持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

エビ大王 1/2

2005-12-30 22:24:05 | 演劇:2005年観劇感想編
Team ARAGOTO Vol.1 『エビ大王』 Strong Play of The World
劇場:シアターBRAVA!
作:洪元基(ホン・ウォンギ)
演出:マ・ジョンヒ
演出:岡村俊一
出演:筧利夫,橋本じゅん,河原雅彦,サエコ,こぐれ修,円城寺あや 他


出演者表は、ほぼ個人的趣味で(^^)。TeamARAGOTOとは、筧氏が主催する演劇ユニット。世界演劇の様々な作品から、荒々しさを基準として選択し上演することを目的としているという。そんなことはさておき(←そんなこと?:笑)、カケイ節が健在なのがなによりで。彼が、舞台の芯を担う受ける芝居をしながらも。姿勢は攻めてるところが、好ましい。

古代朝鮮、青銅器時代から鉄器時代へ移ろうかというころ。王の嘆きから、物語は始まる。世継ぎがいない。娘は6人も生まれたのに、男子が生まれない。待ちわびた7人目は、やはり女で。やりきれぬ気持ちをもてあまし、捨て去った。。死神の迎えを、徹底的に拒む王。延々と継いできたエビ王家を、自分の代で止めて死ねるはずがない。娘にも、娘の夫にも、娘の息子にも、王座は譲れない。なにがなんでも、自身の男子を授からねば。たとえ引き換えにするものが、何千人もの民の命だったとしても! 王の血統への執念はすざまじく。2つに国を分かち、二人の娘夫婦に与え。当然おこる争いに、王位を追われ老いさらばえても。見せる続ける執念は、狂気を漂わせる。

物語の展開には、少しく馴染んだシェイクスピアを連想させるところもあり。やはり演劇の基本なのかと、横道にそれたことを考えながらも。南北分断の悲劇を描いているのであろう場面など、韓国風土に落としこんだ部分は、たいへんに目新しく(←韓流ブームには乗りそびれたので)。ただ、こうして。全体に横たわる異国の情緒に惑わされつつも、描かれる男子至上主義は。この国の現代においても、いまだ残るものであって。誰彼の妄執に呆れながらも、笑い飛ばしきることができない。


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