力を入れているのは、せめてたまに買うPC用のパーツ代くらいそこから賄えないか、という思惑もあるからなのです(実際今回のIntelセットはその利益から買っている)。実験のためだけのハイクラスを買う予算があるなら、近々来る予定のRyzen5000GなAPUや、次の世代のIntelCPUのために確保しておきたいです。個人じゃぁ当然そんなものでしょうし、だからこそ商業サイトは他と同じネタばかり掲載するんじゃなくて手を変え品を変えてやって欲しいんですが。


AMD派のわたしではありますが、別にIntelCPUの欠点を暴きたいために今回のCPUを買ったんじゃないんです。むしろ最新に相応しい性能を発揮し、次に買う予定の5000Gシリーズ(買えるかどうかはおいておいて)と堂々と渡り合うIntelCPUが欲しかったんですよ。最近のIntelCPUは一~二世代くらいは飛ばす、という買い方をしていたんですが、現状のこの性能では次もすぐ買わざるを得ません。ある意味イヤな商売の仕方だなぁ、儲かるやり方とはこういうことを言うんでしょうか( ..)φメモメモ。その代わり、次々世代のAPUはZen3でかつGPUがRDNAに変更らしいので多分飛ばすでしょうが。IntelとAMDの立場が私の中でも逆転しつつあります。
これ以上わたし程度のユーザーにどうこう言われることのないCPU、出してくださいよIntelさん。もちろんGPU性能も期待してますよ。
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