刺激

夜の8時、仕事を急ぎ片付けそのまま地下鉄に乗り込む。
行き先は銀座。昔のお客様から誘っていただいた。会うのは4年ぶりだ。
当時2人は学生。3年と2年だからハタチそこそこか。
久しぶりに会う2人はすっかり立派になっていた・・・あのスニーカーが似合う学生時代が懐かしい。
昔は居酒屋の似合った関係だが、今夜は銀座の綺麗なお店に案内してもらう。

昔話にビジネスの話題、現在の近況と話は尽きない。学生時代の「お客様」の立場とは
逆に当時営業担当だった俺の立場を今になり良く理解したのだろう・・・
当時俺の苦労話を話すまでも無く良く分かってくれていた。
彼らも仕事でたくさん苦労しているのだろう。
卒業して改めて俺を理解してくれる・・・営業冥利に尽きる一瞬だ。

彼は某通信会社のシステム開発、彼女はやはり某通信会社で法人相手の営業をしている。
世間で言う一流大学卒だけあって会話がとても「知的」で心から楽しい。
もちろん人柄も魅力ある青年であり、とても刺激を受ける。
力強い彼には同じ男として負けたくないし、彼女みたいに知的な女性には
恋愛とはまた違う強い魅力を感じる。

またいつかの再開を約束し、その場を終えた。
普通に行ったら安いお店ではないが、昔お世話になった感謝の気持ちも込めて多めに出した。
けど、たくさんの刺激を与えてくれ、将来の糧を蓄えられたのだから
全然、安いものだと思った。