改め Objective Technician

はぐれ技術者のやりたい放題

就活を通してプライドを捨てることに成功した

2010-04-26 22:25:12 | 就職活動
先週,他の会社の選考を最後に就職活動を終えました

品川駅を歩いてたら新入社員らしい人がたくさんいて,何かの研修の一環なのか,道行く人々に声をかけて名刺交換をしていました.

僕も声をかけられて,学生なのですみませんと言ったら就活頑張ってくださいと言ってもらえました.






なんてのはどうでもよくて,




来年度から,組込みエンジニアとして某・社会インフラ&電機メーカーの子会社で働きます.





組込み技術者という,今の研究分野および当初の志望とは一見かけ離れた職種ですが,紆余曲折やら幸運な巡り合わせやらがあり,最終的に納得してこの業界に飛び込むことに決めた経緯のさわりだけを曝していきます.



自分が就活はじめの半年前に戻れるとして,当初から自覚しておくべきだったと思うことを書きます.





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【研究職には向いてない】


数年前までは,ドクターに進学するんだみたいなことを言っていた時期があったような気がしますが,最近研究に飽きちゃった感が否めないことを自分自身で認めてしまっています.


そもそも,視覚科学というある意味レアな知識を学生のうちに身に付けておくことが将来アドバンテージになると思って選んだ研究室でしたし,それに工学部を出ておいて心理寄りの分野にいることに変なコンプレックスがありました.


さらに自分の場合は,仕事の質と集中度に関してそれに対するモチベーションの有無には逆らえないと思っています.

去年一ヶ月のインターンで,ある程度の成果を出せてレポートにまとめたのを最後にモチベーションがサーッと引いていき,そのときはたまたま研修終了間際だったから良かったものの,こんなんでは仮に研究職に就いたとしてもやっていけるはずがない,それよりも自分は開発のほうが向いているとはっきり感じました.


今の研究室では,一時期は確かに心の底から面白いと思って研究に没頭して,学会に出しまくり,教授に面白いと言わしめる成果も出したものの,そこで自分で選んだ分野に対してこんなにすぐモチベーションが切れるようでは研究者として適性を欠いていると言わざるを得ません.




【修士研究と関係ない職種で無問題】


なので,大きく開発という括りで,かつ大学で勉強してきたことおよび今の研究分野とつながる職種でもって企業巡りをしていましたが,今開き直って思うと,それは単なるこじつけであって本当に志望するものではなかったと思っています.

本当にやりたいことなのか心の底で疑問に思ってることを「やりたいこと」として表向きは持ったまま会社を回り,これで就活を乗りきれるのかとここでもまた気持ちが切れそうになっていた時期がありました.


そんなときある合同説明会でたまたまのぞいてみたブースで,詳細は書きませんが,当時のモンモンとした深層心理にクリティカルヒットする会社と出会いました.そこのプレゼンを聞いている間,「組込み」「技術」というキーワードから,これまで意識の底で思ってたことがずるずると芋づる式に引き出されてくるのを実感して,なんというか衝撃が走ったのを覚えています.

「これは!」という直感が働き,研究と関係なくてもいいやと思えたらなんだかすごく楽になりました.


蛇足ですが,組込みという世界に惹かれていったときの開放感は,昔に教会をスパッと辞めたときの感情となんか似てるなぁと思います.




【職種が決まれば大手病から脱却できる】


かく言う自分も当初は典型的な大手病でした.ただ,一発目に受けたところで派手に失敗し,そのタイミングで偶然あの会社に出会えたことで,ギリギリ大手病から脱却して方向性を立て直すことができました.


その際の考えの根拠になったのがこの本です.

就活の法則 適職探しと会社選びの10ヵ条 (講談社BIZ)



目次から3つピックアップしておきます.

 ・「相対エリート」のポジションを狙う
 ・「入社後の就活」はハードワーキングである
 ・「ランキングよりも業種」「業種よりも職種」で選ぶ



目次だけ見てもなるほどと納得できるような,就活をする上で非常に基本的なことがシンプルに網羅されています.
もっと早くこのポイントを押さえておけば良かったと思いますが,自分は業界と会社の選択に自信があるのでまぁ結果オーライ.


俗に高学歴といわれる人で,「大手以外は out of 眼中」という状態の人は一度読むといいと思います.





これは僕の視点で,まだ学生の身分なので正しい見解がどうかは知りませんが,仮に万が一,大手に行ったとしても,そこでは製品開発の下流工程の仕事ができない可能性があります.仕様を決めて実装は下に丸投げという上流だけの仕事はしたくないので,あくまでも自身の技術(組込み)で勝負できる職人気質のある業界であることもポイントだと思っています.
この会社と業界に惚れた理由は他にいくつもありますが,本筋から外れるのでここでは伏せておきます.



ところで「会社名ではなく職種名」という考えを持つようになってから親とこんな会話をしました.


親戚の人の職業について話してたときのこと.

「○○さんは何の仕事してんの」
「△△電機だよ」
「△△電機で何の仕事してんの」
「部長だよ」
「だから部長で何をやってるの」
(以下略)



就活を通して,肩書にこだわることが急にアホらしく思えるようになったのだけど,これはいわゆる中二病みたいなものなのだろうか.





【その他】


・鬱
 今でこそ未練はありませんが,当初の第一希望に落とされたあと,二日間布団から出られなくなりました.二日間ろくに食事もとれず,ホントに何もする気が起きず,動こうという意志を体が拒絶するという体験を初めてしました.

ここに書いたことは,いわゆる大手に落とされるという経験をしてからたどり着いた考えなので,もしも幸か不幸か順当に行って一発で決まっていたら,また全く違う考えを持つようになっていたかもしれないことを最後に付け加えておきます.











あと,ウチの大学・学科は推薦に頼りすぎて就活しなさすぎだと思います.

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2 コメント

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Unknown (kanbayashi)
2010-04-26 23:05:59
就職活動お疲れ様。

>「相対エリート」のポジションを狙う
大企業で歯車で終わるよりは、ちょっと小さい企業で偉くなれってことかしら?
その本面白そうだから、読んでみたいなあ。

働いてからもいろいろ大変なことはあるだろうと思うけれど、残りの学生生活を謳歌してください。
そして来年度からは同業者として、よろしく。
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ありがとう (kotaro)
2010-04-27 08:58:15
歯車というか,陸上競技で例えると,自分の実力以上の強豪チームに入ってしまって活躍の場すら得られないままか,それともそこそこのチームで活躍して経験を積んでいけるかで,キャリアの成功が根本的に左右されるという話,らしいけどさぁどうだろう.
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