詩集 「土の声」より 小野道 作
2011(平成23年)春 穀雨の頃
『木陰』
峠に向かう登り道の真ん中に
ちょうど七分目あたりの処か
大昔から栗の大木が1本ある
夏ともなれば誰もが陰に憩い
脚を休めて汗をぬぐう1里塚
名も知らぬ人と言葉を交わす
寒風に幹を背にして息をつき
あと少しで頂上だと元気をだす
この峠では引返す者がいない
ある日その道の先から現れた
戦いに向かう部隊の余所者たち
峠を越えて栗の大木まで来た
隊の列がくずれると怒り出し
馬達が歩き辛いと文句を言い
栗の木を根元から切り倒した
季節が二つか三つ過ぎたころ
峠に向かう道をふらふら登る
杖が支えた満身創痍の人の列
あの峠を越えれば故郷は近い
あと少しと思えど道は厳しい
休憩を請い願えど木陰はない
「自然と共に、心ゆたかに・心穏やかに」をコンセプトに
循環型社会をつくるお手伝いをします。
【ゆかしき】
2011(平成23年)春 穀雨の頃
『木陰』
峠に向かう登り道の真ん中に
ちょうど七分目あたりの処か
大昔から栗の大木が1本ある
夏ともなれば誰もが陰に憩い
脚を休めて汗をぬぐう1里塚
名も知らぬ人と言葉を交わす
寒風に幹を背にして息をつき
あと少しで頂上だと元気をだす
この峠では引返す者がいない
ある日その道の先から現れた
戦いに向かう部隊の余所者たち
峠を越えて栗の大木まで来た
隊の列がくずれると怒り出し
馬達が歩き辛いと文句を言い
栗の木を根元から切り倒した
季節が二つか三つ過ぎたころ
峠に向かう道をふらふら登る
杖が支えた満身創痍の人の列
あの峠を越えれば故郷は近い
あと少しと思えど道は厳しい
休憩を請い願えど木陰はない
「自然と共に、心ゆたかに・心穏やかに」をコンセプトに
循環型社会をつくるお手伝いをします。
【ゆかしき】
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