【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【これにて一件落着】“覆面法案”「粗特取り出し法案」のベールを暴いちゃいます

2008年03月28日 13時53分25秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

 民主党(DPJ)の覆面法案のベールを暴いちゃいます!

 覆面法案とは、直嶋政調会長ら8人の参院議員が2月29日に提出した「租税特別措置法改正案」(169国会・参院議員立法3号)のことです。

 当ブログでは“粗特取り出し法案”の名称で、その存在には言及しましたが、細かい租特措置の取り扱いを初めてご紹介します。

【民主党の「粗特取り出し法案」の詳細(抜粋要旨)】

〔オフショア取引〕
 ①特別国際金融取引勘定の預金などの利子の非課税の適用期限を撤廃する→恒久非課税

〔外債レポ取引〕

 ②外国金融機関などの債券現先取引の利子の課税の特例の適用期限を撤廃する

〔登録免許税〕
 土地の売買による所有権の移転登記などに対する登録免許税の税率の軽減措置について税率を見直した上で、適用期限を3年延長する。

 ③土地の売買による所有権の移転登記(現行1.0%)
  2008年4月1日~2009年3月31日 1.0%→現行通り
  2009年4月1日~2010年3月31日 1.3%
  2010年4月1日~2011年3月31日 1.5%

 ○土地の所有権の信託の登記(現行2.0%)
  2008年4月1日~2009年3月31日 2.0%→現行通り
  2009年4月1日~2010年3月31日 2.5%
  2010年4月1日~2011年3月31日 3.0%

  下町の太陽注=いずれにしろ、向こう1年間は今まで通りです(^o^)

 ○マンション建て替え事業の施工者など受ける権利変換手続き開始の登記などに対する登録免許税の減免措置の適用期限を2年延長する。

〔酒税・たばこ税〕
 
 ④入国者が輸入するウィスキーにかかる酒税の特例税率を1年間延長
 ⑤入国者が輸入する紙巻きたばこにかかるたばこ税の特例税率を1年間延長

〔ガソリン税の特定用途免税〕

 ⑥特定用途(接着剤原料など)のガソリン税の免税措置を10年延長する
   ただし、特定用途から発電用のガソリン税を対象から除く。

〔石油石炭税〕
 ⑦特定の輸入石油製品(ナフサ)などの石油石炭税の免税措置を2年延長する

・施行期日
 この法律は、平成20年4月1日から施行する。 

【福田首相は、「粗特取り出し法案」衆参可決・成立の大英断を!】

 ということで、上にあげた①~⑦は「増税7項目」に相当します。

 政府は7項目の「還付」を検討しています。
 が、「粗特取り出し法案」を成立させてしまえば、還付などという面倒なことをしなくてもいいのです。

 なんだか福田康夫首相がきのう、泣きそうな顔で記者会見をしたらしいですが、この「粗特取り出し法案」を使えば、4月パニックなど起きません。

 どうです、31日に衆参で一気に可決、成立させちゃえば。
 10年前、我らが学窓、小渕恵三さんもやったでしょう、菅民主党の「金融再生法案」丸飲み。

 今度は丸飲みなんかしないで、国会で通しちゃえばいいんです。もっと簡単ですよ~~、民主党案のまま。
 自民党総裁にはそのくらいリーダシップがあります。

【ところで、なぜ民主党は今まで“覆面”をかぶっていたの?】

当ブログ内25日付エントリ【粗特関連】「野党対案の参院可決=政府案の見なし否決」政府判断せず

 参院で「民主党対案」を可決する=衆院が「政府案」否決と見なす

 ということで、60日ルールで衆院が3分の2で政府案再可決という手段を自民党(大島国対委員長ら)がとることを警戒したので、これまで覆面にしていました。

 が、福田首相が昨日の記者会見で、
 「野党に対して何度も政策協議を呼びかけてまいりましたが、今日に至るまで何の進展も見ておりません」と発言。

 私は「民主党・粗特取り出し法案」を私たち国民が知った方が、4月パニック回避につながると考え、きょうエントリ化した次第です。


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