戦争を挟んで生きた女性の回顧録

若い方が知らない頃のセピア色に変色した写真とお話をご紹介いたします。

眼底出血以来、気力が失せてしまった私。  22/06/17

2010-06-17 18:46:43 | Weblog
このところ、私に欠けているものは気力である。あんなに元気だった私が急に衰え、生きる張り合いが失せてしまった。何とか誤魔化しながら毎日を送っているが、それは虚勢に過ぎない。この8月で76歳になるけれど、もっとお年を召した方でも元気に活躍なさっている方も沢山いるのに・・・と思うけれど眼底出血以来私の恐怖は大きくなるばかり。今朝も笑われてしまうような失態をした。あちこち片付け物をしていたら蚊取り線香が大きい缶に一杯詰まっているのを見たので、除菌ついでに蚊もやっつけようと蚊取り線香に火をつけておいた。うちは山なので見晴らしも良いかわり、薮蚊も多い。寝る時になって誰もいない茶の間では幾らなんでも無用心だと自分の部屋に持っていった。朝まだき夜明けの頃、眼を覚ました私は部屋がほんの少し白く霞んで見えた。あれ?眼がおかしい。若しかして又今日は眼底出血が進んだのかな?と思ってカーテンを少しよけて屋根を見た。暗いのであまり分らない。起きて部屋の明かりを点けた。全体に白く霞んで見える。火事だ!!!何処が火元だ!!!この位の煙なら何とかなる。でも如何しよう!!階段を降りられない時は3階に行くドアを開けて上に逃げれば良い。この位の煙なら何とかなる。そう思って洋服に着替えようとした時、大きい皿の上の未だ燃えきっていない蚊取り線香が見えた。
何だ!蚊取り線香の煙だった。寝ぼけていたと又みんなに笑われる。最初は眼のかすみかと思った。次は火事だと思った。こんな事が日常茶飯事の如くにあると、もう私は駄目だと思ってしまう。それが度重なれば重なるほど気力が失われる。でも、私にはどうしてもやらなければならない事が残っている。どんな事でも死んでしまえば誰かがやってくれる。大事な物でも捨てられて、動産、不動産は誰かの物になる。でも心血を注いで書いた原稿だけは捨てられたくはない。何とかしようと思ってその為にのみ生きている。四国88ヶ所の霊場めぐりも出来なくても良い。でも原稿とお父さんの撮ってくれた写真は捨てられるにしのびない。それを生きるよすがとしてとして頑張っていく。