精神世界(アセンションについて)

このブログの内容は、色々なところから集めたもので、わたくしのメモであって、何度も読み返して見る為のものです。

『木陰』 小野道 作

2011年06月19日 | 琴線が震えることば
     詩集 「土の声」より  小野道 作
 2011(平成23年)春 穀雨の頃

      『木陰』

  峠に向かう登り道の真ん中に
  ちょうど七分目あたりの処か
  大昔から栗の大木が1本ある

  
  夏ともなれば誰もが陰に憩い
  脚を休めて汗をぬぐう1里塚
  名も知らぬ人と言葉を交わす


  寒風に幹を背にして息をつき
  あと少しで頂上だと元気をだす
  この峠では引返す者がいない


  ある日その道の先から現れた
  戦いに向かう部隊の余所者たち
  峠を越えて栗の大木まで来た


  隊の列がくずれると怒り出し
  馬達が歩き辛いと文句を言い
  栗の木を根元から切り倒した


  季節が二つか三つ過ぎたころ
  峠に向かう道をふらふら登る
  杖が支えた満身創痍の人の列


  あの峠を越えれば故郷は近い
  あと少しと思えど道は厳しい
  休憩を請い願えど木陰はない


「自然と共に、心ゆたかに・心穏やかに」をコンセプトに
循環型社会をつくるお手伝いをします。
【ゆかしき】

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