持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ボレロ

2005-12-03 02:04:26 | 演劇:2005年観劇感想編
シルヴィ・ギエム 最後の『ボレロ』
他演目:『スプリング・アンド・フォール』、『小さな死』、『シンフォニー・イン・D』
劇場:フェスティバルホール
振付:モーリス・ぺジャール(ボレロ)
音楽:モーリス・ラヴェル(ボレロ)
出演:シルヴィ・ギエム,東京バレエ団,マッシモ・ムッル(特別出演)


暗い舞台の上に、人影が見える。ゆらゆらと動く腕が、スポットライトに浮かび上がる。ライトが、中心に照準を当て。それが、一気に大きくなる。中央に、深紅の円卓。この上にいるのは、たったひとりのバレエダンサー。強靭な肢体、腰にとどくブラウンの長い髪。周囲には、気配を押し殺した男性ダンサーたち。彼らを従えて、『ボレロ』が始まる。

最初は、音楽とだけ出逢ったのだった。力強いのに、郷愁を感じる。そんなふうに思い、気になっていた。バレエの演目だと知ったのは、確かニュース番組からだったと思う。そこには、上半身を曝け出し、裸足で踊る男性ダンサーがうつっていた。バレエといえば、古典物をいくつか知っている程度のころに。この映像は、衝撃的だった。
ダンサーの印象を弱めるほど、主張の強い音楽。舞台装置は、円卓のみ。身を飾る衣装すら無く、たった独り。体から発する気と、踊る力だけが支えの。厳しすぎる舞台。

ギエム氏は、この演目に1986年から出演しているという。とうとう今回、日本公演に終止符を打つという。彼女は、観客の視線を堂々と受けて立って。なお、こちらを圧倒する。静かに踊る30人近いダンサーたちを、指先の動き(←素晴らしく美しく動く)ひとつで操り。生気を吹き込み、卓の周囲に引き寄せる。劇場2階の天井席なのにもかかわらず、一緒に引き寄せられて身動きができない。停止した躰のなかで高鳴る心音に、生を実感する。

信条として。舞踏ものとオペラには手を出さずに、ここまできた(←主に懐事情)。だけども、コレだけは例外にしようかなぁ。。綺麗に波打つ髪とともに、しなやかな舞踏を堪能したら。雄々しく直截的な、男性による『ボレロ』も観たくなってる。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
男性による『ボレロ』観ました (ぴかちゅう)
2005-12-03 14:18:02
職場のダンス好きな方がビデオで貸してくれて娘と観ました。舞踊鑑賞が苦手な私でも『ボレロ』はドラマチックな上に全体が短いのが有難く、堪能しました。ダンサーは有名なんでしょうが覚えてません(^^ゞ

女性の『ボレロ』もTVでやってたのを途中から観て釘付けになったことがありました。多分それはギエムさんの舞台だったんだと思います。

友人のsakuramaru(私のブックマークにあるフォトグラファー)が最後のギエムを東京で観てすごくよかったって言ってましたよ。アダム・クーパーの『白鳥の湖』も彼女から声がかかって観たのが唯一のバレエ鑑賞体験です。さすがに素晴らしくて居眠りなんかしませんでした。
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キーワードバトン (midori)
2005-12-04 01:54:17
ブログを利用した“連想ゲーム”かな♪という感じでトライしてみましたので、日記をトラバさせていただきました。

スルーでも、もちろんOKです。



「ボレロ」をはじめて見たのは映画「愛と悲しみのボレロ」の中でした。

ジョルジュ・ドンをはじめ、多くのダンサーが踊ってきましたよね。

熊川さんは、ベジャールヴァージョンではなく、ローランプティ振付で踊ったし。

サラエボ五輪アイスダンスでのジェーン・トービル&クリストファー・ディーン組も演技も忘れられません。

多くのダンサー、表現者を惹き付ける、あるいは挑戦させたくなる魅力を持った曲なのでしょうね…。
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Re:男性による『ボレロ』観ました (こやま)
2005-12-05 00:34:42
>ぴかちゅうさま



たった20分の『ボレロ』ですが、あの吸引力はなんなのでしょうね。

(その前のプログラムが、記憶から飛ぶくらい)



ちなみに、こやまの鑑賞歴は。

『ジゼル』、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』あたりです。

初心者、丸出しですねぇ。 (^^;
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Re:キーワードバトン (こやま)
2005-12-05 00:38:46
>midoriさま



バトン。できる範囲で、善処(?)してみました。



>「愛と悲しみのボレロ」

作品名は知っていましたが、今はじめてタイトルと演目がつながりました(←迂闊)。

レンタルできるかな。ビデオ屋さんに行ってみます!
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ありがとうございます! (midori)
2005-12-05 10:08:01
キーワードバトンにも、反応していただき恐れ入ります。

(^^;



「愛と悲しみのボレロ」

既に色々検索されて内容もチェックされてると思いますが…。

クロード・ルルーシュ監督の大作で、露・仏・独・米で活動していた音楽家、舞踏家の4つの家族の過ごした戦争を前後しての45年を追いかけた内容です。

2時間45分。

ドッシリ&ズッシリですが、見応えはあると思います!

レンタルできるよう祈ってます。

(^^)v
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Re:ありがとうございます! (こやま)
2005-12-06 02:15:56
>midoriさま



わ、そんな大作なのですね(←検索ベタ)。

家の近所には無かったのですが、幸い(?)だったのかも・・。

お正月に実家で、というパターンで楽しんでみたいとおもいます!
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