【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢側近が一年生の飲み会を潰す 小沢グループ内でも意見対立

2009年09月27日 06時53分51秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

【お願い】このエントリーのリンクを掲示板に張らないでください【お願い】

 一年生議員143人が顔合わせの飲み会を企画したところ、小沢側近が潰すという事件が起きました。ところがこの飲み会は「一新会倶楽部」事務局長が事前に相談に乗ってOKを出していたもので、小沢グループ内にも対立があることが浮き彫りになりました。いつの日もこの党は小沢側近がダメにしてきました。「新進党→○○党→民主党」の船を乗ってきた人はみんなうんざりしています。

 一新会倶楽部は小沢グループの元職・新人が作っていたもので、当選したら「一新会」に入会(昇格)するはずですが、その手続きの会合が開かれたもようがないので、とりあえず「一新会倶楽部」のままとします。

 対立したのは、南関東ブロックの小選挙区で国会に返り咲いた2議員。一人は元新生党衆院議員の息子で、一新会倶楽部の事務局長とされています。もう一人は、同じ船に乗った参院議員の義理の息子で、小沢幹事長の訪英にも同行する側近中の側近とされています。

 143人の「政権交代チルドレン」は肩肘張らない気さくな飲み会の開催を決め、呼び掛け人や出欠確認の取りまとめ役も決めました。とはいえ、「小沢幹事長にお伺いを立てないと面倒なことになるかもしれない」との声があがり、「事務局長」に相談して、あらぬ誤解を招かないように案内文を見てもらい、開催の承諾を得ました。

 ところが、「側近中の側近」がこの話を聞きつけ、事前の相談がなかったと「事務局長」に横やりを入れました。当選回数は「側近中の側近」が「事務局長」より1回上です。これにより、すでに案内文が出ていたのにもかかわらず、会合は中止されました。一年生議員たちは、やむを得ず、勉強会、例えば渡部恒三・最高顧問の経験談を聞くといった類の会合を開催する構想を持っているようですが、ガイダンス・両院議員総会・衆院本会議場以外で、一年生議員が一堂に会したことはないまま、臨時国会を迎えることになりそうです。

 この背景には、「小沢グループは150人」(読売)などと、143人の多くを「小沢グループ(一新会)」にカウントする報道が多いことがあります。仮に一新会の会合を開くと、出欠により、143人の中で色分けができ、小沢グループは意外と少ないことが明らかになります。

 また、小沢さんは個人的な資金繰りに苦しんでいるようですから、新人に「おこづかい」をあげることは困難でしょう。仮に10万円のおこづかいを渡したら、1000万円を超えますし、もらった方は「また貰えるのかな」と思います。選挙中に小沢さんが配った軍資金は、おそらく党本部の選対委員会の強化資金でしょう。それを伝票無しに、小沢個人のものかのように配るのが小沢流です。彼が党執行部からけっして離れないのもこれが理由でしょう。

 小沢一郎さんというか「小澤一郎」さんは不動産を担保に入れ融資を受け不動産を買い増ししてきましたから、返済に悩んでいるようです。年末は思い詰めた表情になります。ですから、総選挙後は一新会を開催しないことで、新人全員を小沢グループに思わせるような作戦をとる、と私は予測しており、事実、その通りになっています。

 新進党時代から、小沢側近が日本政治を台無しにしてきました。小沢側近は幅を利かした後、どんどん落選して、また新しい側近が生まれ、幅を利かし、また落選していく。まるで芸能界のような使い捨てです。そして、親分1人だけ元気。

 とはいえ、快走する民主党政権の活力は、「小沢力」に対する反作用です。つまり、大臣たちは「小沢を幹事長室に閉じこめる」ために頑張っている。先日、河村たかし名古屋市長が長妻厚労相を「仲良しだ」として褒めたたえたという報道にも、この「小沢力への反作用」と感じます。与党とはそういうものです。

 1年生議員も自分の名前で選挙に勝てるようになって、先輩大臣同様に早く「小沢卒業」できるよう毅然として政治活動に取り組んで欲しいと思います。それと、全議員に言えることは、来夏の参院選に向けた県連内の候補者擁立作業を早めに済ませ「小沢裁定」の出る幕をなくしておくことがとても大事です。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿