こんな本よみましたよ

読んだ本の個人的感想を垂れ流し、勝手に★をつけます。

【小説】「狭小邸宅」/新庄耕さま

2014年01月16日 | 小説
今のアパートに引っ越して、もう2年以上になりますが、
部屋さがしのときは、一ヶ月ほどかけて何軒も不動産屋さんをまわりました。

不動産屋さんに行くと、店舗に出ているお兄さんやらお姉さんやらが図面をたくさん見せてくれて、
そのあと希望に合いそうな物件を実際に見せてくれますね。

ある店舗の兄さんもそんなかんじで案内してくれるというので、
われわれは彼の車に乗って、店舗から二駅ほど離れたところにあるマンションをいくつか見に行きました。

お兄さんは車内で他の不動産屋さんのことをけなしたり、
自分はこのあたりの有力者に気に入られているといばったり、忙しそうでした。

結局見せてもらった物件はあまりぴんとこなかったので、
「またよさそうなのがあったら教えて下さい」と言って、
駅も近いしそのまま電車で帰ろうとしました。

するとさっきまで威勢の良かった兄さんは顔を真っ青にして、
どうか車で店舗まで送らせてください、
と懇願するのです。
我々はその異様な様子に、
「店舗に行ったら何されるんだろう。。。!」とむしろ不安を覚え、
電車で帰ると言いはりました。
兄さんは「ちょっとだけ待ってて」と言い、建物の陰に隠れてどこかに電話をしました。
声は聞こえませんでしたが、何度も頭が上下するのが見えました。
帰ってきた兄さんはうつろな目で、「お帰りいただいてけっこうです」的なことを言い、われわれを見送りました。

前置き長くなりましたが。。。

この本を読んでその理由がわかりました!おそるべしです!

*文庫化はまだみたいです。




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