【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【岡田克也】「派閥のパーティ禁止」「政策活動費廃止」の2点で自民党を攻めるかまえ「立憲民主党政治改革実行本部長」就任を内定

2024年01月09日 17時44分58秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]自民党総務会が廃案を決定した政治改革法案の成立を訴えて、2選をめざす新生党公認の岡田克也候補、今から31年前の1993年7月4日、岡田かつや後援会討議資料「岡田かつやの歩み」から。

 岡田克也さんは立憲民主党幹事長定例記者会見をきょう2024年1月9日(火)午後3時から開き「明けましておめでとうございます」と語りました。

 池田佳隆容疑者の逮捕から続く流れで、立憲民主党政治改革本部を今週にも設置し、自ら本部長につくことが内定したとしました。

 そのうえで、岡田さんは(1)派閥の政治資金パーティーの開催そのものを認めない(2)党から議員個人への政策活動費を禁止するーーの2本の柱を中心に自民党政治刷新本部との違いを出していきたい意向をにじませました。

 30年前の政治改革国会につながる流れで、政治改革族議員として頭角を現した岡田さん。政治活動には、鳩山由紀夫さんで年2億円超、鈴木恒夫さんで0・6億円超かかると発表して話題になった「ユートピア政治研究会」の渡海紀三朗さんがイレギュラーな人事で自民党政調会長に就任。初当選1期下の岡田克也さんらの「CP研・比較政治制度研究会」と2つの流れを束ねた「政治改革を実現する若手議員の会」(石破茂共同代表)が連日テレビに取り上げられました。当初は「石油族」「厚生族」とみられた岡田さんが「政治改革族」として名を上げつつ、「小沢一郎・羽田孜直系」との認識が定着し、当選4回で民主党の鳩山代表に政調会長、菅直人代表に幹事長に引き上げられる政界出世街道のすべての礎となりました。

 このため、自分は全く派閥をつくらないで副総理にまでなったコスパの良い政治人生を歩んできました。1期先輩の渡海政調会長に岡田さんは大いに触発されたそうです。

 2回生としては政務次官にはならず、連立8党派の若手の横ぐしをさした勉強会の人選と事務局長を担当。大学同級の山口那津男さんのほか、この勉強会のメンバーの佐藤茂樹さんが公明党の代表・国対委員長として現役のため、これから半年の通常国会で、自公を剥がすきっかけになることもうかがった動きだと思います。

 そうはいっても、渡海さん、岡田さん、石破さんら30年前の政治ドラマを大いに沸かせたメンバーの生き残りの懐古趣味にはならないようにしてほしいところです。

 とくに岡田さんは毎年5会場・6回開催のパーティーで、東京の石油関連の損害保険会社や東海の自動車関連製造業を中心とし年6400万円ほどの収入を得て、小選挙区の私設秘書の人件費にあてています。本人がすべてのパーティー、企業・団体献金の廃止と個人献金への移行を主張するのは、「あれから30年後の岡田元副総理」には無理があります。30年前の「衆議院小選挙区比例代表並立制」が様々な批判を浴びつつも、健在なのですから、やり残しである平成12年改正で残った地方支部に限った企業献金の受領と、抜け穴である、政党から幹部への政策活動費と、「派閥」というその他政治団体によるパーティー券の売上と還流の3点が「令和6年の政治改革」となるだろうと予想されます。


[写真]ユートピア政治研究会で名をはせた渡海紀三朗・自民党政調会長、きょねん12月28日、国会内で、宮崎信行撮影。


[写真]自民党総務会が廃案を決定した政治改革法案の成立を訴えて、2選をめざす新生党公認の岡田克也候補、今から30年前の1993年7月4日、岡田かつや後援会討議資料「岡田かつやの歩み」から。

 ところで、私のYouTubeチャンネルで、12月28日の記者会見をあげており、各媒体でも「記者会見」と報じられました。が、同党のYouTube、書きおこしはありません。この経緯は、党役員室が作成する日程表で「ぶら下がり」としていたものを、岡田さんが「記者会見」でやると主張。ライブ配信班、文字起こし班が発注されていないまま開催され、役員室報道担当部長も「記者会見」とアナウンスして司会をしました。私も「仕事納め式」取材を終えて引き上げようとしたら「記者会見を行う」と聞き、そのまま着席し、出席しました。私は、ぶら下がり・記者会見ともあるとは事前に知りませんでした。

 なお、執行役員会は、泉健太代表就任後は、アタマ撮りがなされていました。その後、幹事長が岡田克也さんに交代後に、組織委員長らが外されたうえで、アタマ撮りも禁止されました。これは2016年民進党の岡田代表・江田憲司代表代行・安住淳国対委員長らの体制のときと同じです。山尾志桜里さんが政調会長就任後に執行役員会メンバーでないことに気づき、2017年の「代表選の論功行賞としての幹事長人事」をめぐる混乱と週刊文春の状況証拠しか持たない見切り発車報道、安倍晋三さんの抜き打ち解散、希望の党騒ぎという大混乱へとつながり、地方組織でいまだに混乱の火種として残っています。この2017年の騒動で傍流だった枝野幸男さん、岡田克也さんが逆に主流派になり現時点まで権力を持つ構造となっており、相変わらず派閥は全く関係ない権力構造で立憲民主党が運営されていることになります。

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