蛭子さんのランドセルから大学進学情報の雑誌が出てきました
すごくしっかり芝居を見てくれるお客さんが多いです。わかばやしーちゃんが生徒会室に行く前といった後の服装の微妙な違いを指摘してくれたのは、やはり女の子ばかりで数人いました。たぶん私が観客なら気がつかないで部分も指摘してくれて嬉しいです。
で、蛭子さんのランドセルの中身ですが、実は演出のクチオくんは当初小学生の教科書を用意しようとしました。私も最初はそれでイイと考えていたのですが、ランドセルはもともとお芝居の舞台となった高校の演劇部の小道具です。決して本当の小学生のランドセルではありません。だったら、小学生の教科書ではなく高校の物置に放置されてそうなものが入っている方が自然だろうと考えました。なのでそれをより強調するためにエロ本も挿入したのです。
ランドセルに小学生の教科書、それは確かに1つのリアルですが、『クチオとブービン 愛しの上P戸惑う蛭子さん』の世界では、よりリアルなのはそうではないと考えたのです。
私は10年くらい前に『段ボールライフ』という浮浪者が出てくるお芝居を上演しました。そのアンケートで「浮浪者の住んでいる家の段ボールが新しすぎる。」という指摘を受けたことがあります。浮浪者=貧乏、汚い、ボロい、というのがそのアンケートを書いた人のイメージなのでしょうが、私たちが新宿西口に取材に行ったとき、ホームレスの人たちの段ボールはみな新品ばかりでした。汚い、古い段ボールでは折れ曲がってしまうため段ボールハウスは作れないのです。実は新宿に取材に行く前からその事実は書籍を読んで知っていました。浮浪者は新品の段ボールをタダでいくらでも手に入れることを。
作り手の嘘を見抜く力はぜひつけてほしいです。しかし、作り手だって2ヵ月以上考えて芝居を作っています。安易な批判をする前によく考えてほしいとも思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます